【感想・ネタバレ】チンギス紀 十四 萬里のレビュー

あらすじ

チンギス・カンは、息子たちや将軍を率い、ホラズム・シャー国に大軍で進軍する。長男ジョチはシル河下流の制圧に向かい、次男チャガタイ、三男ウゲディはオトラル攻略を任された。攻城戦をおこなうため、ボレウとジンの歩兵部隊、ナルスの工兵隊も投入されている。チンギスは、四男トルイ、将軍ジェベと共にブハラを目指す。モンゴル軍を迎え撃つのは、帝アラーウッディーンと皇子ジャラールッディーン、イナルチュク、テムル・メリク、そしてマルガーシたちだった。ホラズム国に遠征するチンギス・カンを、十分な兵力を持つ軍隊が待ち受けていた。好評第14巻。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

チンギス紀14 萬里 を読んだ。
全体を通して、モンゴルとホラズム国の戦が描かれていた。これだけ戦の詳細が長く描かれるのは、かつてジャムカ、アインガ、タルグダイの三者連合と草原の覇を巡って戦った戦以来だと思う。非常に熱い。
また、チンギスにとって重要な人物との別れと、新時代の若者の出会いが交錯する1巻でもあった。
・チンギスの弟カサルが病で死んだ。カサルは、ナイマン王国併合戦の総大将として敵の兵站切りを長い時間かけて実行し、ナイマンを滅ぼした時から、将軍としての存在感を増し始めていた。その後、主役級の活躍は少なかったものの、モンゴル東方司令軍総大将として、安定した軍の運営と統治を見せていた。モンゴルにとって重要人物であると同時に、チンギスにとっても、共に兄弟のベクテルを殺した「共犯者」だった。ジェルメに訓練で打ち倒されていたあの頃から、もうカサルが死んだと思うと、旅路もここまで来たかという感覚。
・後でも触れるが、雷光隊のムカリもマルガーシとの一騎打ちで死んだ。チンギスにとってムカリは、数少ない本音でふざけ合える仲だったと思う。そんなムカリと、兄弟カサルをほぼ同時に失ったことで、カンとしてのチンギスの孤独は1層深まると思った。
・タルグダイとラシャーンの元で証人として頭角を現しているトーリオが、長い航海の末チンギスの孫で現在兵站・交易を担当するヤルダムと出会った。かなり広がっていた南の世界とモンゴルが、ようやく繋がった。北方謙三の手腕に脱帽せざるを得ない。チンギスがタルグダイを倒したのは、9巻。そこから緻密にタルグダイのその後と後継のトーリオを描き続け、ここでブーメランのごとくモンゴルの元に帰ってきた。ここまで大きな構想を考えられることが、信じられない。驚嘆。
・そして、マルガーシ!!ジャムカの息子である彼も、長い旅の末、ようやくモンゴル軍の前に姿を現した。チンギスはじめモンゴルの古い世代のものは、みんなマルガーシの黒貂の帽子を見て、ジャムカの影を感じ始めている。遊軍としてのマルガーシは非常に厄介な敵であり、モンゴル軍最強の遊軍だった雷光隊をほぼ壊滅させ、ムカリをその手でうち果たした。モンゴルのホラズム国併合の大きな壁であると同時に、チンギス個人としても大きな壁になるだろう。チンギスが、志を共にしていたはずのジャムカの存在を、マルガーシを通して改めて認識することで、見失いかけている戦の意義を再考するきっかけにもなると思う。今後に期待。
・また、チンギスの息子たちが多様な視点から描かれるようになり始めており、世代交代の波を感じた。草原を統一した頃は、僕はチンギス最大の幸運は優秀な息子兄弟に恵まれたことだと考えていた。しかし今や兄弟は末弟のテムゲのみとなり、息子達はやや凡庸な将軍という立ち位置が明確になってきている。ホラズム国との戦の苦戦も相まって、久しぶりにチンギスが停滞している印象。しかも、かつて停滞していた頃(南からモンゴルに戻ったばかりの頃)は、草原の中では珍しく兵站や生産に目を向ける事で、今後大きく花開く余地があった。しかし今は、咲いた花が枯れかかってる印象。チンギスの代でどこまでモンゴルが大きくなるのか分からないが、ホラズム国との戦には何とか勝って欲しいなぁ。
・また、トーリオの言葉の中で、「東にある巨大な島」が出てきた。台湾だと思ってたけど、もしかしたら日本なのかな?

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホラズム=シャー国という、個人的にあまり認識してなかった国との戦いが全体を覆う。なんか結構強いのでよし、ムカリが去ってしまうのは驚いた。基本的に苦戦の巻だが、これまで基本的には順風だっただけに新鮮だった。残り3冊であるが、北方さん、森羅記という元寇、北条時宗の時代のものを刊行しているので、なかなかここで打ち止めにしにくい。文庫刊行まで待つけど。

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2026年04月01日

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