あらすじ
「昇降機であることに意味があるんだ」
無事にナガツキの身体が元に戻った後、何やら確かめたいことがあると言うトウカ。そして二人は、謎に包まれた昇降機の真実に一歩ずつ近づいていく。
自覚なき死者の生きる国“終端街”へようこそ――。
結月さくらがいざなう、想い絡み合うヒューマン・ファンタジー。
(第24話収録)
事故で命を落としたトアが出会ったのは、昇降機守を自称するトウカ。
死者の乗降場でたくさんの人を見送ったという彼は「自分の背負ってきたものと向き合えなかった者は人ではなくなる」とトアに話すが…。
トアの後悔に寄り添うトウカの言葉に胸を打たれました。
そんなトウカが探し続けている友人はどんな人物なのか、トウカにとってどのような存在だったのか…。
トウカの言葉の節々からその友人への尊敬と執着を感じ、ますます気になってしまいます。
そして、昇降機が"生える"不思議な世界観に思わず惹きこまれました。
死者の国を舞台に、どこか冷たい雰囲気がありながらも、そこで生きる人たちの温かさも描かれており、何度でも読み返したくなる作品です!
感情タグBEST3
匿名
なぜ昇降機なのか。
1話を読んだ時、確かにそう思ったのに、深く考えてませんでした。
そういう、突拍子もない設定に実はちゃんと意味を持たせているのが結月作品の醍醐味の一つだというのに!
なるほど、と唸りました。
『犬夜叉』に出てくる「骨喰いの井戸」を連想しました。
昇降機である理由が明らかになったことで、あの場所が「水路」であることと「終端」街という名前に、改めて納得しました。
「水路」とは(もともと流れていたものを整備したり、)本流から横に人工的に作った水の通り道。その行き先が終端街。
本来、虚の水路と終端街は同じ高度にあったはず。それがズレたのが「大捩れ」で、その高度の差を解消するために「昇降機が生える」ようになった、という感じでしょうか。
果たして水路は今どうなっているのでしょう。
というか、そんな荒技思いついてしまうトウカさんに感心しました。
匿名
虚の水路が紐解く?
虚の水路から終端街に誕生したトウカが出会った不死のナガツキ。
ナガツキと共に居たアカリヤ、不穏な気持ちを抱えたトア。
昇降機の下には虚の水路はあるのか?
トウカと繋がった人々はこれからどう紐解かれていくのか、次回どういう展開になるのか?
虚の水路が見つかった時全てが繋がるのでしょうか。
とても深くて面白いです!
過去誰かがその水の向こうに異界を見た
過去誰かがその下に異界を見た
我が身は誰なるぞ
例えばギリシャ神話に登場するアケローン河。
「冥界の入り口」を流れる苦悩の川。
一方、三途の川は、日本の仏教や民間信仰における現世とあの世の境界。
どちらも死者を死後の世界へ分かつ「境界の川」として共通した役割を持っている。
例えば天岩戸。岩戸に太陽神たる天照大神がこもったことで、世界は闇に包まれた。
そう思えば世界は、簡単に区切られてしまうのかもしれない。
作品タイトルである「昇降機」に切り込んでいく。
昇降機は人ないし物を運ぶものだ。終端街ではあり得ない世界に連れていく昇降機は、どこに、なぜ、なんのために彼らを運ぶのか。
うろの水路は、私たちの識る河だけでない可能性があるのではないか。
己の足元を問うてみる一話。
落花生は、花が咲き終わると、落ちた花の根元からツルが伸びて地面に潜り込み、その先端でサヤ(実)が成長するため「落ちた」「花が」「生える」という。
土の中、普通にしていては見ることのできない世界の中で育まれる存在を、改めて認識する。
茹で落花生の炊き込みご飯のような一話。