ブロンズ
レビュアー
  • 終端街の昇降機守(24)
    ネタバレ 購入済み

    約束はフラグ?

    ナガツキくん復活おめでとうございます!
    そしてこれからもトウカさん&ナガツキくんコンビが続いていくことが嬉しい!!

    心なしか、ナガツキくんの笑顔がより柔らかくなったような、そしてトウカさんが素直にしょんぼりした顔を見せるようになったような気がします。
    ナガツキくんとトウカさんがそれぞれ互いの理解者であること。
    「また仲良くなれるかな」と、誰かと過ごすことを受け入れているナガツキくんがいること。
    二人とも孤独ではないこと。
    こうした二人の距離感がやっぱり好きです。

    そしてトウカさんとトアさん。
    この約束が今後どうなるのか……気になりますね……!
    誰かと仲良くなることは、孤独ではなくなること。
    でも、誰かと仲良くなると、いつか別れが来たときに、その別れが辛くなる。孤独であればそんな思いをすることはなかったのかもしれない。

    その選択が、この先どうなるか。でも読者には見守るしかないんですよね……。

    昇降機の謎について、なるほど!?となりました
    確かに、何故「昇降機」なのだろうという疑問はありました。

    前の話(20話等)でも、海上他界観の話が出ていましたが、今回指摘された「地下に他界を見た」もそうです。地獄や冥府は地の底にあるといわれる神話や宗教もあれば、天国や天上といった表現がある神話や宗教もあります。
    「天国に登る階段」という概念もありますし、死後の世界において、「異界に繋がるもの・異界に繋げるもの」に上下方向という概念がある……!

    物語の中でひとつオマージュや暗喩、物語構造の回答が出たようで、すっきりしました。
    凄い。本当に色んなところに色んな神話の構造が敷き詰められていて、作者さんの知識とアイデアとセンスが凄い。

    でも、それならば、「昇降機は虚の水路から、人々の魂を掬いあげているのだろうか?」
    (井戸は桶を使って水を掬い上げるもの)

    「掬い上げた上で、宗教や信仰、前世界の記憶といった『終端街に持ち込んではいけないもの』を濾し取っているのだろうか?」

    「なら、濾し取ったものはどこへ行く? それが赤ランプの先に閉じ込められているもの……?」

    等々、勝手に妄想して楽しんでいます。

    謎が解き明かされる度に新しい謎があり、進む度に終わりに近づいているようで。知りたいのに終わってほしくない……!この物語を永遠に読み続けていたい……!という気持ちになります。

    #切ない #深い #じれったい

    2
    2026年07月29日
  • 終端街の昇降機守(23)
    ネタバレ 購入済み

    幸せであれ

    気になっていた人の過去が分かって、そこに悪意がなかった事を知れて、ほっとしたような。同時に、その人が苦しんでいた事実も分かって、悲しくなるような。
    何はともあれ、穏やかな一区切りとなって良かったと思います。

    前話から一ヶ月、ドキドキしながら更新を待っていました。

    アカリヤさんとナガツキくん、どちらも良い方向に進んでくれますように……!

    怪我をしない身体のナガツキくん。
    大捻れで亡くなった母親。
    宗教の始まりとなった父親の思想。

    宗教という概念がなく、神様という存在を知らず、祈る先を知らず。
    だけど、終端街に生きる人々は不安から縋る先(ナガツキくん)を見つけ、「特別な人だから」と特別に扱うようになった。
    宗教や神を知らなくても、その想いは「信仰」となり、その行為は「祀り上げる」ものになった。
    文明を滅ぼしても、また文明が生まれるような……「人類は繰り返す」を感じました。
    人が人である以上、こうなってしまうものなのでしょうか?

    23ページの「誰もあなたに夢を見ないように」という台詞が好きです。

    宗教が無い世界、神様という概念がない世界で、「信仰」という言葉も無い(おそらくトウカさん以外その単語が存在することを知らない)世界で、誰かが誰かを信仰し、その誰かを祀りあげることを表現するために使われるのが「夢を見る」という言葉であること。

    「夢を見る」……おそらくは、眠りの中で見る夢(現実ではないから理想や憧れが実現できる仮想・夢想)や、憧れ・理想といった概念を、案内人さんは終端街に残したこと。
    そうした夢が少なからず人々に優しくて、良いものだと、案内人さんは判断したのかもしれません。

    終端街から消されたものを思うと、終端街に残されたものについても考えたりして、その度に、どこまでも案内人さんが優しい人、優しくあろうとした人だったのだろうなと思います。

    冒頭もそうですが、やはり終端街には何らかのエラー(バグ?)がある事が示唆されて、改めてここから先が気になりますね。

    優しくあるように、善きあるように、と作られた街でも、死や不安、災害は存在するし、存在しないと思ってもどこからか発生する。
    でも、逆にいえば、ナガツキくんとアカリヤさんのように、苦しみの中であっても、自分の生を肯定できる。対話ができる。優しさがある。
    世界は矛盾ばかりで、どうしてこうなったのか。

    終端街の世界観を考えれば考えるほどに悩ましくて、でも面白いです。

    #切ない #深い #ダーク

    1
    2026年07月29日
  • 終端街の昇降機守(22)
    ネタバレ 購入済み

    首無ピースで笑わない人いる?

    キャラクターの持ち物から伺えるファンタジー要素大好きです。
    ノスタルジックで古風さを感じる世界観であり、「現実にもありそうな」デザインでもありつつ、ファンタジーな技術・ファンタジーが当然にある世界で、不意にフィクションを感じられるのが面白いですね。結月さくら先生のこういうファンタジー描写が大好きなので嬉しいです。

    家の破片が入ってて家まで瞬間移動してくれるモノ……!?
    どこで●ドアじゃん、キメラ●つばさじゃん、と勝手にはしゃぎました。

    からの、ナガツキくんの首が!!!!!

    「覆水盆に返らず」とは言いますが、ナガツキくんの命は「盆に戻る水」なんですよね……と思うと、タイトルの意味に唸りました。
    こんな状況でも他人を気遣えるナガツキくん、本当に良い子。

    初見殺しに遭ってしまったナガツキくんに対し、「レーザー」の存在を認知していて、かつ、対処できる反射神経・思考があるトウカさん流石、赤ランプ対応のプロ。スマートな倒し方が格好いい。

    ところで、首無ピースで笑わなかった人います?
    私は笑ってしまいました。
    「推しの!!!首が!!!」と血の気が引いていた+内心号泣していたのに、推し本人がこんな元気だったら確かに気が抜けますて。
    首無しナガツキくんの肩にくっついてるイトマキグモちゃんが泣いているのを見つけて、ぎゅっとしてあげたくなりました。ちゃんと懐いているんですね……。ナガツキくん無事であってほしい。時間差で……とか、離れたら実は……とか、最悪のパターンをあれこれ想像しては、怯えている自分と、ここからどうなるんだろうとワクワクしてる自分がいます。

    そして、アカリヤさん……!!
    今までアカリヤさんが登場した回(2話、3話、11話、12話、13話、21話)を読み直そうと思います。
    あの時は「そういう反応にもなるかー」と流していた間や台詞の意図・解釈が変わりそう……!!
    こうして何度も読めるので良い作品です。

    #ドキドキハラハラ #シュール #ダーク

    1
    2026年07月29日
  • 終端街の昇降機守(19)
    ネタバレ 購入済み

    海の画が凄い。

    いよいよナガツキくんの過去に切り込む回……とドキドキしていましたが、海の一コマが美しくて、同時にほんのり怖くて、目を奪われました。
    結月さくら先生の描かれる海って本当に凄いです。青ランプのエレベーター、その扉の先に広がっている広大な海。モノクロなのに色が見えるようで、でも同時に、曇天と灰色の海が広がっているようにも見えて、引き込まれる1頁でした。
    このコマを拡大して家の壁に貼りたいぐらいです。

    前回に引き続き、青ランプの法則の謎、「何故そうなるのか」という謎がますます増えるばかり。

    そういえば、「彼岸(あの世)」と「此岸(この世)」を分けるのは川だけじゃなくて、海もそういわれる逸話や由縁、神話、伝承があるので……。
    ある意味、海が生死を分かつ存在として、最も「虚の水路」に近いのでは?
    だとしても、そんな場所でナガツキくんが出会うのが4話の彼女、というのも意味ありげです。

    多分「彼女」だよな……と思っていたら他のレビューの方も4話を挙げていて安心しました。

    ナガツキくんと横たわっていた、あの?と震えていますが、こんな穏やかに微笑む日々があったのなら、今に繋がるに至る物語とは一体……とまた謎が増えるんですよね。そこが面白いんですけど。

    我が恋はまさかもかなし草枕多胡の入野の奥もかなしも、という『万葉集』巻14に登場する歌。
    子らに恋ひ朝戸を開き吾が居れば常世の浜の浪の音聞こゆ、という『丹後国風土記』(逸分)に登場する歌。

    10話・11話で何気なくトウカさんが口にしていた「浦島太郎」というワードがこんな形で回収されることあるんですね。
    青ランプのお部屋って本当に何なんですか……!?
    どこまで伏線なんですか……!!とドキドキしています。

    そしてこんな時ですけど、戦闘モードのトウカさんのビジュが本当に良い。格好いい。どんな危機でも安心感があります。
    一方で、足元が海に浸かるのも気にせず膝をつくナガツキくん、まるで宗教画のような構図で美しい。推しのピンチなのに、不思議と心惹かれる絵の強さがあるんですよね。作者さん本当に絵が上手い。「怖い」と「好き」が同居する感情でいます。

    #ドキドキハラハラ #カッコいい #ダーク

    1
    2026年04月11日
  • 終端街の昇降機守(16)
    ネタバレ 購入済み

    優しい神話

    この頃からトウカさんは感受性が豊かで繊細で、優しい人だったんですね

    スープを食べ損ねた事が未練なのも、一人で食べるのは味気ないと二人分のスープが出て来るのも、一緒に食べようと友人さん(この時点では「男」「渡し守」という扱いかもしれませんが)を誘うのも、今の、トアさんやナガツキさん、終端街の人達と過ごすトウカさんに繋がる優しさを感じて、トウカさんのオリジンに触れるお話を読む度にトウカさんが好きになります

    掘り下げれば掘り下げるほど、他人の辛さや寂しさに寄り添うことのできる優しい人で、他人のためにその身を尽くしてしまえる人がトウカさんなのだ、と……

    トアさんがトウカさんに案内されたように、トウカさんも友人さん(黒いフードの男)に案内された過去があったのだと知って、そこで大多数の死者と同じように終端街に進んだり、あるいは虚の水路で終わることを選んだりもせず、「あなたの友人になりたい」で虚の水路に残ることを選ぶところが、トウカさんの他人とは一線を画す部分で、だからこそトウカさんはトウカさんなのでしょうね

    多くの人とは何処か感性が異なり、大抵の人なら選ばない方法を選んでしまえる……これを「特別」というべきか、「異常」というべきか……表現に悩むところですが、トウカさんがこういう唯一無二の人だから渡し守さんと一緒に居られたんだろうな、と思います

    そんなトウカさんと同じくらい、あるいはトウカさんとは別種の優しさを持っているのがこの渡し守の男さんで、終端街が作られるまでどれだけの優しさが注がれたのかと思うと、渡し守さんのことも好きになってしまうのですが……!?

    この過去からどうして今の終端街になってしまったのか……!

    「終端街に行かないことを選択してもいい」と言っていたのに、今の終端街――虚の水路ではなく昇降機で辿り着く仕様になった終端街――では、昇降機に乗れなければ、執着や後悔に足を止めてしまえば、「人ではなくなる」というシステムになっていて……色々と気になって、1話から読み返しては唸っています。

    つい、つらつらと物語のことを書いてしまいましたが、背景の「黒」の静けさや、黒と白だけで描かれる水面の表現が美しくて好きです
    精巧な版画を見ているみたいで、一コマ一コマが一枚の絵として完成度が高くてすごいです
    紙の単行本で欲しい……!!物理で欲しい……!!という欲が出ます

    #切ない #深い #ダーク

    1
    2025年12月17日
  • 終端街の昇降機守(14)
    ネタバレ 購入済み

    「トウカ」の意味

    前回に引き続きナガツキくんが格好いい……!!
    結月さくら先生の描く戦闘シーンが好きです。ステゴロの泥臭さと力強さがあって、不死を活かした戦法だとか、トウカさんのマチェットとは別の格好良さがあります。けど、ナガツキくんの肉弾戦は痛ましさもあって、トウカさんとは違った緊張感があります。

    でも、これはファンとしてどうしようもない性質なのですが、覚悟を決めたナガツキくんの顔が良くて。格好良くて。危機の中で笑顔が出るところとか、その笑顔から一転唇を引き結んだ表情とか、ナガツキくんの人情味のあるところが見える度に惚れ直します。16ページの驚いた顔は可愛いのに。ギャップの天才ですね。
    推しの安否が関わって来るのでドキドキハラハラもするんですけど、推しの窮地でしか見られない表情にも栄養があるので、焦った表情や困惑した表情など、色んな表情を見れたので満足感がすごいです。

    ペストマスク医師の中身がナガツキくんの顔をしていた意味や、相手を倒すトリガーになったのが「僕が殺人者になったほうがマシだ」という殺意なのか覚悟なのか。刑務所という場所もあって、殺人(罪になるようなこと)にも何か意味があるのか……と考えを巡らせてしまうのですが、ひとまずトウカさんが無事で良かったです。

    トウカさんを呼ぶ人は、友人ひとり(ひとつ?一柱?かもしれません)ではなくて、今ではもう沢山の人がいる。ナガツキくんの「先輩」と呼ぶ声もそうですし、もしかするとあの光の先にいるのはトアさんかもしれないし、コウさんやアカリヤさんもいるかもしれないと考えて、次の話で答えがわかるのが待ち遠しいです。

    トウカさんは「燈火」で、彼は何者だったのか、というのがひとつ明かされましたが、だとすれば、コウさんは「光」とも漢字をあてられますし、アカリヤさんは「灯り」を名前に含んでいるようにも見えて、勝手ながらあれこれと想像して楽しんでいます。

    そういえば、前回(13話)でも、コウさんが「そういう役目を持ってこの街に遣わされたのかもしれないと そんなことを言う人もいたよ」「親戚のように思っていて」と話していて、いずれこういった話が何処かで繋がってくるのかもしれないし、そうでもないのかもしれないし……と今までのお話を読み返しながら、続きを待っています。

    #ドキドキハラハラ #カッコいい #ダーク

    2
    2025年10月02日
  • 終端街の昇降機守(12)
    ネタバレ 購入済み

    冒頭からメロい

    冒頭からトウカさんが格好良くてどうしようかと思いました。とんでもない返り血残して行くタイプの怪物もいるんですね。それにしても返り血浴びていてもトウカさん格好いいですね。トウカさんの顔の良さを再認識しました。

    そして不意打ちのようなサービスシーンをありがとうございました。髪を下ろしたトウカさん顔面が壱億点満点です。筋肉の書き込みありがとうございます。救われる命があります。でも寿命がちょっと縮んだような気もします。いやでも真っ先に思い浮かんだのが感謝だったのでありがとうございます。

    トアさんが悲鳴上げる気持ちも分かります。でも毎秒毎コマ、トアさんが可愛いので癒されました。

    ナガツキくんが読者の代弁をするかのようなツッコミを入れてくれるのでナガツキくんの存在が有難いです。本当にそう。それが言いたい。しかもトアさんのナイスアシストまでしてくれて、仕事の出来る男。
    この立ち振る舞いで本心が「死にたい」なの、どうしてお前はそういう男なんだ。そういうところが好きです。

    新キャラ登場で長い黒髪に胡散臭いサングラスの男(職業:写真館兼雑貨屋)ことジェンさん、また濃いキャラでどうしようかと思いました。
    雑貨屋でトウカさんはラムネしか買わない、という情報をありがとうございます。主人公のくせに底が見えなくて謎めいたところが多いので、そういう人間(人間?)らしい生活感ある情報が嬉しいです。
    トウカさんいつもラムネ買ってるんだ……(そういえば5話でラムネ食べてた!)

    想像以上にしっかりデートしていて、微笑ましくて暖かいお話で、水魚飯店の開業記念日のお祝い、こちらも見ていて嬉しくなるような回でした。皆が笑顔でいられて、守りたくなるのも納得できるような、大切な日常を過ごしているんですね……なのにトウカさんは「虚の水路に行きたい」といういずれ来る別離が前提で、ナガツキくんも「死にたい」という別れの欲求を抱えていて、この平和がすでに薄氷なの……どういう気持ちで見ればいいんですか。
    サブタイトルの「日々」をこんなに噛みしめることになるとは。
    これから一体どうなるんですか。楽しみです。

    そして最終ページの終端街アイテム紹介、こういうのめちゃくちゃ大好きなので嬉しいです!!デザインはレトロなのに仕組みは謎ファンタジーが込められている。なるほど死後の世界。他のレビューの方もおっしゃっていますが、このコインランドリー欲しいですね……

    #ほのぼの #切ない #じれったい

    1
    2025年10月02日
  • 終端街の昇降機守(13)
    ネタバレ 購入済み

    トウカさんの幼少期

    トウカさんに幼少期があることにびっくりしました。
    何気なくうすぼんやりとスルーしていたところが急に明かされて、それはそうだよな、と……!
    本当に法則やルールが予測できない、これだから「終端街の昇降機守」は面白い……!!

    改めて、トアさんは本当に大人のままやって来たのか。1話で「越してきた」(引っ越して来た)とあるけれど、終端街のトアさんにも幼少期はあったのか。他の人はどうなのか。終端街の時系列とは、と色んなことが気になりますね。

    8ページの通路が、ホラーらしいホラーではないのに何となくぞくっとする画で、でも無性に覗き込みたくなるような気もして、妙に引き込まれる一コマでした。天井にある無数の配管が内臓や血管に見えるような、突き当りのドアが見えるのにずっと先まで続いているような、底知れない暗闇を感じるような。こういう錯覚が恐怖を作るのでしょうか。「終端街の昇降機守」のこういう背景美術がとても好きです。

    そこからの青ランプの展開で、「静」のホラーと「動」のホラーで、結月さくら先生の緩急の付け方がお上手。読者の情緒が大変なことになります。

    終端街には刑務所がない……ということは、終端街には罪を犯すような悪人がいないのか、別の方法で裁いているのか?と、世界観や概念についての謎も深まりますが、トウカさんが動けなくなる事態というのも結構な危機では。

    刑務所の檻はあるけれど中身はないのか、ペストマスクは病気の象徴なのか、医者の象徴なのか。でも扱う武器はナイフで毒使いでもある? 刑務所との関係とは? と、疑問も浮かぶのですが、とにかくバトルシーンが格好良い。フィジカルが強いナガツキくん、味方になると頼もしいですね。

    前回の青ランプ(マクラギさんの姉:リンさんの部屋)だとナガツキくんが脚をやられて動けなくなっていましたが、今回は逆なんですね。
    不死の特性なのか、刺さったナイフを遠慮なく抜くナガツキくん、そういうところですよ。格好いいと心配ともう少し身体を大事にしてくださいという気持ちでいます。

    あと、何度か読み返していて思ったんですけど、ペストマスクの黒尽くめの衣装、ぬるっとした独特の質感がすごく好きです。皮手袋の皺や縫い目が書き込まれていて、ツヤベタで皮革の照りが表現されているのとか、背景の檻の鉄格子の錆びたような表現だとか、見れば見るほど細かくて凄いです。

    #ドキドキハラハラ #カッコいい #ダーク

    1
    2025年10月02日
  • 終端街の昇降機守(11)
    ネタバレ 購入済み

    皆、矛盾を抱えている男で面白い

    ナガツキくんの表情の変化(眉の動きや目を細める仕草)や、ふとした瞬間にトウカさんの心情を感じるワンシーンが素敵な回でした。

    そして、アカリヤさんとナガツキくんの飲み会、正直に言ってめちゃくちゃ和みました。ちょっと意外な二人だったんですけど、会話を見ていると面白い二人だなと思いました。ここの関係もこれから気になりますね。

    「俺たちは浦島太郎になるかもしれん」「誰ですそれ?」からの今回、割と真面目に危ない状況でどうなるのかと思いましたが、無事に帰ることができて良かったです。トアさんのためにも。トアさんのためにも!

    抱き返そうとしたように見えたトウカさんの手が、最終的にトアさんの頭を撫でる形に落ち着くあたり、どこまでも他人との距離を気遣っているトウカさんで……そこが切ないですね。
    寂しいと思う気持ちがあるのに、皆との差異を理解している・事情があるからこそ遠ざかる、という。

    アカリヤさんの口振りからして、トウカさんが思う以上にトウカさんを大切に思う人はいるのでは。でも、それをトウカさんも分かった上で一線を引いているような気もして、丁度良い人間関係、丁度良い距離感とは何かと考えてしまいます。

    そこがナガツキくんの言う「矛盾」だと思いますし、そこに切り込んでくれるナガツキくん格好いいと思うんですけど、それに対するアカリヤさんも含蓄のある事を語ってくれて。
    読者視点の感想ですが、「死にたい」を目的としていて、今までに引きこもっていて人前に姿を見せなかったらしい(トウカさんと行動するようになってから外に出た)ナガツキくんの方が、いざ他人と関わると早々に深いところに踏み込もうとしたり、さらっと「友達」という親しいワードを言えたり、そういうところにどこか矛盾を感じるような気がします。別れを望んでいるくせに人懐っこい、みたいな。
    そういえばトウカさんに対しても先輩呼びしてグイグイ距離詰めて来る男だった……本当に面白い男ですね、ナガツキくん。

    ……と思っていたらアカリヤさんも含みのある事を言っていて、これだから結月さくら先生の描く男は誰もかれも癖があって美味しい……!!

    #切ない #ドキドキハラハラ #じれったい

    1
    2025年10月02日
  • 終端街の昇降機守(2)
    ネタバレ 購入済み

    九龍城砦や寂れた中華街あるいは

    九龍城砦や寂れた中華街、あるいは、どこか異国のような(でも何故か看板は日本語や英語で読むことができる。しかし、それもどこか明治大正のような古びたものを感じる)不思議な街。
    異世界!という感じで面白いです。

    でも、赤いランプの扉からは「化け物」が出て来る。
    1話を読んで、平和な死者の街かと思いこんでいたのですが、何やら不穏な気配。
    ヒーローみたいなトウカさんにも思惑があり……と、この謎めいた感じが好きです。

    ところで、水魚飯店のメニュー沢山ありますね!?
    老舗のお店っぽいメニューの染み、これは絶対美味しいお店。そりゃトウカさんも推す訳です。ほかほかの肉まんを見ているとちょっとお腹が空きました。
    シナリオを追っていくだけでも楽しいんですけど、細かいところを見ているとより世界観を感じられるような気がします。

    今回の死者は、女性問題を抱えた方だったんでしょうか……。
    髪の長い女性、髪の短い女性、癖毛の女性……女性たち(おそらく具現化した記憶)に取り込まれて、肉塊の化け物になっていく。
    何かしらおぞましい過去がありそうな死者に対しても、トウカさんは祈ろうとする。
    「祈り方がわからない」「祈る気持ちがあればそれでいいはずなのに」という悩みが、トウカさんの優しさだと思います。

    でも、そのトウカさんのお部屋が殺風景で……。
    ワンルームだと思うんですけど、簡素なテーブルと椅子、パイプベッドといった最低限の家具しかないところに、トウカさんの陰のある部分が際立つような気がします。とはいえ、本棚には本が沢山詰まっているんですよね。何の本なのでしょうね。気になるところが沢山ある~。

    そして、「結月さくら先生の画だ……」と思う点なんですけど、本棚やテーブル、キッチン台(戸棚?)など、木製の家具の木目が細かいこと!
    こういうトーンなのか、手描きなのか……ともかく、「年季が経ったもの」を描くことに定評のある結月さくら先生、流石です。

    寂しさの中にも、トウカさんを気遣うトアさんの人肌のぬくみが優しかったり、コウさん(店長さん)の人情味が暖かかったり、「トウカさんは一線を引いているような気がする」と言いつつもトウカさんを飲みに誘うアカリヤさんが居たり。
    人の善性を感じるので、どの登場人物も好きだなー!としみじみしますね。
    トアさんの表情の変化がめちゃくちゃ可愛い。
    「恋」じゃなくて、「親愛」なんだろうなと思える雰囲気、微笑ましいです。

    #切ない #エモい #ダーク

    3
    2024年11月30日