あらすじ
「――うん。ただいま」
リンの想いがこめられた絵を回収して、謎の閉鎖空間から終端街に戻ることにしたトウカとナガツキ。昇降機を降りたその先では、ある人物が二人の帰りを待っていて……。
自覚なき死者の生きる国“終端街”へようこそ――。
結月さくらがいざなう、想い絡み合うヒューマン・ファンタジー。
(第11話収録)
事故で命を落としたトアが出会ったのは、昇降機守を自称するトウカ。
死者の乗降場でたくさんの人を見送ったという彼は「自分の背負ってきたものと向き合えなかった者は人ではなくなる」とトアに話すが…。
トアの後悔に寄り添うトウカの言葉に胸を打たれました。
そんなトウカが探し続けている友人はどんな人物なのか、トウカにとってどのような存在だったのか…。
トウカの言葉の節々からその友人への尊敬と執着を感じ、ますます気になってしまいます。
そして、昇降機が"生える"不思議な世界観に思わず惹きこまれました。
死者の国を舞台に、どこか冷たい雰囲気がありながらも、そこで生きる人たちの温かさも描かれており、何度でも読み返したくなる作品です!
感情タグBEST3
匿名
アカリヤさん!?
トウカは優しすぎて人を思い過ぎて抱えているものが大きいのだろうかー。
トアちゃんの優しい想いが可愛い。そしてナガツキの想いも懐が大きい。
アカリヤさんはまさかのキーパーソン!?
皆、矛盾を抱えている男で面白い
ナガツキくんの表情の変化(眉の動きや目を細める仕草)や、ふとした瞬間にトウカさんの心情を感じるワンシーンが素敵な回でした。
そして、アカリヤさんとナガツキくんの飲み会、正直に言ってめちゃくちゃ和みました。ちょっと意外な二人だったんですけど、会話を見ていると面白い二人だなと思いました。ここの関係もこれから気になりますね。
「俺たちは浦島太郎になるかもしれん」「誰ですそれ?」からの今回、割と真面目に危ない状況でどうなるのかと思いましたが、無事に帰ることができて良かったです。トアさんのためにも。トアさんのためにも!
抱き返そうとしたように見えたトウカさんの手が、最終的にトアさんの頭を撫でる形に落ち着くあたり、どこまでも他人との距離を気遣っているトウカさんで……そこが切ないですね。
寂しいと思う気持ちがあるのに、皆との差異を理解している・事情があるからこそ遠ざかる、という。
アカリヤさんの口振りからして、トウカさんが思う以上にトウカさんを大切に思う人はいるのでは。でも、それをトウカさんも分かった上で一線を引いているような気もして、丁度良い人間関係、丁度良い距離感とは何かと考えてしまいます。
そこがナガツキくんの言う「矛盾」だと思いますし、そこに切り込んでくれるナガツキくん格好いいと思うんですけど、それに対するアカリヤさんも含蓄のある事を語ってくれて。
読者視点の感想ですが、「死にたい」を目的としていて、今までに引きこもっていて人前に姿を見せなかったらしい(トウカさんと行動するようになってから外に出た)ナガツキくんの方が、いざ他人と関わると早々に深いところに踏み込もうとしたり、さらっと「友達」という親しいワードを言えたり、そういうところにどこか矛盾を感じるような気がします。別れを望んでいるくせに人懐っこい、みたいな。
そういえばトウカさんに対しても先輩呼びしてグイグイ距離詰めて来る男だった……本当に面白い男ですね、ナガツキくん。
……と思っていたらアカリヤさんも含みのある事を言っていて、これだから結月さくら先生の描く男は誰もかれも癖があって美味しい……!!
匿名
無事に終端街へ帰ってきたトウカとナガツキを待っていたのはー。
トウカさんの優しさに心が温かくなりました。
トアちゃん!!
最後、この人は何を抱えてるんですか!?気になりすぎます!
異質な世界へ誘う青いエレベーター。今回辿り着いた世界から戻った時には、「ウラシマタロウ」になっているかもしれない…。そう話しながらも、トウカがとった行動とは。そして、終端街に戻ったトウカが出会う感情とは…。
アカリヤという青年はなにを識っているのか。
ほっとする温度があって、ほろほろとほどけていく優しさがあって、ひとめでは何を内包しているかわからない。そんな、コンソメで煮込まれたロールキャベツのような。果たしてこの中央には何があるのか?これからがドキドキする一話。