【感想・ネタバレ】終端街の昇降機守(2)のレビュー

あらすじ

「ああ…祈り方がわからない」
水魚飯店で働きだしたトアは、街の至る所に“生える”昇降機の存在を知る。
昇降機から出現する、化け物を対処しているというトウカを称えるトア。
しかし、トアの称賛にトウカはなぜか表情を曇らせて……?

自覚なき死者の生きる国“終端街”へようこそ――。
結月さくらが誘う、想い絡み合うヒューマン・ファンタジー。
(第2話収録)

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事故で命を落としたトアが出会ったのは、昇降機守を自称するトウカ。
死者の乗降場でたくさんの人を見送ったという彼は「自分の背負ってきたものと向き合えなかった者は人ではなくなる」とトアに話すが…。
トアの後悔に寄り添うトウカの言葉に胸を打たれました。
そんなトウカが探し続けている友人はどんな人物なのか、トウカにとってどのような存在だったのか…。
トウカの言葉の節々からその友人への尊敬と執着を感じ、ますます気になってしまいます。
そして、昇降機が"生える"不思議な世界観に思わず惹きこまれました。
死者の国を舞台に、どこか冷たい雰囲気がありながらも、そこで生きる人たちの温かさも描かれており、何度でも読み返したくなる作品です!

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ネタバレ 購入済み

九龍城砦や寂れた中華街あるいは

九龍城砦や寂れた中華街、あるいは、どこか異国のような(でも何故か看板は日本語や英語で読むことができる。しかし、それもどこか明治大正のような古びたものを感じる)不思議な街。
異世界!という感じで面白いです。

でも、赤いランプの扉からは「化け物」が出て来る。
1話を読んで、平和な死者の街かと思いこんでいたのですが、何やら不穏な気配。
ヒーローみたいなトウカさんにも思惑があり……と、この謎めいた感じが好きです。

ところで、水魚飯店のメニュー沢山ありますね!?
老舗のお店っぽいメニューの染み、これは絶対美味しいお店。そりゃトウカさんも推す訳です。ほかほかの肉まんを見ているとちょっとお腹が空きました。
シナリオを追っていくだけでも楽しいんですけど、細かいところを見ているとより世界観を感じられるような気がします。

今回の死者は、女性問題を抱えた方だったんでしょうか……。
髪の長い女性、髪の短い女性、癖毛の女性……女性たち(おそらく具現化した記憶)に取り込まれて、肉塊の化け物になっていく。
何かしらおぞましい過去がありそうな死者に対しても、トウカさんは祈ろうとする。
「祈り方がわからない」「祈る気持ちがあればそれでいいはずなのに」という悩みが、トウカさんの優しさだと思います。

でも、そのトウカさんのお部屋が殺風景で……。
ワンルームだと思うんですけど、簡素なテーブルと椅子、パイプベッドといった最低限の家具しかないところに、トウカさんの陰のある部分が際立つような気がします。とはいえ、本棚には本が沢山詰まっているんですよね。何の本なのでしょうね。気になるところが沢山ある~。

そして、「結月さくら先生の画だ……」と思う点なんですけど、本棚やテーブル、キッチン台(戸棚?)など、木製の家具の木目が細かいこと!
こういうトーンなのか、手描きなのか……ともかく、「年季が経ったもの」を描くことに定評のある結月さくら先生、流石です。

寂しさの中にも、トウカさんを気遣うトアさんの人肌のぬくみが優しかったり、コウさん(店長さん)の人情味が暖かかったり、「トウカさんは一線を引いているような気がする」と言いつつもトウカさんを飲みに誘うアカリヤさんが居たり。
人の善性を感じるので、どの登場人物も好きだなー!としみじみしますね。
トアさんの表情の変化がめちゃくちゃ可愛い。
「恋」じゃなくて、「親愛」なんだろうなと思える雰囲気、微笑ましいです。

#切ない #エモい #ダーク

3
2024年11月30日

匿名

購入済み

昇降機は決まった場所にあるわけではなく、生えるのか!と驚き&妙に納得しました。
トウカさんのどこか寂しそうな笑顔がなんともいえず好き。
水魚飯店の店主も好きです。

#切ない

1
2024年12月26日

購入済み

揺れる心の描写が素敵

トウカの凪いだ心と反するように熱いアクションに胸躍りますが、それ以上に、人物の揺蕩うような心情の揺らぎが読んでいて引き込まれます。
丸いバニラアイスの乗ったメロンクリームソーダのようなぱちりぱちりとした泡が心地よい一話です。

#切ない #エモい #カッコいい

1
2025年02月01日

匿名

購入済み

結月先生らしさ!

結月先生らしい展開になってきました!
「そう来たか!」と、これからの展開が楽しみです。
化け物になってしまった人のシーンで『影踏み』を思い出し読み返しました。
結月先生の作品はみんな哲学を感じます。

1
2024年12月16日

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