あらすじ
「”終端街には神話も宗教もない”」
消えたナガツキの首を捜すトウカ。そんな折、トウカは、過去にナガツキを見かけたという話を耳にする。それは、にわかには信じがたい場所で……。
自覚なき死者の生きる国“終端街”へようこそ――。
結月さくらがいざなう、想い絡み合うヒューマン・ファンタジー。
(第23話収録)
事故で命を落としたトアが出会ったのは、昇降機守を自称するトウカ。
死者の乗降場でたくさんの人を見送ったという彼は「自分の背負ってきたものと向き合えなかった者は人ではなくなる」とトアに話すが…。
トアの後悔に寄り添うトウカの言葉に胸を打たれました。
そんなトウカが探し続けている友人はどんな人物なのか、トウカにとってどのような存在だったのか…。
トウカの言葉の節々からその友人への尊敬と執着を感じ、ますます気になってしまいます。
そして、昇降機が"生える"不思議な世界観に思わず惹きこまれました。
死者の国を舞台に、どこか冷たい雰囲気がありながらも、そこで生きる人たちの温かさも描かれており、何度でも読み返したくなる作品です!
感情タグBEST3
匿名
ぐわっ(刺さった)
良かった……二人でまた何度でも飲みに行ってくれよ……この世界で……
いやこの世界もう駄目なんかな……??
全てがまるっと収まってくれよお願い
匿名
繋がる
ナガツキとアカリヤ二人の繋がりから紐解かれるそれぞれの生き方と想い。
名前も繋がっていたんですねー。
深いー!
ナガツキはトウカに出会えた事で生きる意味を見出し、アヤリヤもナガツキと出会えた事で
過去のトラウマから解放されるのかなー。
宮古島の神話を当てていた事に鳥肌が立ちました。
この身ではあなたの涙が拭えない
いつかのナガツキのほつほつとした足跡が、促されて出来たものだとしたら。今のナガツキの足跡は、アカリヤにはどう見えていたんだろうね。
アカリヤの眼から見た、ひとりの人間のはなし。
死なずの男と、その手を引いて歩いた顔も認識できなかった誰かたち。
ナガツキの傷が治る特異性が、改めて浮き彫りになりながら、ナガツキの人間としてのひかりを再確認する一話です。
前話、レビューで「そしてあなたを抱きしめる」とタイトルをつけ、「腕に掻き抱いたそれは温かい」と書きました。
居酒屋でともに酒を酌み交わしたあの夜の喧騒が、アカリヤにとって蓋をした中でどれほどの感情の奔流だったかと思うと、胸が熱くなります。
首だけになったナガツキには、あなたの涙を拭うかいながなく指先もない。
そのことがとても悲しいけれど、懺悔、後悔、悔恨、アカリヤの慟哭に寄り添える、そんなナガツキの涙があるだけで、アカリヤの刻はきっとようやく動き出すんだろう。
アカリヤザガマは、激怒した天の神(太陽など)により、罰として桶を担いだまま永久に月に立っているよう命じられたとする話もあります。
月の影はアカリヤザガマの影だとする話も。
この話のアカリヤが今立っているのは、月ではない。
死なずの男と同じ「終端街」に立っているのだと、同じ地続きの場で、側使える距離でなく、目隠しなしで段差もなしで目を合わせて会話していられるのだと、それをとても喜ばしく思う。
等身大の彼らの影が並ぶのが、とても待ち遠しくなりました。
それと新たなメカクレとストールの男、これからの登場がとっても楽しみです。
先生の「赦す男」とっても好き…。
前話は不透明で熱があって骨が見え隠れする、滋味深いあら汁のようでしたが、今回は椀の底までよく見えて。ほとりと落ちた涙も、波紋はすぐ消えてほの温かい汁の中に消えていく。それは悲しいことではなくて、やっと呑み込めたあなたのかなしみ。
吐露された気持ちに応えたくて手を伸ばす。
伸ばした先にあるものは丸くて柔らかくて、力を入れると壊れてしまうから、そっと僕は抱きしめる。
一緒に水面に上がってみよう。
酸素を求めて、大きく息を吐いてみよう。
そのときまだあなたが泣いていたのなら、漸く僕は君の涙が拭えるね。
魚をすりつぶした団子が入ったすまし汁のような、臓腑に熱が点る塩味を感じる一話です。
匿名
よかった!
前回からずっと「誰が何の目的でナガツキくんを幽閉していたのか」とか「鍵を開けたのは善意か、別の意図があってか」とか「アカリヤくんはずっとナガツキくんを探していたのか?」とかいろいろ考えていたのですが、私があれこれ想像していたより事実は単純で、純粋にアカリヤくんが良い人で、本当によかったです。
しかしトウカさんも知らぬ間に終端街に宗教が生まれていたとは驚きでした。
その会はなくなったとはいえ、他に似たような宗教団体ができていてもおかしくはないし、これって終端街にとって、とてもマズい状況なのでは?
あと、ナガツキくんの母親は大捩れで亡くなったということでしょうか。
終端街って「グリーフケア」みたいな概念なさそうだなと今さらながら思いました。