【感想・ネタバレ】終端街の昇降機守(23)のレビュー

あらすじ

「”終端街には神話も宗教もない”」
消えたナガツキの首を捜すトウカ。そんな折、トウカは、過去にナガツキを見かけたという話を耳にする。それは、にわかには信じがたい場所で……。

自覚なき死者の生きる国“終端街”へようこそ――。
結月さくらがいざなう、想い絡み合うヒューマン・ファンタジー。
(第23話収録)

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事故で命を落としたトアが出会ったのは、昇降機守を自称するトウカ。
死者の乗降場でたくさんの人を見送ったという彼は「自分の背負ってきたものと向き合えなかった者は人ではなくなる」とトアに話すが…。
トアの後悔に寄り添うトウカの言葉に胸を打たれました。
そんなトウカが探し続けている友人はどんな人物なのか、トウカにとってどのような存在だったのか…。
トウカの言葉の節々からその友人への尊敬と執着を感じ、ますます気になってしまいます。
そして、昇降機が"生える"不思議な世界観に思わず惹きこまれました。
死者の国を舞台に、どこか冷たい雰囲気がありながらも、そこで生きる人たちの温かさも描かれており、何度でも読み返したくなる作品です!

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感情タグBEST3

匿名

ネタバレ 購入済み

ぐわっ(刺さった)

良かった……二人でまた何度でも飲みに行ってくれよ……この世界で……
いやこの世界もう駄目なんかな……??
全てがまるっと収まってくれよお願い

#切ない

2
2026年06月15日

匿名

購入済み

繋がる

ナガツキとアカリヤ二人の繋がりから紐解かれるそれぞれの生き方と想い。
名前も繋がっていたんですねー。
深いー!
ナガツキはトウカに出会えた事で生きる意味を見出し、アヤリヤもナガツキと出会えた事で
過去のトラウマから解放されるのかなー。
宮古島の神話を当てていた事に鳥肌が立ちました。

#感動する #深い

2
2026年06月12日

ネタバレ 購入済み

この身ではあなたの涙が拭えない

いつかのナガツキのほつほつとした足跡が、促されて出来たものだとしたら。今のナガツキの足跡は、アカリヤにはどう見えていたんだろうね。

アカリヤの眼から見た、ひとりの人間のはなし。

死なずの男と、その手を引いて歩いた顔も認識できなかった誰かたち。
ナガツキの傷が治る特異性が、改めて浮き彫りになりながら、ナガツキの人間としてのひかりを再確認する一話です。


前話、レビューで「そしてあなたを抱きしめる」とタイトルをつけ、「腕に掻き抱いたそれは温かい」と書きました。
居酒屋でともに酒を酌み交わしたあの夜の喧騒が、アカリヤにとって蓋をした中でどれほどの感情の奔流だったかと思うと、胸が熱くなります。

首だけになったナガツキには、あなたの涙を拭うかいながなく指先もない。

そのことがとても悲しいけれど、懺悔、後悔、悔恨、アカリヤの慟哭に寄り添える、そんなナガツキの涙があるだけで、アカリヤの刻はきっとようやく動き出すんだろう。


アカリヤザガマは、激怒した天の神(太陽など)により、罰として桶を担いだまま永久に月に立っているよう命じられたとする話もあります。
月の影はアカリヤザガマの影だとする話も。

この話のアカリヤが今立っているのは、月ではない。
死なずの男と同じ「終端街」に立っているのだと、同じ地続きの場で、側使える距離でなく、目隠しなしで段差もなしで目を合わせて会話していられるのだと、それをとても喜ばしく思う。

等身大の彼らの影が並ぶのが、とても待ち遠しくなりました。

それと新たなメカクレとストールの男、これからの登場がとっても楽しみです。
先生の「赦す男」とっても好き…。


前話は不透明で熱があって骨が見え隠れする、滋味深いあら汁のようでしたが、今回は椀の底までよく見えて。ほとりと落ちた涙も、波紋はすぐ消えてほの温かい汁の中に消えていく。それは悲しいことではなくて、やっと呑み込めたあなたのかなしみ。
吐露された気持ちに応えたくて手を伸ばす。
伸ばした先にあるものは丸くて柔らかくて、力を入れると壊れてしまうから、そっと僕は抱きしめる。
一緒に水面に上がってみよう。
酸素を求めて、大きく息を吐いてみよう。
そのときまだあなたが泣いていたのなら、漸く僕は君の涙が拭えるね。

魚をすりつぶした団子が入ったすまし汁のような、臓腑に熱が点る塩味を感じる一話です。

#感動する #切ない #泣ける

2
2026年06月12日

ネタバレ 購入済み

幸せであれ

気になっていた人の過去が分かって、そこに悪意がなかった事を知れて、ほっとしたような。同時に、その人が苦しんでいた事実も分かって、悲しくなるような。
何はともあれ、穏やかな一区切りとなって良かったと思います。

前話から一ヶ月、ドキドキしながら更新を待っていました。

アカリヤさんとナガツキくん、どちらも良い方向に進んでくれますように……!

怪我をしない身体のナガツキくん。
大捻れで亡くなった母親。
宗教の始まりとなった父親の思想。

宗教という概念がなく、神様という存在を知らず、祈る先を知らず。
だけど、終端街に生きる人々は不安から縋る先(ナガツキくん)を見つけ、「特別な人だから」と特別に扱うようになった。
宗教や神を知らなくても、その想いは「信仰」となり、その行為は「祀り上げる」ものになった。
文明を滅ぼしても、また文明が生まれるような……「人類は繰り返す」を感じました。
人が人である以上、こうなってしまうものなのでしょうか?

23ページの「誰もあなたに夢を見ないように」という台詞が好きです。

宗教が無い世界、神様という概念がない世界で、「信仰」という言葉も無い(おそらくトウカさん以外その単語が存在することを知らない)世界で、誰かが誰かを信仰し、その誰かを祀りあげることを表現するために使われるのが「夢を見る」という言葉であること。

「夢を見る」……おそらくは、眠りの中で見る夢(現実ではないから理想や憧れが実現できる仮想・夢想)や、憧れ・理想といった概念を、案内人さんは終端街に残したこと。
そうした夢が少なからず人々に優しくて、良いものだと、案内人さんは判断したのかもしれません。

終端街から消されたものを思うと、終端街に残されたものについても考えたりして、その度に、どこまでも案内人さんが優しい人、優しくあろうとした人だったのだろうなと思います。

冒頭もそうですが、やはり終端街には何らかのエラー(バグ?)がある事が示唆されて、改めてここから先が気になりますね。

優しくあるように、善きあるように、と作られた街でも、死や不安、災害は存在するし、存在しないと思ってもどこからか発生する。
でも、逆にいえば、ナガツキくんとアカリヤさんのように、苦しみの中であっても、自分の生を肯定できる。対話ができる。優しさがある。
世界は矛盾ばかりで、どうしてこうなったのか。

終端街の世界観を考えれば考えるほどに悩ましくて、でも面白いです。

#切ない #ダーク #深い

1
2026年07月29日

匿名

ネタバレ 購入済み

よかった!
前回からずっと「誰が何の目的でナガツキくんを幽閉していたのか」とか「鍵を開けたのは善意か、別の意図があってか」とか「アカリヤくんはずっとナガツキくんを探していたのか?」とかいろいろ考えていたのですが、私があれこれ想像していたより事実は単純で、純粋にアカリヤくんが良い人で、本当によかったです。
しかしトウカさんも知らぬ間に終端街に宗教が生まれていたとは驚きでした。
その会はなくなったとはいえ、他に似たような宗教団体ができていてもおかしくはないし、これって終端街にとって、とてもマズい状況なのでは?
あと、ナガツキくんの母親は大捩れで亡くなったということでしょうか。
終端街って「グリーフケア」みたいな概念なさそうだなと今さらながら思いました。

#深い #切ない

1
2026年06月24日

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