楡周平のレビュー一覧
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好きな小説家である楡周平さんが社会問題に言及した一冊。
う〜〜ん、ちょっと無理があるかなぁって感じな一冊。述べていることは確かに同意できる一面はあるんだけど、具体策が伴わないなぁって感じ。
ただ、八方美人な政治の進め方にはイラッって来ていて、国民の意見なんてその場でコロコロ変わるので、あんまり気にすること無く大局的な検知で仕事してもらえればいいかなぁと感じている。
好きな漫画の一つである「沈黙の艦隊」にてアメリカ大統領であるベネットが「50年後の世界も明日のことと同じように語れる」と述べるシーンがあるけど、そのような政治家が居るんだろうか。 -
Posted by ブクログ
政権交代後、メディアをつうじて「弱者の目線、弱者の立場」という言葉が今まで以上に頻繁に言われている。確かに世の中には子供や障害者、病人、老人、予期せざる出来事で困窮生活を送ることを余儀なくされている方々がおられるし、国としてそうした方々に救いの手を差し伸べる、あるいは再起の機会を設けることがもちろん必要であることに、疑いの余地は無い。「弱者の目線、立場」と言われれば正面きって反対しづらい。しかし、ことさら弱者という言葉を強調してモノを論じ政策を実行するのは問題が多すぎる。それは、衆愚という間違った方向に国を進めているのではないか?というのが著者の基本的な主張。
「派遣切りは正しい。派遣を求めたのは消費者であり、派遣をなくせば企業は競争力を失い、それは日本経済のさらなる停滞、空洞化を促進し国民に跳ね返ってくる。」
「世間とのかかわりを拒んで勝手気ままに生きたい無責任なプータローにフリーターという格好いい名前を与え社会的に認知したマスコミは間違っている。」
「高速道路無料化の公約も、物流の経費削減で経済活性化につながる事業用車両は対象にならず一般車両のみが対象でどうして経済が活性化するのか?」
「子供手当ても要は「お前らが無事に育つまでに費やした金はくれてやったんじゃない。貸してやったんだ。だから将来ツケはきっちり払えよな」と言っているわけです。」
著者は、政府の政策やそれに安易に追随するメディア、識者、評論家そして自分の頭で考えずマスコミに判断をゆだねる我々国民の衆愚の流れを指弾する。私にはすべてうなずけることばかりである。
そして、「次の世代に借金を残すような公約を掲げる政党は、はなから信じるに足りはしない。」と明言する。
真心もなく無責任な甘言を撒き散らし、歓心を買うために金も無いのにバッグやコートをプレゼントする。そんな男を、まともな女性なら信じはしない。そんな男についていくのは、目先の欲に駆られたあわれな女性だけである。日本人は、そんなさもしくあわれな国民であってはならない。
与党だけではなく、自民党や他の党も同じ。政治家たちの頭の中は目先の参院選のことだけ。つねに目先の選挙や支持率で頭が一杯であり、長期的基本的な国家ビジョン戦略は無きに等しい。目先の選挙、支持率だけじゃなく、日本の目指すゴールを明確に定め国民に腹を据えて説明し、国民とともにそこに向かって突き進む強い意志を共有する。そんな政府を我々はいつ持てるのだろうか?目先の個人的損得や感情的判断だけで政治を考えない。そんな国民に、我々はいつなれるのだろうか?それにはまず、国民一人一人が衆愚に陥っていないか常にセルフチェックする必要がある。政治家やメディアの言うことを鵜呑みにせず自分の頭で考え判断するしかない。
昨年「永遠の0(ゼロ)」という史実をベースにした零戦パイロットの小説を読んでから、「客観的冷静に考えたら日本が負けると誰でもわかったはずの太平洋戦争を始めてしまい、数百万の人間が死ななければならなかったのは何故なのか?誰に責任があったのか?」という素朴な疑問から昭和史や戦記を何冊か読んだ。
私なりに少しわかったのは、個々の状況では特定の個人の考え判断が戦争へと歴史の歯車を回したことはあっても、あの戦争の根本責任は昭和天皇とか東条英機とかの一個人にあったのではなく、軍部を中心とした政治家等国家の中枢部にいた複数の人間(まさに衆)の衆愚、そしてマスコミが国民を衆愚へと導き、戦争への引き金を引いてしまったのではないかということ。開戦に反対だった著名な軍人、政治家も何人かいたが、衆愚の流れに抗することは出来なかった。これが衆愚の恐ろしいところで、日本人は他民族と比べても優秀賢明な民族だと思うが、衆になった時に愚かになる特性は他民族に比べても強いように思う。
それは企業でもどんな組織でも考えてみればすぐわかることで、個々人は健全賢明な考えを持っていてもいったん何かの流れが出来上がるとおかしいと思ってもまっとうな意見を表明しづらくなり、大勢の流れについつい合わせてしまう。いわゆる場の雰囲気というやつである。そこでまっとうな意見を表明すると、空気が読めないとして存在を排斥される危険性まででてくる。
政府も国民も、日本はまさに衆愚の時代。
衆愚は民主主義の宿命とはいえ、我々は、その危うさを自覚する必要がある。
この政治家、政党は選挙だけではなく本当に国を考えているか?
このメディアは視聴率や販売部数だけでなく、社会を考えてニュースを流し記事を書いているか?この男はエッチや自分の都合だけでなく、真剣に自分のことを思ってくれているか?(スイマセン!?)
衆愚の危険性からまず自分を、そして家族と国を守るため、つねに眉に唾つけて目を見開いていることが必要である。
2010年04月11日 17時15分 [ 閲覧数 26 ]
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Posted by ブクログ
“C”とは“スノー”=“コカイン”の意味。
マリファナでも覚醒剤でもないコカインをテーマに、アメリカ企業に詳しい著者が書き上げた「悪の帝王朝倉恭介シリーズ第一弾」です。
親友の死がきっかけで、親友の父親でマフィアのボスのもと、日本で通関システムの盲点をつき麻薬密輸を行う「朝倉恭介」。中毒者にした売り子たちをアメリカから日本に帰し、彼等からの発注をネットワークで受けて取引を行います。しかし、その麻薬売買のネットワークの一端が露見したため、秘密を守るために今までの客を惜しげもなく殺害します。
この作品は1996年に発刊されたものです。
15年程前からこういう問題があったというのに、相変わらず薬物中毒者は増加傾向のようです。小説の中で芸能人の女の子が薬物中毒になり、コカイン欲しさに秘密情報を日本側の売人にもらしてしまう場面がありました。その結果として、彼女は永遠の眠りにつかされ、海の底へ沈められてしまいます。似たような芸能人の薬物関与事件もありましたっけ。
今や芸能界ばかりか、一般市民、学生の間にまで浸透しているといわれる薬物…。
危険な薬物事件は、小説の中だけにして欲しいと心底思いました。
コカインの怖さ、入手情報、アメリカ社会の裏のワナ
そんなことが一度にわかってしまうのが、この小説です。
著者の圧倒的な格闘技描写や緻密な企業知識にも圧倒されます。
久しぶりに没頭して読んだハードボイルは、
主人公が悪人であるけれど、その頭のよさには脱帽でした。 -
Posted by ブクログ
街の一角で倒れていた知り合いを助けた事によって世界が一変した少女。
愛する人の子供を妊娠した事によって、堕胎を迫られた娘。
そしてその恋人。
巡り巡ってそれらが交わった時、始まりで終わりでした。
全員の関係性、背後にあるもの、年月。
それらが合わさって事件が明るみになるまでは
一応平和な生活? でした。
しかしこのプロジェクトすごいです。
人を人とも思っていない、というより、利益優先?
どう言えばいいのか分かりませんが、価値観の違い、というには
すごすぎるものでした。
が、すべてにおいて上から目線なのは分かりました。
自分達が一番上等ですから…。 -
Posted by ブクログ
恥ずべきプータローをフリーターと言ってその立場を守ろうとマスコミが言うのはいかがなものか。昔花形の商売も30年もすれば変わる。夢と言うなのまやかしで妥協できないと言ってプーとなるより、どこかで妥協してでも正規雇用を勝ち取ることが大事なのではないか。働くことの意味は今も昔も不変、生きるために日銭を稼ぐために働くのだ。
著者の入社面接や社内異動に関する話は笑って納得。
昔は給食がなくお昼のお弁当の具で家庭の貧富の差が明確になった。貧しいことを恥ずかしいと思い、贅沢をしていると思うことで謙虚さが生まれ、社会を知るきっかけとなった。今は自由の意味を履き違えて自己主張だけする子供がいる。全てが平等であるとすることに無理があるのだと思う。同感。
ただし、今から昔のような生活に戻れとはいえない。彼の正論はわかるが、ではどうすればいいのか、一人ひとり考える必要がある。