谷川直子のレビュー一覧

  • 私が誰かわかりますか

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    昨年亡くなった父の事を重ね合わせて読ませてもらった。
    昼夜逆転、頻繁なトイレ、家に居ても「ウチに帰る」等は認知症アルアルでした。
    厳格でしっかりした父であったが、少しずつ壊れていって認知症で皆を困らせたのは、本作品の通りである。
    認知症の父を介護している際は、腹立たしい気持ち、寂しい気持ちや父への今迄の感謝の念が交錯していた。
    本作品はこれらを上手く表していたし、村社会への反発と底流には深い愛情が描かれていた。

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    2018年10月23日
  • 私が誰かわかりますか

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    長男の嫁で介護に直面していると、共感しすぎて読み進めないかもしれません。
    特にここに描かれている「村社会」がまだある所だとこの本のように、介護以外に疲れる要素満載なのでしょう。
    まだ介護に直面していない人にこそ読んでほしい本ですね。
    などと言っていられるのも、まだ直面していないからなのかもしれません。でもこの本でヒントはいっぱいもらえました。

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    2018年09月30日
  • 世界一ありふれた答え

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    うつ病になってしまった政治家の元妻とピアノが弾けなくなったピアニストが世界一ありふれた答えを見つけるまでの話。『四月は少しつめたくて』よりは、こちらの方が読み易く思う。

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    2017年01月18日
  • 世界一ありふれた答え

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    いつか、私にも本当の自分の気持ちに気付く時が来るのかな

    気持ちが強いときからトレーニングしたほうが良さげだな

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    2016年11月09日
  • 四月は少しつめたくて

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    詩を書けなくなった詩人、寄り添う担当編集者、傷つく娘に本当の言葉を掛けられなくなった母。
    それぞれの苦悩を、妥協せず、言葉に真の意味を持たせることで開放する。
    言葉、そしてそれを綴る詩、その意味を味わった気がする。

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    2016年04月17日
  • 四月は少しつめたくて

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    ネタバレ

    言葉の意味がからっぽになっている、消費され尽くしている、など言葉に関する言及、わかる気がした。

    言葉の扱い方が、とてもいいなと思った作品。

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    2016年04月11日
  • 四月は少しつめたくて

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    前作も良かったけど、これも良かった。
    詩人が出てくる小説だと、どんな詩を書いているのか気になるが、世に知られた詩人という設定なら、読者を納得させる詩でないといけないわけで、そういう詩を書く自信のない作家は書かずに誤魔化す。『ぱりぱり』がそうだった。
    谷川直子は、書いた。そしてそれはいい詩だった。それだけで小説が少々つまらなくても許せるが、小説も良かった。
    『うたうとはちいさな命ひろいあげ』も作家自身が短歌を詠み、それもなかなか良かったが、小説の出来はさほどでもなかった。こちらは大人の恋愛未満の関係だけでなく、子どもの学校でのトラブルも描かれているが、そこだけでもそこらのYAよりずっと人間が描けている。
    谷川直子、好きだな。次回作も期待する。

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    2015年12月23日
  • 四月は少しつめたくて

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    派手ではないけど、しっかり印象にのこって好きな雰囲気だった。物語の軸のひとつである詩人と編集者の関係がなんかすごく、いい。恋愛の浮ついたりどろっとしたものを持ってなくて、最後にちょっと気持ちが近づくのがよかったな。
    こちらも軸のひとつである詩についても。詩ではない歌詞をのせて歌う歌手、若い世代のカリスマってみんなそんな感じ。無責任な応援歌か、感想文みたいな恋の歌。単純でない言葉や表現は今の子たちには理解されないのかも。

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    2015年10月02日
  • 四月は少しつめたくて

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    今の私たちは、自分の話した言葉がどう切り取られ、誰にどう批判されるかわからない世の中に生きている。目の前にいる人に発した言葉であっても、様々なツールによってそれは拡散される。人はそれを確かめもしないで、ささやき合い、悪意のない態度で、距離感で、人を追いつめることができる。本当のことなんて言えない。当たり障りのない言葉で相手を認め、口をつぐむ。または、匿名で相手を罵倒する。罵倒する言葉も決まりきっている。自分の生み出した言葉なんかでなく、お決まりの言葉を使って…。今の時代の小説だなあと思った。

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    2015年08月20日
  • 四月は少しつめたくて

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    詩人と名乗りながらも詩集が出せない藤堂。編集者の桜子。詩とは心を降りていく階段、という言葉が印象的。

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    2015年08月14日
  • 四月は少しつめたくて

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    エッセイのように軽く読めて
    詩のように心に届く
    妙に清々しい小説だ

    テーマの一つに《謝罪は権力を生む》というフレーズがある
    その中で
    死に別れという痛みに負けた老いぼれ元大詩人と
    なんとか再起させようとムキになる傷ついた編集者の出合い

    底無しの距離をとりながらの絡み合いで
    傷を舐め合うことから脱皮していくという物語と
    娘がイジメられて自殺未遂したと訴えられた無実の親子と
    同じ元大詩人が絡んでそれぞれが再起していくという
    物語が交差するストーリー

    妙にシツコカッたり頑張ったりと無理な箇所も感じるけれども
    こんなことも多様な自然界になくはないのだろう

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    2015年08月04日
  • 四月は少しつめたくて

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    いつからか詩を書けない詩人、子供の死に心深く罪の意識を宿す編集者、友人の自殺未遂に自ら外の世界とつながる言葉をなくしてしまった少女、少女に語りかける真の意味をもつ言葉を探し続ける母親、4人をめぐる言葉と詩の物語。

    作者の谷川さんご自身が詩を書かれるので、言葉に対する執着、愛着は強い。
    「意味を失ってしまった言葉に、もう一度意味を持たせるにはどうしたらいいのか」
    「詩は心の内側に降りていくための階段」

    物語の中に出てくる純粋な言葉と詩へのこだわりの対極に、物欲にまみれた現実の描写は詩の純粋さを際立たせる。ラストで用意された、詩人と編集者、少女と母親の行き着いた結論はもう少し深く味わいたかった。

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    2015年07月26日
  • 四月は少しつめたくて

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    四月は少しつめたくて、その言葉から物語は始まる。
    再び春がくるまでに、そのつめたさに少しずつ触れ、言葉とその意味とそれらが表すものの正しさを、詩人と編集者とともに考えさせられる。
    詩人が詩を書けない理由と、女性誌の敏腕編集者が詩の編集者に転向した理由はどこかつながっている。
    「失なわれたもの」を捉えようとひたむきに正面から向き合うこと、またそれに背を向け考えることを止めてしまうこと。
    哀しみや愁いを言葉にすることの意味がどこにあるのか。
    美しい言葉は情報のように空虚に感じられ、感動は押し付けがましいものになり、ただ与えられた言葉を重ねるだけでは「詩人のふり」になってしまう。

    「詩ってなんですか?」という問いに対する詩人の答えは、本書のラストで明かされる。

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    2015年07月06日
  • 四月は少しつめたくて

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    ことばひとつひとつの重み深さを感じさせられる。新鮮な面白い、いま求めていた本だった。大切にしたい本。素敵なことばがつまってる。

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    2015年04月28日
  • 断貧サロン

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    一作目は刊行時に読んで、わりと面白く読めた記憶があったので、手を伸ばしてみた。

    ヒモ状態の彼氏は貧乏神? というあおりにファンタジーかと思いきや、帯のコメントにもあったように、所謂女が考える、田舎には帰りたくないし地方のコミュニティー嫌だし働きたくないし愛とか結婚とか子どもとかっていう、普遍的で抽象的なリアルな話題がつまってた。

    あっさり風味かなとも思うけど個人的には結構楽しめた。

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    2015年01月14日
  • 走れ、無印の馬

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    「競馬の入門書」と著名人のコメントもありましたが、本当にその通りで分かりやすかったです。主人公たちの人間模様はもっと削って、もっと馬について文章を割いてほしかった感は否めません。

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    2026年10月15日
  • 私が誰かわかりますか

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    介護は長男の嫁がするもので、施設に入れると白い目で見られる、ってずーっと昔から変わってないんだね。夫もそれが当然、と考えてるのが辛い。自分の親なのに。そりゃあ妻としたら、好きで結婚した夫の親が大変になったら、手助けしたいって思うけど、一人だけに任せるのは違うよね。当然と思われたくない。
    世間体を気にするよりも、どうしたら自分たちや親たちが幸せでいられるかを1番に考えるべき。

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    2026年09月22日
  • 走れ、無印の馬

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    ネタバレ

    綺麗事じゃない競馬の世界をよく描いていたと思う。特に、サンタの予後不良は、本当に悲しかった。予後不良のニュースや、勝てない馬の未来を思うたびに、何故なんだと思う。馬は人の遊びに振り回されて苦しめられて、どうして死ななきゃならないのか。
    それなのに、わたしは競馬を見たくなるし、応援せずにはいられない。それは、馬たちが綺麗で、一生懸命走っていて、なんとなく誇らしそうな、嬉しそうな、そんな姿に見えるからなのかもしれない。
    この小説は、馬に関わる人たちの複雑な気持ちを丁寧に描いていたと思う。馬の考えはわからないけど、なんとか知ろうとする人間たちの姿に、こんなふうに陣営は馬の強みを探って活かそうとするんだなと、興味深く読んだ。そして武豊。かっこよかったしいいセリフを言っていた。武豊ならああ言ってくれそう。脳内で、完全に武豊で再生された。
    強くない馬にフォーカスしてくれてありがとう。
    あと私の推し馬の名前が出てきて嬉しかった。

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    2026年09月17日
  • 走れ、無印の馬

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    有馬記念とか日本ダービーのような誰もが知る大レースを目指すのではなく、たった1勝のみを目標にした小規模なロイヤルファイミリー。

    作者はほんとに馬が好きなんだろうなというのが文章からも伝わってきます。そして、馬が1勝するだけでも、色んな人とお金が関わっているんだなあと改めて。

    武豊っぽい人だけではなく、ルメールっぽい人、戸崎っぽい人、ライアンムーアっぽい人も登場するので、競馬好きはニヤニヤが止まりません。

    ページも少なくサクッと読めるので、競馬ファンは手に取ってみてほしい。

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    2026年09月15日
  • 走れ、無印の馬

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    廃用寸前の馬から生まれた100円馬のトレジャリーが1億円の馬に勝とうとする話。
    競走馬になるまでとか素人にも分かりやすく書かれてるし実在の馬も出てくるしで読みやすい。ディープとかオルフェとかオグリなら私でも分かる!人を乗せるまでの訓練とかそっか色々頑張ってデビューしてるんやなと今更ながらに思う。
    トレジャリー陣営好きなんやけど背負すぎでは?と心配になる。そして敵陣営最悪すぎやん?こいつこのままなん?
    これから先トレジャリーは、陣営はどうなるのかなと思いを馳せる。レジェンドジョッキーが出てきてワクワクした、めちゃくちゃあの人やんってなる。

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    2026年08月19日