谷川直子のレビュー一覧
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タイトルから察しがつく通り、介護から臨終までを描いた小説である。
父恭輔96歳。師範学校を出て教師となり、教頭、校長、教育委員長まで務め上げ、大学教授の時期もあり、叙勲も受けている。父は介護施設でも先生と呼ばれ、人に慕われる人格者でもある。その父が、10年前から認知症を発症した。自宅で介護するのは、元教え子だった妻志麻85歳。老々介護をサポートするのは、未婚で同居の長女洋子と、義父を介護して見送った経験のある次女の素子。長男で末っ子の誠は、金銭面でのサポートはするものの、介護の役にはたたない。
物語は恭輔が好きな小林一茶の俳句と共に進む。各章は夢うつつの恭輔の独白?からはじまり、現実生活での -
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ネタバレかなり面白かった。
というより刺さった。
小説終盤の理比人さんの言葉は、私の好きなエーリヒ・フロムの言葉とほぼ一緒。
愛するということはナルシズムを克服し、孤独に対峙し、能動的に愛するということ。
マイノリティだからこそ到達した答えなのかもしれない。
登場人物全員の心情に共感することができた。
個人的には百合子さんの考え方がリアリストで好きだ。非常に冷静に感情の出どころを分析しつつ、それでも人生はチャレンジの連続だと、結婚生活を添い遂げる習練と覚悟を持った人にしか分からない境地だと思った。
いずれにせよ、愛するということは一筋縄ではいかないが、課題はシンプルだと思った。梓さんの場合は、一 -
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テーマは介護と看取り
キーワードとなるのは「長男の嫁」
再婚を機に東京から地方都市に移住した桃子を待っていたのは義理の父の介護
「長男の嫁」と言うだけで当然のごとく介護を押し付けられてしまいます。
義父を在宅介護する友人の恭子、育児と仕事と介護の三つ巴につぶされそうになる瞳、死んだ夫の両親に家政婦のように扱われている静子
この3人も「長男の嫁」
昔に比べれば少しは変化したのかも知れないけれど、本作に登場する村社会では介護=長男の嫁の義務と言う思想が根強く残っています。
私の周りには自分の親の介護でさえ一杯一杯になり苦しんでいる人もいるのに痴ほう症を患う義理の親の介護を嫁がするのが当然の -
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大学時代に恋人だった瞳子と亮が、37年ぶりに再会し、お互いに今も変わらぬ思いに気づく。
だが、小説家になった亮と医者の妻としての瞳子は、それぞれ家庭に問題を抱えていて…。
瞳子の[急いでいるつもりでもたやすく若者に追い越されて、自分の一歩が前よりずっと狭くなっているのだとわかり、せつなくなった。
ずいぶん遠くへ来たつもりでいたのに、ちっとも前へ進んでいない気がした。]
この気持ちが還暦だと改めて感じているようで切なくなった。
単純な大人の恋愛というより瞳子にとっては、医学を目指すことができずに文学を愛し、そして亮を愛したことを否定できずにもがいているようにも思えた。
医者は、人の命を救 -
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ボケ−とにかく、油断しちゃダメだよ。期待を裏切ってくるからね
子育てなら苦労してもいつか終わって報われるけどさ、介護って報われないもん。時間の浪費以外の何物でもない
ティッシュを貯め込む 仮性作業/収集癖という
会えいない間に妻を理想化する
夫が妻に対して気遣いを怠るのは、家に換えると同時に(気遣いの)脳のスイッチがオフになっているからだ
高齢出産を選んだから介護と育児がダブルに追い込まれちゃったんです
ふつうボケてくると、男は妻を、女は金を取られるという妄想に取りつかれる
死後離婚 夫が死んだ後に死後離婚すれば、義理の親の面倒を見なくて住む