谷川直子のレビュー一覧

  • あなたがはいというから

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    私立病院長の娘として何不自由なく育った瞳子と、脱サラして作家になった亮。大学時代に恋人同士だった2人が還暦を迎える頃に再会し……というお話。W不倫のめくるめく愛憎劇が展開されるのかと思いきや、物語は静かに、だが意外な方向に進む。単純な恋愛話に見せかけて、実はもっと深いことを語っている……気がする。誰もが主人公なのだから。自分の人生においては。

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    2021年02月27日
  • 私が誰かわかりますか

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    “でも、もしかして、ほんとは我慢強いことなんて、ぜんぜんいいことじゃないんじゃないだろうか。我慢できないと言えないことこそ問題なのではないか”(p.140)


    “息子たちにも言ってある。お父さんは私か看取る、私は一人で死ねる、と。”(p.154)

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    2020年01月01日
  • 私が誰かわかりますか

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     田舎に住んだことのある人には「そうそう!」と頷けることばかり。田舎の「世間」はめちゃめちゃ狭い。(物理的な広さは、広い。「隣の家」が見えないこともある。)
     読み始めは、守と涼世夫婦とその子供の隆行と桃子夫婦の、介護にまつわる物語かと思ったら、読み進むにつれ本家の嫁とか、桃子の美大時代の友達とか、隆行の部下とか、登場人物が増えていき(まあ、皆介護をしているという共通点はあるのだが)、語り手も変わるのでどうなることかと思った。
     読み終わると、もう少し守一家に重心を置いても良かったのではないかと感じたが、元校長先生のボケっぷりが面白くて愛が感じられたので、まあいいか。
     田舎の辛抱して生きてき

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    2019年05月19日
  • 私が誰かわかりますか

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    再婚を機に地方都市に移住した桃子。
    「長男の嫁」として、認知症の義父を介護する。
    ほかに桃子と同様、介護に明け暮れる3人の女性の姿が描かれている。
    生き切るというのは大変なこと。
    終盤、説教臭くなりがちなテーマを
    サラッとまとめ、誰にでも起こり得る
    介護について、読者に優しく寄り添ってくれる一冊。

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    2019年02月22日
  • 私が誰かわかりますか

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    親の介護は僕ら以上の年齢になってくると、大々的に関わりで出てくる事柄です。しかも僕らもあと20~30年経つと介護される側になる可能性大です。
    本来喜ぶべき長寿ですが、自分としては痴呆になってまで生きたくないというのが正直な所だし、ほとんどの人が尊厳を失ってまで生きていたくないと思っているでしょう。
    それなのに痴呆になってしまった時、意思表示できないが為に、延命までされてひたすら生かされるなんて本当に悲惨だし誰が望むんだろうか・・・。
    読んでいるうちに鬱々とした気分になってくるのは、家庭での介護の出口の無いトンネル感良く書けているからですうしようも無い状況の人ではなくて、自分の家族内であり得る内

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    2018年12月20日
  • 私が誰かわかりますか

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    両親に「私が誰かわかりますか」と聞く日がくるのだろうか?
    それは誰にもわからない。そんなことになっても否定せず受け入れることができるのだろうかね?
    ましてや義理の両親となると……。自分の親をみるということで取り決めておかないと、とっても負担が大きくなりそう。

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    2018年10月19日
  • 私が誰かわかりますか

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    「私が誰かわかりますか」というタイトルは、高橋源一郎氏の元奥様で、PINKHOUSEの服が大好きで、競馬場で芦毛の馬を応援していた高橋直子さんって今何してるんだろうね、と思ってた私のような昔の読者に向けてのものでもあるのかな、と。
    人生は各段階を経て変わっていくものなのですねぇ。

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    2018年08月31日
  • 私が誰かわかりますか

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    いやはや長男の嫁
    は~
    私もです
    は~
    介護終了しました ケド
    リアルなので読んでいてしんどくなった
    は~
    長男の嫁である友人にあげようと思う

    ≪ 行く先が 見えぬままです 介護とは ≫

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    2018年08月27日
  • 断貧サロン

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    「断貧サロン」は働かない男に貢ぐ女のお話。女のもとに見知らぬ女性が声をかけてくるんですね。「あなたは貧乏神にとりつかれている」と。で、見知らぬ女性は貧乏神にとりつかれた女性を救うために活動している団体のメンバーだという。とりあえず同じような経験をしてきた女性が集まるセミナーがあるから参加してみて欲しい・・・と。
    面白いなと思ったのは貧乏神というと、髭ぼうぼうで長い髪をしている変な男性みたいなイメージがあるじゃないですか。でも今の貧乏神というのは、イケメンで優しいんですね(笑)時々、めちゃくちゃ深くて良い事を語りだす。しかし働かない、とにかくたかる、たかる(笑)
    物語における主人公の女性の目的と

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    2017年11月16日
  • 世界一ありふれた答え

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    「世界一ありふれた答え」 谷川直子 ★★★☆☆

    日の出前と日の入り後に発生する空が濃い青色に染まる時間帯を「ブルーアワー」という。
    太陽と月が入れ替わる時間だ。本作はブルーアワーのような作品だった。凄い出来事があるわけではないが整然と美しいのだ。
    主人公たちは、病気になる前は太陽だった。多くの人に認められ、世界の中心にいた。
    しかし、今は月だ。自ら輝くことはできない。
    太陽として生きてきたのに突然月だと言われ未来を見失った。
    でもね、世界にとっては月だろうが太陽だろうが同じなんだよ。そんなの関係なく回り続ける。自分に価値があると判断するのは他人ではなく自分自身。価値があるとかないとか考えるこ

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    2023年10月27日
  • 世界一ありふれた答え

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    同じ病の苦しみを持った二人のお話なんだけど、とても静かな、色でいうと水色の時間がずっと流れていた。
    まゆこのアラベスクの曲のイメージだからかな。
    読みながら、頭にアラベスクが流れていた。
    ピアノを練習し、少しずつ氷が溶けていくように変わっていくさまが良い。ずっと平坦に進む感じが、親娘との出会いで流れが速くなる。
    最後のセリナのアラベスクは良かったな。
    ずっと重い小説を読んだ後だけに、少し気持ちが軽くなれた。

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    2017年08月08日
  • 世界一ありふれた答え

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    2017.2.11
    自分の身に何が起ころうと世界は毎日動いている。それは分かっていても、実際に自分の身に辛いことが起きたときにそれを事実として受け入れるのはなかなか難しいもの。それでも、他人から見ればわからない辛さなんかを人はそれぞれ抱えていて、そうやってみんな毎日を生きてるんだと思う。タイトル通り答えはきっとシンプルで、でもそれに気付いて認めるのはなかなか大変なことなんだろうな。読み進めるのが苦しいような、でも登場人物の気持ちがわかる場面もあって。切なくてちょっと苦しい、でも人に優しくしたくなるそんな本だった。

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    2017年02月19日
  • 世界一ありふれた答え

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    表紙の絵に惹かれて。波打ち際の白いピアノが孤独で寒そう。このピアノを鳴らすのは誰でもいい。音楽は誰も必要としていない。ドビュッシーのアラベスクを聴きながら読んだ。レベルは全然違うけど、ピアノを弾きたくなった。

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    2017年01月09日
  • 世界一ありふれた答え

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    ピアノの練習をすることが大きな部分を占めている.ドビュッシーのアラベスクがずーっとバックに流れているような感覚の中で,一緒に死のうと約束したうつ病の二人がカウンセラー的な問答をしながら,生きる事を諦めきれないで進んでいく.最後唐突に現れた親子の登場で一気に物語が加速しいい感じに終わる.なかなか,透明感のある物語だった.

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    2016年12月28日
  • 四月は少しつめたくて

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    妻に先立たれ「詩」が書けなくなった詩人と、担当編集者の話。「詩」というものが、なかなか難しくて理解困難。「人がじゃんじゃん同じ言葉をあちこちで使うと、その言葉の意味がどんどんすり減っていく。」この感覚はわかる気がする。

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    2016年12月24日
  • 世界一ありふれた答え

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    うーん、悪くはない。が、前作の方が良かった。前作の『四月は少しつめたくて』と、構成も似ているが、あっちの方が自然だった。
    40歳のやつれ果てた女が、いくら難病で鬱でも、年下の新進ピアニストの男に声を掛けられるというのが、あり得ない気がする。前作は中年のかつては人気のあった詩人と若い編集者だったから、気持ちが入りやすかった。それに、前作はカルチャーセンターの生徒たちの人間模様もリアルで面白かったが、こっちは残り四分の一になるまで、ほとんど二人きりの世界で、息が詰まる。唐突に現れたシングルマザー母子も不自然。
    比べたらきりがないが、それだけ前作の出来が良かったわけで、前作を読んでいなければ、これ

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    2016年12月04日
  • 世界一ありふれた答え

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    おえーって感じ。読みたくない。でも、おえーってなっても、わたしもこの気持ちに心あたりがある。さいご、なんかよかったね。

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    2016年11月18日
  • 断貧サロン

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    30歳、そろそろ限界のキャバ嬢
    「モデル志望」の彼氏に貢ぎまくって借金数百万

    そんな主人公に声をかけたのが貧乏神被害者の会(BHK)

    なんと彼氏は現代の貧乏神だというのだ


    なかなか設定は面白いけれど、全体的に軽すぎて
    表面だけを滑っていく印象
    もうちょっと人間関係を丹念におえば面白かったかも

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    2015年11月27日
  • 四月は少しつめたくて

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    藤堂孝雄という書かなくなった詩人を軸に二つの物語が交互に語られる.でもどちらも言葉の持つ力に向き合っていて,最後には再生の瞬間を見せてくれる.挿入されている詩も良かったです.

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    2015年07月28日
  • 四月は少しつめたくて

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    現代にとても即した小説で、誰もが薄々思っていたことが書かれていた。

    スマホ、ライン、スタンプなどの登場で言葉はどんどん従来の意味から離れ、空虚なものとなってきている。かわいい、いい感じなど使い勝手の良さから意味が複数加えられ本来の意味を見失った言葉もある。

    詩人というのは、言葉に対して真摯で、物事に対しても簡単に考えるということをしない人種だとわたしは思う。そんな言葉と物事を大切に考える詩人と、現代の浪費される言葉を並べて描き、生きた言葉を使うことの大切さを読者に教えてくれる。

    作中に出てくる詩がとても素敵でした。「謝罪は権力を与える」その通りだと思います。今まで一度も考えたことがなかっ

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    2015年06月23日