谷川直子のレビュー一覧
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5月新刊?廃用(食用)寸前の推し馬を引き取ったOL乃里が、仲間とともにその仔に夢を託す。富豪馬主の良血馬との対決の行方は。
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競馬が動物競技の中で圧倒的な存在感を持つのはなぜだろう。
「血統のロマン」「スポーツ+ギャンブルの高いゲーム性」…日本においては国営ということもあって「巨大市場に裏打ちされたエンターテインメント性」あたりでしょうか。
有名な競走馬はキャラ化されて愛されるイメージで、言ってしまえば親ガチャの世界。だからこそ、下剋上/ジャイアントキリングや、期待外れのような番狂わせもある。…総じてやっぱり「ドラマ」「ロマン」かな笑
あらゆる人の夢を乗せ、ひた走る馬の姿が目に浮かぶよう。著者の競馬愛(と、競馬にまつわるあらゆる文化への愛)に気圧され、ぐいぐいと一気読みでした。 -
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愛について、百合子はのんびり、梓は切実に考えて考えて答えが出そう?なところで終わるお話。愛することは壮大でありながら日常的な行為だから、人によって定義は違うし、そもそも定義するからおかしくなる。それが男女のそれならなおさら。初めに感じた情熱で愛し愛されている人はどれだけいるだろう。梓が一輝に対する気持ちを丁寧に正直に解きほぐしていく様子は人間らしくてよかった。百合子は結婚制度をかくれみのと言ったけど、隠れなくてよくない?愛が変容することを隠さなくてもいいと思う。毎日が愛で溢れなくていい。最後のわちゃわちゃした会話こそが愛から生まれた幸せのカケラだと思うんだけど。
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ネタバレ【あらすじ】
結婚、離婚、非婚、事実婚を問いかける本格長編小説。
多くの恋愛小説が書かないその先を見つめる‥‥
離婚に踏み切れない作曲家の妻・梓の微妙な気持ちの揺れと、結婚のメリットを探しながら生活を淡々と営む専業主婦・百合子のたくましさが、絡み合いながらビビッドに描かれていく。ストーリー展開は静かながら、そのリアルさゆえに読み手を飽きさせない。誰がどこで「愛という名の切り札」を使うのか、果たして愛は切り札になるのか、がこの小説の読みどころの一つである。
非婚を選ぶ娘・香奈と、事実婚で進む若い作曲家・理比人の生き方にも説得力があり、結婚の形がこの先どう変わっていくのか、余韻を残すエンディングも魅力。
◯ 愛という名の切り札 目次
1 おかあさんさあ、結婚してなにかいいことあった?
2 どうして結婚するとしあわせになれると信じていたのだろう、なんの根拠もなく
3 いちばんきれいだったとき、なにをしていましたか?
4 もう一度生き直したいんだ、と彼は言った
5 多く愛した方が負ける。それが結婚というゲームのルールです
6 一人で生きる。それもいい。二人で生きる。それもいい。
その二つをかなえるのが新しい結婚になるはずだ
【個人的な感想】
目次を見て面白そうだと思い読んだが、私の期待していた話の内容とは少し違った。
音楽の話がメインで、詳しくない私には想像しかできずあまり理解できなかった。
結婚のメリットを考えても仕方ないと思いつつ、子供が欲しいと思っていない働く女性にとっての結婚のメリットをやっぱり考えてしまう。 -
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「老衰外語看取り小説」である。
昨今、亡くなるのは病院か施設のどちらかが多いのではないだろうかと思うのだが、この小説は自宅で96歳の父を看取るまでの家族の思いや苦労が書いてある。
長年教育関係の職につき、75歳で大学を定年になった後も、勉学が困難な家庭の子どもを集めた私塾に通い、自治会の相談役でもあった父。
ちょっと認知症の気配を感じたときは、86歳でありそれから母が娘たちが、苛立ちながら、じたばたしながら、ため息をつきながら、時には、はよくたばれと思いながら亡くなるその日まで看るのである。
父の回想や小林一茶の詩が、上手い具合に馴染んでいるというか…なんとも言えない気にさせる。
最後には、おつかれさまと言いたくなった。
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何かを得るというわけではないけど、共感する部分があった。
「それに音楽は体験だから、どういう心境でどういう状況でどういう場所で聴くかによって、受け取るものはちがってくるし、またそこが音楽のおもしろいところでもある。言葉で説明するわけじゃないから、受け取る側の自由度が大きいんだ」
「だって愛ってほんとはなんだか誰にもわからないのに、言葉だけはでんとこの世界に居座ってるから、オレたちはうかうかしてると愛に見放されるんじゃないかっていつもびくびくしてる」
「自分で見つけるしかないんだよ、正しい愛し方は。愛を持ち続けるためには孤独にも耐える自分自身を確立してなきゃだめなんだ。愛にすがって生きていくのはつらいし哀れだもの」
「愛を失っても生きていけるなにかがなければ、その人の愛は強くなれないのさ。オレには音楽がある」
「愛というのもまた、極めるべき一つの道として開かれてきたものなのだ、と。」 -
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目次を見ると6章それぞれのタイトルが面白い。
無名だった作曲家の影山一輝の才能を信じ、彼を一流にすることを自分の役目と思っていた妻梓。好きな人が出来たから離婚して欲しいと言われ、嫌と答えた彼女。まだ好きだから?それとも妻の意地?離婚後の生活への不安?
列車の衝突事故が起きた時に連絡すべき相手がいないんだ…と気付いた時の梓の寂しさが痛々しい。こういう時にふと寂しさを感じる物なのですね。みんなお互いこの人しかいない!そう思って結婚するのにね~。ずっとその時の気持ちのままでいられたら良いけれどそうは行かないのがほとんど。
だから定年退職後に何もしない夫に不満を募らす主婦やそんな夫婦の元に生まれた娘は結婚はしたくない宣言。
梓が離婚を受け入れるのかその心の動きがリアル。でもまさか年下の作曲家からの提案に心が揺れてしまうとは…。結婚してもしなくても生きていくのは大変なことに変わりはないんですけどね。