新井紀子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
# ちゃんと読む。を完全に理解できる一冊
## 面白かったところ
* ChatGPTをはじめとしたLLMの概要が、簡潔にわかりやすく説明されており、特徴を掴むことができた
* 読解力という大きなテーマの中で、後天的に獲得可能なスキルを定義し、トレーニング方法まで提示してあり、大変読み応えがあった
## 微妙だったところ
* 特に無し
## 感想
今年読んだ本の中で最も面白い本の一冊に入る。
読解力が重要であることは理解していたが、具体的にどのようなスキルが必要で、どうすればそれを鍛えられるのかについては、これまであまり考えたことがなかった。
今は昔、我が弟に国語の点数を取るために -
Posted by ブクログ
最初にAIの成り立ちや開発者ならではの視点で解説があり、なんとなく理解して使ってたAIについて、より特性を理解でき、使い方を工夫しようと思うきっかけとなった。シン読解力とした経緯と、それが必要な背景、根拠を筆者が研究してきた結果とともに説明があり納得感は増えました。ここまで結構長いですが、RSTの例題とともに、現代の日本人、あるいは将来の日本人にとって、大切なことを言っているように感じます。インプットの多い本でした。巻末にトレーニングがあり、これから取り組んでみようと思います。一度、RSTを実施し、自分のシン読解力のレベルを知り、対策を考えたいと思いました。
-
Posted by ブクログ
人の心の機微を感じて読み解く読解ではない、一通りでしか読めない文章を読み解く「シン読解力」。
この発想に、目からウロコといいますか、すっかり夢中になって読破してしまいました。
教育論にも通じていて、シン読解力がないことで授業がままならなくなる子供の話などを読むと、たまらなくなってしまいました。
幼少期の語彙の積み上げが大切なことや、トレーニングでシン読解力は鍛えられること、そのトレーニングの方法(新聞の見出し語から一文を作るトレーニング)など、とてもためになりました。
これ、教育委員会の方とか、読めばいいのに。
大人になっても必要なシン読解力。
本書を生かしながら、生活しようと思います! -
Posted by ブクログ
日常言語と学習言語は異なるものであり、教科書に書かれているのは学習言語である。学習言語とは誰が読んでも同じ解釈になるように書かれた言語であり、これを正しく読めなければそもそも学習ができない。本を読む読解力とは別のスキルが必要で、筆者はこれをシン読解力と呼ぶ。
読書が好きで国語が得意なのに数学が苦手は私は筆者と同じで学生時代に数学語の読解力が低かったのだと腑に落ちた。
仕事をするにあたりシン読解力が必要であるのはわかる。ただ筆者がシン読解力の高い人を採用して、社員のシン読解力を高めるのを推奨しているのには少し疑問符がつく。平均値を上げて仕事を効率化するのには役立ちそうだが、今企業に一番求めら -
Posted by ブクログ
新井紀子氏のベストセラー「AIvs.教科書が読めない子どもたち」の続編として、「シン読解力」習得の重要性を説いた本。小・中・高校の学生も社会人も数学、理科、歴史を含めたすべての教科の成績とシン読解力の能力(RST)との間には相関が高いことを解説し、RSTの能力向上の方法とそれに取り組んだ学校や自治体の結果についても触れている。学術的かつ論理的で説得力がある。とても勉強になった。RSTを受けてみたい。
「この経験から、私は3つのことを学びました。1つは、各教科の教科書を読み解けるような読解力を身に着けるには、読書では不十分なこと。場合によっては、読書で身につけた自己流の読みが、一部の教科の読 -
Posted by ブクログ
新井紀子「シン読解力」 知識よりも読解力 応用問題を解いて地頭の力を見る
私の長所・特技である「読解力」は小学校時代の珠算と将棋の訓練によるものと確信できた
珠算の段位試験の応用問題はまさに「シン読解力」の典型問題
小学生が日々取り組む問題としては高度でありやり甲斐があった
私の小学校時代は様々な刺激で充実した毎日であった
そしてその日常の積み重ねが現在の知的基盤になったと思う
新井紀子氏は「キャリアがユニーク」で、「教育論が明解ー知識より読解力」
何よりキャリアが、高校まで数学苦手の文系少女が一橋大学法学部を選択。
大学で松坂和夫先生に出会い、数学のお作法を丁寧に学び、
米国イリノイ大学の -
Posted by ブクログ
素晴らしい内容でした。
教科によって読み方が違うというのは目からうろこでした。
日本語の助詞から使い方が苦手だというのも、問題を解いてよくわかったし、日本語の構造をやはり理解できていない人が私含め多いんだと改めて感じた。たぶん、N1とってる外国人より日本語を正しく読めていないのかもしれないと思う。それくらいの危うさ、危機感を覚えました。
読解スキルは身につけなければと思いましたし、AIによるシンギュラリティにおびえるよりも、外れ値があるからこそ、うまいこと共存していきたいなと思った。ほぼ毎日ChatGPTに相談していたのはそういう理由かとも納得した。会話の自然さはあるが、嘘はつくということを -
Posted by ブクログ
AIは東大に入れるか?を研究している数学者が、AIとは何か、AIが躍進すると世界はどう変わるかについて書かれている。
大変な偏見だが、理系の方の書かれた本は説明の道筋が整えられていて、説明が頭に入りやすいと感じる。
工場の手作業が機械による自動化に変わりつつある時代であれば、工場が機械化されたとしても、読み書き計算の教育すらままならない方は、工場での仕事が向いていて、ホワイトカラーの仕事は難しそうだ。
AIが次々仕事を奪いつつある現代でも、AIに変わられない仕事をやればよいのだが、それが難しい。なぜなら中高生の読解力が下がっているからだ。実際に行ったテストが数問載っていたのだが、ちゃんと読め -
Posted by ブクログ
ちょっと前の本なので今はいろいろ変わってきてるのか、それともやっぱり本質的にはAIの苦手分野は変わっていないのか、さらに知りたくなった。
後半部分の教科書が読めない、読解力のないという部分を問題を解きながら自分にも当てはまらないから怖がりながら読んだ。結果として、注意しながら読んだからなんとか正解できたけれど、多分よっぽど集中しなければ間違えてしまう問題が多かった。
AIの苦手分野の人間らしい読解力や思考力を精一杯自分なりに高めていきたいし、もっともっとAIの使い方を論理的に理解して説明してうまく共存していきたい。頭を使うことをやめてしまうことは本当に怖いことだな。