松平千秋のレビュー一覧

  • ホメロス イリアス 下

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    ネタバレ

    パトロクロスの戦死とアキレウスの参戦、そしてベクトルの葬儀。紀元前に描かれたとは思えないほど、瑞々しい物語であった。

    神々が宣告する死の運命に気づいてもなお、懸命に戦ったヘクトルの生き様はあっぱれであり、日本人である私の心に深く響いた。

    そして敵同士とはいえ、大切な人間を戦争で失ったプリアモスと、一時的にではあるが和解をしたアキレウスの器の大きさにも感動した。

    極めて日本人的な感覚で古代ギリシャ叙事詩が読めたことに驚いている。トロイア戦争後が舞台のオデュッセイアも是非読んでみたいと思う。

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    2025年09月21日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    ネタバレ

    下巻で主人公オデュッセウスはなんとか妻と息子がいる故郷に帰ったが、妻は夫の外見が以前と変わったことからまた息子はそもそも父親の顔を知らなかったことから、二人ともにわかには信じられなかった。加えて、妻の求婚者たちとの争いに巻き込まれるというように、故郷に帰った後も次々と災難が降りかかる。それでも、智謀と呼ばれたオデュッセイアは、目の前の難題に巧みに対処していく。

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    2025年08月04日
  • ホメロス イリアス 下

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    ネタバレ

    上巻に引き続き、アカイア勢とトロイア勢両軍の衝突から、トロイア軍の実力者ヘクトルがアキレウスに倒されて、彼の葬儀を終えるまでが下巻の内容である。主人公アキレウスはパトロクロスの死によりアカイア軍として参戦し、トロイア軍を次々と倒していく。とくにヘクトルとの戦いはアキレウスが奮戦するという熱い展開がなされる一方で、アキレウスのヘクトルの遺体に対する扱いは、人間の惨たらしい様子が描写される。

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    2025年08月03日
  • ホメロス イリアス 上

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    没頭してしまった。結末はもちろんわかっているのだが、判官びいきというか、トロイエ方を応援したくなる。ヘクトルがアルゴス方の防壁を破った瞬間は『このままアガメムノンを討て!』と思ってしまった。それ故、アキレウスの本格的な参戦を望みつつ、彼がいなければ或いは、とか妄想したり。理屈はともかく没入感があった。

    比喩表現も素晴らしい。本巻の終盤、拮抗する両勢力を『日銭稼ぎの実直な女(糸を紡いで稼ぐ貧しい女)が、子らのため僅かばかりの手間賃を得るために、秤を手にして、両の皿に錘りと羊毛を載せ、持ち上げながら釣合いをとろうとする』などと表現する。羊毛の皿(トロイエ方)が少しでも重くあって欲しいと願うゼウス

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    2025年07月11日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    下巻は主に復讐譚。
    それにしても読ませる。
    口承文学として、紀元前から伝えられてきたのも、その物語としてのおもしろさに拠るところが大であろう。

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    2025年06月17日
  • ホメロス オデュッセイア 上

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    紀元前の口承詩を元にして編まれた叙事詩とのことだが、物語としてたいへんにおもしろい読み物である(ただし、第11書の冥界でのくだりはやや冗長に感じた)。

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    2025年06月14日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    これまで出会った物語、ゲーム、マンガや映画など、色々なものが想起されながら読んでいた。
    とても面白かった。

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    2025年06月09日
  • ホメロス イリアス 下

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    世界三大叙事詩と呼ばれるこの作品の日本語訳としてこれ以上ないのではないかと感じました。
    ギリシャ神話の最大の特徴でもある神々の人間臭い側面や如何なる豪遊無双の将も歯が立たない人間と神の格の違い等が顕著に描かれています。
    土地や人の名前の固有名詞が頻繁に、それも数多く登場しますがそれらには逐一説明が索引にある為この本を読む為に読んでおかないといけない他の話などはありませんので、気楽に手に取って読んでみることをお勧めします。

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    2025年01月11日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    オデュッセイアイタケーに帰還す、の下巻。この話を読むたびに思うのだが、ペネロペはホントよく孤閨を守ったよ。旦那は10年間も別の女と同棲していたのに。

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    2024年07月04日
  • ホメロス オデュッセイア 上

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    トロイア戦争が終わった後、ギリシャの英雄のオデュッセウスが故郷のイタケーに帰る話。イリアスに比べ、旅もの、冒険もののワクワク感が強い。こちらも岩波のイリアス同様散文調の文体なので、読みやすさは抜群、

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    2024年07月04日
  • ホメロス イリアス 下

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    ネタバレ

    イリアスの後半。

    戦死した友パトロクロスの仇を打つべくアキレスがヘクトルと対決、これを倒す。最終章では故郷トロイアにてヘクトルの葬儀が催される。

    英雄であっても神の意図を無視することはできない。この世界観は、多かれ少なかれ後に続くすべての西洋文化の基礎となっているのかもしれない。

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    2024年06月17日
  • ホメロス イリアス 上

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    舞台は古代ギリシア。ミュケナイのアガメムノン王率いるアカイア人遠征軍を、英雄ヘクトル指揮下のトロイア軍が迎え撃つ、トロイア戦争末期を描いた物語。

    冗長な箇所も多いが、両軍入り乱れて血みどろの戦闘を繰り広げるシーンは臨場感たっぷりで読み応えがある。なお、神々が戦いに介入してくるあたりは、日本人の感覚からすると若干モヤっとしないでもない…。

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    2024年05月30日
  • ホメロス イリアス 下

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    さすがにアキレウスとヘクトル、両軍のトップがぶつかり合う後半の展開には燃えた。
    徐々に物語を加速させ盛り上げていく構成力には、ホメロスの作家としての優れた手腕が発揮されている。
    親友パトロクロスの死にキレたアキレウスが戦場に赴くという、少年漫画的展開を紀元前の時点でやるとは、ほんと男って変わらないな。

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    2023年06月10日
  • ホメロス イリアス 上

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    軽快率直な文体ながら、美しい比喩や直接的な戦場描写が光るホメロスの長編大古典。
    古代ギリシャの神々がさらりと介入してくるあたり、人と神の境界が曖昧で現実感が揺り動かされる。
    三国志とか戦国時代の戦記ものを読んでる感覚。
    オデュッセウスやアガメムノン、アキレウスやヘクトル、オリンポスの神々など、まさに英雄や神が名を馳せる時代で、彼らを強度なキャラ的誇張表現で持って描いたのが、昨今、日本でよく見られるアニメ群たち。
    翻訳者の方の仕事も素晴らしい。

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    2023年06月08日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    英雄の帰還、そして復讐。劇的に描かれる、悪漢勢の醜態と家族や家臣との絆は、数千年の古さを感じさせない。

    主に冒険譚だった上巻から一転、主要人物が故郷イタケに集結し、本作の悪役となっている求婚者たちと対決するお話になっていく。ほとんどの舞台がオデュッセウスの自宅である屋敷となり、本来の主人自らが正体を隠して悪人成敗の計略をめぐらせる、というのが面白さの軸。エンターテイメントとしてシンプルな構成ながらも、人間味あふれるキャラクターと勢いのある筋書きは、紀元前の作品ということを忘れるほど、現代の我々にも魅力的なものであるといえる。「イリアス」上・下巻から順に読んできて本巻が一番面白かったので、途中

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    2022年10月17日
  • ホメロス オデュッセイア 上

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    「イリアス」とともにニ大叙事詩と仰がれるギリシア最古の英雄物語。トロイア戦争終結後のオデュッセウスの冒険。

    「アキレウスの怒り」がテーマの戦記ものであった前作から一転、オデュッセウスを中心とした冒険ファンタジーとなっている。父の消息を求めてテレマコスが旅立つ冒頭からワクワクがとまらない。神々が介入してくるのはイリアスとも共通するが、本作ではさらに王宮や冥府、魔女や巨人、漂流や裏切りなど、波瀾万丈の要素が盛りだくさん。紋切り型といわれればまさにその通りで、それは長い時を通してこの偉大な古典が愛されてきたことの証明でもある。無双すぎてモテすぎるオデュッセウス、やってることは今のラノベも変わらんで

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    2022年10月13日
  • ホメロス イリアス 下

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    トロイア戦争の最後までは描かれず、アキレウスの物語として幕を閉じる。トロイの木馬が出てこないのは残念。

    ゼウスの厳命により神々が人間の戦争に手を出せなくなるなか、ヘレの謀略とポセイダオンの暗躍が目を引く。女神テティスとの約束を守るべく、ゼウスが戦争のシナリオを緻密に組み立てているのには笑った。すべては彼の手のひらの上といわんばかり。

    アキレウスが失意から立ち上がり、神ヘパイストスが新たに鍛えた最強武具を装備して戦いに赴くシーンは、ファンタジーとしても戦記ドラマとしても盛り上がるところ。やがて傍観していた神々も戦闘への参加を許され、人神入り交じった戦争のスペクタクルのあと、本作最大の見どころ

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    2022年09月28日
  • ホメロス イリアス 上

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    紀元前8世紀ごろ口頭詩として制作されたとされる長編叙事詩。ギリシャ神話を題材とした、トロイア戦争を描く。

    概要は有名な話であるし、2004年の映画『トロイ』も観ていたので、大ざっぱな筋書きは知っているつもりで、原典となる本作に挑戦してみた。すでに戦争が10年経過しているところから始まり、冒頭からアキレウスとアガメムノンのケンカが始まるので、多少の予備知識がないとやや面食らうかも。パリスがヘレネを連れ去ったという戦争の原因についても、知っている前提として話が進む。

    映画と決定的に違うのは「神々の介入」。オリュンポスの神々が、それぞれのひいきの軍の動向を見守り、敵軍を支援する神を相手に言い争い

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    2022年09月20日
  • ホメロス イリアス 上

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    (歴史ではなく神話ですが、)様々な本でイリアスのプロットや登場人物がメンションされているが、そのバックグラウンドを知ることができて満足。

    物語としても、とてもおもしろい。

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    2022年03月06日
  • ヘロドトス 歴史 下

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    下巻
    7 ポリュムニアの巻
    8 ウラニアの巻
    9 カリオペの巻

    アケメネス朝ペルシアと古代ギリシア諸ポリス間の戦争(ペルシア戦争)が中心となる内容で,歴史的記述のみならず地誌学や風俗・伝説などにも言及している点が特徴的。しばしば「歴史の父」と言われるように,歴史学そのものの起源として重要となる。 

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    2021年09月21日