松平千秋のレビュー一覧
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ジョイスの『ユリシーズ』を読むにあたっての再読です。
『オデュッセイア』は、言わずと知れたホメロスの『イリアス』と並ぶ長編叙事詩。
ポセイドンの逆鱗に触れたオデュッセウスは、トロイア戦争終結後、10年もの間、苦難の冒険を続け、やっと妻子の待つ故郷のイタケ島に帰り着く。
『オデュッセイア』12110行から成る英雄叙事詩であり、『イリアス』よりのちに誕生したものらしい。
オデュッセウスといえば、トロイア戦争で、トロイの木馬と呼ばれることになる木で作った大きな馬を城内に運び込み、味方を勝利に導いた英雄である。
トロイア戦争勃発時、オデュッセウスには、若く美しい妻ペネロペと生まれたばかりの息子 -
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ジョイスの『ユリシーズ』を読むにあたっての再読です。
『オデュッセイア』は、言わずと知れたホメロスの『イリアス』と並ぶ長編叙事詩。
ポセイドンの逆鱗に触れたオデュッセウスは、トロイア戦争終結後、10年もの間、苦難の冒険を続け、やっと妻子の待つ故郷のイタケ島に帰り着く。
『オデュッセイア』12110行から成る英雄叙事詩であり、『イリアス』よりのちに誕生したものらしい。
オデュッセウスといえば、トロイア戦争で、トロイの木馬と呼ばれることになる木で作った大きな馬を城内に運び込み、味方を勝利に導いた英雄である。
トロイア戦争勃発時、オデュッセウスには、若く美しい妻ペネロペと生まれたばかりの息子 -
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ネタバレ『イリアス』と並ぶホメロスの大叙事詩。下巻ではオデュッセウスのイタケ帰還から大団円まで(第十三歌~第二十四歌)を収録する。上巻で多く含まれていた神話的要素は薄れ、下巻では専ら求婚者たちに対するオデュッセウスの報復が描かれる。
オデュッセイアを通読して思ったのは、オデュッセウスは女神に愛されてこその英雄なのだという事である。オデュッセウスは女神アテナから様々な恩恵を受ける(それこそ知恵や策略といったものから、美貌や背丈といったものまで)。あまりに女神からの恩恵が多いが故に、オデュッセウス自身の武功がやや霞んでしまうほどであった(無論、彼が人に長たる能力を持つ人物である事は否定しないが)。
また、 -
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いよいよクライマックス、ペルシア戦争の叙述が始まる下巻。第7巻〜9巻収録。マラトンの敗報の知らせにダレイオスはギリシア遠征の準備にかかるが志半ばにして死去。ダレイオスの後を継いだクセルクセスは空前絶後の規模でギリシア親征を企てる。インド人、バクトリア人、エジプト人、トラキア人、メディア人,フェニキア人,アラビア人,リビア人,etc.etc.その親征軍の超多国籍ぶりを見るにつけ、アケメネス朝ペルシアが征服により急速に拡大し、広大なオリエント地域を支配する多民族国家、大帝国だったことが伺える。第7巻において前哨戦「テルモピュレーの戦い」が描かれそこでスパルタの王レオニダスは300名の戦士で大軍勢の
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第4巻〜6巻収録。カンビュセスの子、ダレイオスによるスキュティア遠征、そしていよいよペルシア戦争の発端、イオニア植民都市の反乱が5巻で記される。ペルシア戦争とはもちろんペルシア帝国VSギリシャ連合を指すが、そもそもの発端は小アジア、イオニアにおいて自らの権力の拡大をもくろみ、それをあたかも「ペルシアからの独立」運動のように装ったイオニア支配者層の煽動に、ペルシアの領土的野心、ギリシアの危機感などが結びついてあの大戦争が誘引されたというのがヘロドトスの見解のようだ。自らの力だけでは独立はおろか勝利がおぼつかないミレトスの支配者、アリスタゴラスやスサの支配者ヒスティアイオスらが周辺を巻き込みペルシ
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「歴史の父」と称されるヘロドトス(B.C.484-430)。世界史で「エジプトはナイルのたまもの」という言葉を習った記憶の方も多いだろう。「人間界の出来事が時の移ろうとともに忘れ去られ世の人に知られなくなるのを恐れて研究調査を書き述べる」という文章からこの名高い「歴史」は始まっている。彼はギリシア諸都市とペルシア帝国の大戦争「ペルシア戦争(B.C.492-449)」を後世に伝えるために筆を執ったとされる。彼はこの「歴史」で、「伝聞」の形を取りながらも、歴史のみならず風俗、地理宗教、農業、文化と実にさまざまな事柄について触れている。上巻(第一巻〜三巻)では主にアケメネス朝ペルシア帝国の興隆が描か
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ネタバレヘラがゼウスを眠らせている間のギリシア軍の反撃。ヘクトル、アイネアス率いるトロイア軍の反撃。船陣での戦い。追い詰められるギリシア軍の姿を見てアキレウスに出陣を嘆願するパトロクロス。パトロクロス率いるミュルミドンの活躍。パトロクロスに倒されるサルペドン。ヘクトルとパトロクロスの戦い。ヘクトルに倒されたパトロクロスと奪われたアキレウスの武具。船の上からのアキレウスの威嚇。母ティティスによる武具の作成。アキレウスとアガメムノンの若い。アキレウスの猛攻。河神との戦い。アキレウスとヘクトルの一騎打ち。ヘクトルの遺体に加えられる侮辱。ヘクトルの遺体引き渡し。
1996年7月19日再読