松平千秋のレビュー一覧

  • ホメロス イリアス 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ホメロスの叙事詩。現代文と比較すると文章が少しだけ読みにくいかもしれないが、「トロイア全史」で全体像をつかんだ後に読むと、壮大で感動的な作品に感じられる。アキレウスが死すべき運命の戦いに向かっていくことの原因となるパトロクロスの死のくだりに涙が出る。

    0
    2012年05月24日
  • ヘロドトス 歴史 上

    Posted by ブクログ

    今更説明する必要がないほど有名な本。「歴史」と名付けられた本書は歴史書というより、当時のギリシア人が世界について聞きかじった内容をつれづれなるままに書き綴ったもので、全編にわたり「大いなる余談」として気楽に読める名著。節が短く記述が簡潔なので、通勤時の読書にもぴったり。
    上巻では主にペルシア、エジプト、エチオピアについて触れられている。

    0
    2012年05月04日
  • ヘロドトス 歴史 下

    Posted by ブクログ

    大スペクタクルロマン。ペルシアという国が興り周りの国々を併合し、ギリシアに侵入、アテネ、スパルタなどの連合軍に破れるまでの歴史。神意はあるが神々は出ず主役は人間たち。脱線も多いがそれが話に厚みを加えている。君主制と民主制の戦いで民主制が勝つストーリーの原型か。

    0
    2011年08月13日
  • ヘロドトス 歴史 下

    Posted by ブクログ

    いよいよクライマックス、ペルシア戦争の叙述が始まる下巻。第7巻〜9巻収録。マラトンの敗報の知らせにダレイオスはギリシア遠征の準備にかかるが志半ばにして死去。ダレイオスの後を継いだクセルクセスは空前絶後の規模でギリシア親征を企てる。インド人、バクトリア人、エジプト人、トラキア人、メディア人,フェニキア人,アラビア人,リビア人,etc.etc.その親征軍の超多国籍ぶりを見るにつけ、アケメネス朝ペルシアが征服により急速に拡大し、広大なオリエント地域を支配する多民族国家、大帝国だったことが伺える。第7巻において前哨戦「テルモピュレーの戦い」が描かれそこでスパルタの王レオニダスは300名の戦士で大軍勢のペルシア軍に対し奮戦しながらも全滅。第8巻ではペルシア軍はアテナイを占領、内紛の絶えないギリシア連合もいよいよ背水の陣ということでようやく一致団結、ギリシア連合VSペルシア帝国軍の戦い「サラミスの海戦」へと舞台は移る。アテナイを中心とするギリシア軍はデルポイの神託「木の砦で戦え」に従い三段櫂船でペルシアの大軍に対峙、嵐にも助けられサラミスにおいてペルシア軍を撃破。この敗戦に落胆しクセルクセスは本国へと引き揚げる。ここで面白いのがアテナイの司令官にしてサラミスの海戦の立役者、テミストクレスについてヘロドトスが非常に冷淡な記述をしていることだ。個人的に嫌いだったのか??私腹を肥やすだのペルシア王にも恩を売る二枚舌外交だの救国の英雄の記述とは思えないほどの辛辣な描写が続いて読んでいて非常に興味深く、また面白い(笑)なるほど、後にアテナイから陶片追放されてしまったテミストクレスを同時代人はこのように冷ややかな眼で見ていたのか…と思うと楽しい(^^)帰国したクセルクセスからギリシア遠征を引き継いだのがギリシア遠征を提言した張本人、従弟マルドニオス。マルドニオス率いるペルシア軍とギリシア連合軍はプラタイアにおいて戦い、ここに雌雄を決することになる。マルドニオスは戦死、ペルシア戦争はギリシア連合の大勝利となるのだが…ここから今度はギリシア連合の内輪もめ、ペロポネソス戦争へとつながっていくのが「人間の歴史」というものだろうか。上中下巻に分けられた壮大な古代オリエント世界の歴史絵巻を堪能させてもらった。やはり歴史の父の名を冠するに相応しい大作である。

    0
    2011年09月17日
  • ヘロドトス 歴史 中

    Posted by ブクログ

    第4巻〜6巻収録。カンビュセスの子、ダレイオスによるスキュティア遠征、そしていよいよペルシア戦争の発端、イオニア植民都市の反乱が5巻で記される。ペルシア戦争とはもちろんペルシア帝国VSギリシャ連合を指すが、そもそもの発端は小アジア、イオニアにおいて自らの権力の拡大をもくろみ、それをあたかも「ペルシアからの独立」運動のように装ったイオニア支配者層の煽動に、ペルシアの領土的野心、ギリシアの危機感などが結びついてあの大戦争が誘引されたというのがヘロドトスの見解のようだ。自らの力だけでは独立はおろか勝利がおぼつかないミレトスの支配者、アリスタゴラスやスサの支配者ヒスティアイオスらが周辺を巻き込みペルシア帝国に対して反乱を起こした為、それを鎮圧しようとしたペルシア軍と戦闘が起きた。一旦イオニア諸都市は鎮圧され当事者二人は死亡したにも関わらず、そこから事態は地中海の覇権を賭けたペルシアVSギリシアの大戦争へと拡大していったようだ。第6巻においていよいよ両軍はあのマラトンの闘いで激突する。この地上戦においてアテナイが勝利。このマラトンの闘いにおいて勝利の報を母国へ運んだ伝令の故事にちなんでマラソン競技が始まったとされるが、生憎その記述は見あたらない(笑)

    0
    2011年09月17日
  • ヘロドトス 歴史 上

    Posted by ブクログ

    「歴史の父」と称されるヘロドトス(B.C.484-430)。世界史で「エジプトはナイルのたまもの」という言葉を習った記憶の方も多いだろう。「人間界の出来事が時の移ろうとともに忘れ去られ世の人に知られなくなるのを恐れて研究調査を書き述べる」という文章からこの名高い「歴史」は始まっている。彼はギリシア諸都市とペルシア帝国の大戦争「ペルシア戦争(B.C.492-449)」を後世に伝えるために筆を執ったとされる。彼はこの「歴史」で、「伝聞」の形を取りながらも、歴史のみならず風俗、地理宗教、農業、文化と実にさまざまな事柄について触れている。上巻(第一巻〜三巻)では主にアケメネス朝ペルシア帝国の興隆が描かれている。ヘロドトスが伝聞にせよギリシア側のみの研究や叙述ではなく、中立とも言える観点から実に詳しくペルシア帝国の成り立ちや内情について述べているのには感心させられた。ペルシアはメディアからの支配を脱し、小アジア、バビロンなど周辺諸国を次々に征服し、カンビュセスの時代にはエジプト遠征へと乗り出す。そこにあの有名な「ナイルのたまもの」という記述がでてくる。ヘロドトスはピラミッドの作り方、その目的エジプトの地理、宗教、歴史など実に詳しく叙述している。この「歴史」のおかげで我々はペルシア戦争について2500年後の現代において知ることができる。古代ギリシア、オリエント世界を知る上での第一級史料である事は間違いない。実にありがたく興味深いのだが…しかしヘロドトスの「歴史」が後世に与えた影響を無視することはできない。なぜなら彼の業績の集大成とも言える「歴史」を読んでいると歴史書と言うよりは…旧約聖書やギリシャ神話古事記などを読んだ時のような「トンデモ感」をどうしても感じてしまうからだ(^^)果たしてどこまで信頼したらよいものやら迷ってしまうぐらい荒唐無稽な話が続いたりする(笑)そのトンデモ感が楽しくて、やたらと出てくる人物名にちょっと辟易しながらもドンドン読み進める事ができるとも言えるのだが。彼が「歴史」においてピラミッドは「王の墓」だと書いたから、以来ずっとそう信じられてきた。しかし近年の研究において「王の墓」説には巨大な疑問符が投げかけられている。一個人が描いた「歴史」の嘘と真実。さて、どこまでを真実ととるか、トンデモ話と取るか…そこに歴史研究の面白さ、醍醐味があるのかもしれない。

    0
    2011年09月17日
  • ヘロドトス 歴史 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    リュディア王クロイソスとそろんの会話。キュロスと戦えば帝国を滅ぼすとのデルフォイの信託。クロイソスの敗北。キュロスのイオニア地方制圧。マッサゲタイ遠征。キュロスの戦死。カンビュセス王のエジプト制圧。バビロニアの叛乱。カンビュセスの狂気。マゴス僧による帝国の簒奪。ダレイオスを含む7人の有力者によるマゴス僧の打倒。


    1996年7月20日再読

    0
    2013年10月08日
  • ホメロス イリアス 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ヘラがゼウスを眠らせている間のギリシア軍の反撃。ヘクトル、アイネアス率いるトロイア軍の反撃。船陣での戦い。追い詰められるギリシア軍の姿を見てアキレウスに出陣を嘆願するパトロクロス。パトロクロス率いるミュルミドンの活躍。パトロクロスに倒されるサルペドン。ヘクトルとパトロクロスの戦い。ヘクトルに倒されたパトロクロスと奪われたアキレウスの武具。船の上からのアキレウスの威嚇。母ティティスによる武具の作成。アキレウスとアガメムノンの若い。アキレウスの猛攻。河神との戦い。アキレウスとヘクトルの一騎打ち。ヘクトルの遺体に加えられる侮辱。ヘクトルの遺体引き渡し。

    1996年7月19日再読

    0
    2012年05月31日
  • ホメロス イリアス 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アキレウスとアガメムノンと戦利品の女性をめぐる対立。ギリシア軍を襲う疫病。戦闘への参加を拒否し自分の船に引き籠るアキレウス。メネラオスとアレクサンドロスの一騎打ち。ディオメディスの奮戦。ディオメディス、オデュッセウスの偵察。ドロンの殺害。ヘクトル率いるトロイア勢の猛攻。突破される防壁。

    1996年7月18日再読

    0
    2012年05月30日
  • ヘロドトス 歴史 上

    Posted by ブクログ

    かの歴史の父ヘロドトスの歴史。
    どうやってペルシアが興り
    何故ペルシア戦争が起きたのか?
    読み応え十分!

    0
    2009年10月04日
  • ホメロス オデュッセイア 下

    Posted by ブクログ

    ​読み終わった…。
    上巻を読んでいる頃は、慣れない言い回しや世界観に都度引っかかってましたが、下巻まで来るとお決まりのフレーズも慣れてきたものです(理解はしてないですが)。
    読み進めながら、この世界のお決まりのルールや展開はその後の創作物のあれもこれも影響を与えているのかな?と想像。
    美女と野獣の始まり、王子様の家にみすぼらしい老婆が来て、雨宿り?をお願いして断って…のやつ。現代の感覚で言うと、怪しい人が来てすぐに受け入れられないのも仕方なくないか?格好も格好だしと野獣(王子)の擁護意見を目にする方が多い感覚ですが、この展開は、ゼウスの掟が根底にある展開だったのかなぁ?とか。
    現代の感覚で言うと無理筋に思えても、オデュッセイアで描かれたゼウスの掟が当たり前の世界があり、それを元にしていたとしたら、オマージュというか繋がりに感心してしまう気持ち。
    死んだものが冥界で再会?するのとかも、リメンバーミーの着想になってたり、もしくは、そういう要素の根っこ?につながりがあるのかも?とか。

    映画との違いが結構あることに気付いたけれど、映画も原作もそれぞれ面白かったです。

    登場人物たち、湯浴みするとオリーブ油つけるの気になった。
    現代の料理に使うオリーブオイルとは流石にテクスチャ違うのかな。
    マッサージオイルを自分の足に塗りながら、こういうことか…?と。

    TSG Entertainmentのロゴって、オデュッセイアモチーフだったのかー。

    0
    2026年09月25日
  • ホメロス オデュッセイア 上

    Posted by ブクログ

    ​最初に河出新書の「『オデュッセイア』入門​」を読んで、その後に手に取りました。
    第八歌辺りで映画を鑑賞。

    ​ギリシャ神話の知識がないので、世界観というか言い回しになれるのに時間かかりました。
    「朝のまだきに生れ指ばら色の曙の女神」​とか。
    ​流し読みみたいな感じで読んでいるので初出で丁寧に説明されていたかもしれないですが、自分は覚えて無くて、出てくるたびに誰この人と思って、あるとき携帯で調べて朝のことかーいってなりました。

    本当は映画を見に行く前に読み終わりたかったのですが、
    映画見た後に本を読んだら、先に映画見ても良かったかもと思うくらい理解がスムーズになりました。
    あの壮大な物語をよく映画化したものだなぁと感心…。

    0
    2026年09月25日
  • ホメロス オデュッセイア 下

    Posted by ブクログ

    トロイア戦争の英雄、オデュッセウスが故郷に帰るまでの冒険を描いた、古代ギリシアで口承されていた叙事詩。

    途中、とある神がブチ切れてオデュッセウスの行く手を阻んだりするのだが、なぜ怒らせたのかよく分からず、やはり予備知識が必要なタイプか…?としりごみしかけた。
    ところが、読み進めるうちに少しずつ事情がわかってくる。まるで伏線回収のように謎がつながっていき、続きが気になってしまう。

    紀元前の叙事詩ということで、あまりに古すぎて読みにくいかな?と心配していたが、意外と今読んでも“ふつうに”エンタメとして面白い冒険譚だった。
    人がカタルシスを得られるのは、こういう話なのだなと思うと、何千年たっても変わらないものがあると感じる。

    クリストファー・ノーラン監督の『オデュッセイア』を観る前に、概要を知っておこうと、ギリシャ神話やオデュッセウス周辺の話にざっと目を通していたのだが、そのうち、いっそ原典を読んでみようと思い立った。
    この映画がなかったら、自分では手に取っていなかったかもしれない。こういう出会いがあると嬉しい。

    0
    2026年09月22日
  • ホメロス オデュッセイア 上

    Posted by ブクログ

    …一同の飲む酒に秘薬を混ぜたが、これは悲しみも怒りも消し、あらゆる苦悩を忘れさせる秘薬であった。(p.95)
    アヘンが推定されているとのこと

    オデュッセイア、どこに行ってもモテる!
    ナウシカア、キルケ、カリュプソ…どれも女性側の視点で物語を読んでみたいと思う

    0
    2026年09月12日
  • ホメロス オデュッセイア 上

    Posted by ブクログ

    初めてのオデュッセイア。まだ上巻だが面白かったことは、
    ・オデュッセウスの不在中、息子テレマコスが憤る求婚者たち(仮の未亡人であるオデュッセウスの妻への)の非道が、求婚者たちがオデュッセウスの牛や羊を食っている、ということ。そこなのか。財産を食いつぶしているということなのかもしれないが、そこは態度をはっきりさせず求婚者たちをのさばらせている妻ペーネロペーに怒るべきところのような気がする
    ・神々はなんでもできそうなのに、なぜか助けてくれるのは遠回し。人になりすましていろいろと知恵を授けてくれたりするが、もう少し直接に助けてくれてもよさそう。思うに、神々は日本でいえば妖怪のような位置づけで、なぜかこんな不思議なこと不条理なことが起こってしまった、というときに自分の意志や理屈を超えた不思議な力が神々という形をとっているのかなと思った。
    ・ナウシカもキルケーも、オデュッセイアからとられた

    0
    2026年09月02日
  • ホメロス オデュッセイア 上

    Posted by ブクログ

    知謀知略のオデュッセウス。ギリシア軍の軍師。トロイア戦争に勝利し、故郷イタケ(イオニア諸島)に帰るまでの10年間の漂泊▪︎ロートパゴイ族の国。部下たちがロートスの実を食べて、故郷へ帰りたいという気持ちを失ってしまう。オデュッセウスは、ロートスの実を食べた部下たちを無理やり船へ連れ戻す。部下たちは泣きながら抵抗するが、部下たちを船に縛りつけて出航(第九歌)▼一つ目巨人キュクロプス族の国。巨人の1人ポリュペモスは、オデュッセウスの部下2人をわしづかみにし、地面に叩きつける。部下たちの頭は割れ、脳ミソが流れ出して土を濡らす。巨人は部下たちの手足をバラバラにして、内臓や肉だけでなく、骨まで喰らい尽くす。そこでオデュッセウスは巨人の機嫌をとろうと酒を飲ませる。巨人が「お前の名前は何だ」と聞いてきたので、オデュッセウスは「Outis (=Nobody)」という名だと答える。巨人が眠ってしまったところを、オデュッセウスは先を尖らせたオリーブの丸太を巨人の目に突き刺す。巨人は大きな叫び声をあげ、仲間の巨人たちを呼び寄せる。仲間の巨人たちが「誰にやられたのか」と聞くと、巨人は「Outis (=Nobody)」と答える。仲間の巨人たちは「危害を加えた者はいない」と勘違い。オデュッセウスは大きな羊の下に身を隠し、巨人族の国を脱出。しかし、オデュッセウスが目を潰した巨人ポリュペモスは海神ポセイドンの息子で、ポセイドンはオデュッセウスに怒り心頭、オデュッセウスの故郷への帰還を妨害しはじめる(第九歌)▪︎風の神アイオロスに航海を妨げる逆風を革袋に封じ込めてもらい出航。しかしオデュッセウスの部下が革袋の中に財宝があると勘違いして、革袋の封を切ってしまい、逆風が吹き荒れる▪︎巨人族(ライストリュゴネス族)の国に到着するが、巨人たちに岩を投げられて仲間の船は破壊され、多くの仲間たちが喰われてしまう▼魔女キルケー。オデュッセウスの部下たちがキルケーの薬により豚に変えられてしまう。しかしキルケーはオデュッセウスが神々に認められた英雄だと知って態度を変え、豚になったオデュッセウスの部下たちを元に戻してやる。キルケーはオデュッセウスたちを客人として迎入れ、豊富な食べもの、美酒、安全な寝床を与える。オデュッセウスはひとときの楽園に溺れる。オデュッセウスはキルケーと性的関係をもち、キルケーの館で飲み食いしながら1年間過ごす(第十歌)▼冥界。死者の国。盲目の予言者テイレシアス(死者)から「太陽神ヒュペリオンの牛を殺して食べてはいけないこと、家を荒らす求婚者たちを討つことになること」を予告される。オデュッセウスの母アンティクレイア(死者)が現れ、オデュッセウスは母を抱きしめようするが、手をすり抜ける。トロイア戦争の総大将アガメムノン(死者)「わたしは自らの妻とその愛人によって謀られ、殺された」。英雄アキレウス(死者)「死者の国の王になるより、生きている世界で貧しい農夫として働く方がましだ」。その他、オイディプスの母イオカステ、死者に裁きを下すミノス、水が飲めそうで飲めないタンタロス、岩を山頂に運び続けるシーシュポスなど(第十一歌)▪︎セイレーンたちの歌声に誘惑されそうになるが、オデュッセウスはキルケーの助言に従い、船の帆柱に自らを縛り付けさせ、さらに部下たちの耳に蜜蝋(みつろう)を詰めさせて乗り切る▪︎海峡があり、片側には6つの顔をもつ怪物スキュラ、反対側に船を飲み込む巨大な渦潮(カリュブディス)。狭い海峡でどちらかの道を選ぶしかない。どちらを選んでも危険な状況(スキュラとカリュブディスの間)。オデュッセウスはキルケーの助言に従い、スキュラの道を選び、船員6人を失いつつも通過▪︎太陽神ヒュペリオンの所有する牛を部下が殺して食べてしまい、ヒュペリオンは激怒、罰を与えるようゼウスに依頼、ゼウスの雷が落ちて船が沈み、部下たちは全滅。オデュッセウス、独りぼっちに▼美貌の女神カリュプソに愛され、約7年間引き止められる。昼は洞窟で女神カリュプソと性的関係をもち、夜は海辺で故郷を思いながら泣く毎日。女神カリュプソはオデュッセウスに「お前に永遠の命を与え、私と一緒にここで暮らそう」と提案するが、オデュッセウスは申し出を断る。故郷に帰りたい。神々は会議を開き、オデュッセウスを故郷に帰してやることに決定。オデュッセウスに筏を作らせ、カリュプソの島から出航させる。しかし、ポセイドンに嵐を起こされ、命からがら近くの島(パイエクス国)に流れ着く。パイエクス国王の娘(ナウシカア)に衣服と食べ物を援助してもらい、アルキノオス王の船で故郷に帰る▼ペネロペイア。オデュッセウスの妻。20年間、夫の帰りを待っている(トロイア戦争10年+漂泊10年)。推定40歳前後。夫は死んだものとされ、有力者の息子たちに求婚されている。ペネロペイアは織物を完成させるまで待ってほしいと言いつつ、昼に織った布を夜にほどくことで時間を稼いでいる(第二歌)。この状況に危機感を持ったオデュッセウスの息子テレマコスは、女神アテナの助言に従い、父を探す旅に出る(会うことはできず帰国)▼故郷イタケに帰還したオデュッセウス。オデュッセウスの召使いの一部は、(死んだとされる主人)オデュッセウスを見限り、求婚者側に寝返っている。誰が味方で、誰が裏切り者なのか見極めることに。アテナの力によってオデュッセウスは年老いた乞食の姿に変装、妻ペネロペイアに言い寄る求婚者たちを殺害する計画を練る(第十三歌)。ペネロペイアは「12本の斧の穴に矢を貫通させることができた者を夫とする」ことを提案(第十九歌)。弓の競技が開催され、求婚者(傲慢な若者)たちが全員失敗した後、年老いた乞食姿のオデュッセウスが見事成功(第二十一歌)。オデュッセウスは求婚者たちや不忠不義の召使たちを殺害(第二十二歌)▼ペネロペイアは年老いた男が本当に夫なのか確かめるため、寝室にあるベッドを外へ運び出して、彼が休めるようにすると言う。寝室にはオリーブの木が生えており、その幹を削ってベッドの柱(支柱)にしていたため、ベッドは寝室と一体化していて動かせない。このことを知っているのはオデュッセウスとペネロペイアだけ。年老いた男はベッドは動かせないはずだという趣旨の反応を示し、オデュッセウス本人だと証明(第二十三歌)▼オデュッセウスは父ラエルテスに帰還と求婚者殺害を報告。求婚者の親族が復讐を企てるが、アテナが介入し、双方は和解する。ホメロスHomeros『オデュッセイアOdysseia』BC8世紀★
    ※快楽・安逸・不死への誘いを経験した上で、それでも「家へ帰る」という選択をしたオデュッセウス。
    ※オデュッセウスの名前の由来は「オデュッサメノス(憎まれた)」。実際、一部の神々(ポセイドンなど)から憎まれる。
    ■現在の難儀もいつの日かよい思い出になる。逆境における希望と、順境における気遣いは、幸いと災いに備える感情である(第十二歌)
    〇女神アテナ。知恵と戦略。ゼウスの娘。漂泊するオデュッセウスが故郷に帰れるよう働きかける。オデュッセウスの親友メントル(男)に扮して、オデュッセウスやテレマコスに助言。物語を動かす仕掛け人。
    〇ネストル。ピュロスの王。トロイア戦争に参加。アカイア(ギリシア)軍の長老。テレマコスにオデュッセウスの消息を伝える。
    〇メネラオス。スパルタの王。妻ヘレネをパリスに奪われ、トロイア戦争の原因となる。兄アガメムノン。テレマコスにオデュッセウスの消息を伝える。「ラケダイモン」=スパルタの古い呼び名。
    〇エウマイオス。オデュッセウスの召使い。爺。豚飼い。物乞いに変装したオデュッセウスにイタケーの情勢を伝える。
    ●アンティノオス。求婚者たちの中心人物。有力な貴族の息子。傲慢。暴力的。物乞い姿のオデュッセウスに足台を投げつける。オデュッセウスにより弓で喉を貫かれ死亡。

    **********************

    スパルタ王(ギリシア)の妃が誘拐された。犯人はトロイア(イリオス)。怒ったスパルタ王は妃を取り戻すため、トロイアにギリシア軍を送る。総大将アガメムノン。最強の戦士アキレウス(主人公)▼アキレウスは戦地で美女ブリセイスを妻にする(ブリセイスは夫を失い捕虜になっていた)。しかし、情欲と権力欲の強いアガメムノンが美女ブリセイスをアキレウスから横取りする。怒ったアキレウスは戦線から離脱。最強の戦士アキレウスを失ったギリシア軍は苦戦。アガメムノン「アキレウス、帰ってきてくれ。お前の女を横取りして悪かった。あのとき、私は狂気の神に取りつかれていたのだ」。アキレウスは申し出を拒否▼戦線から離脱していたアキレウスだったが、親友パトロクロスが敵トロイア最強の戦士ヘクトルに殺されたことを知り、ヘクトルへの復讐のため、戦線に復帰。アキレウスはヘクトルとの一騎打ちに勝利。ヘクトルの遺体をトロイア王に引き渡す。ホメロスHomeros『イリアス』BC8世紀
    〇アキレウス。弱点はかかと。母はテティス。
    〇オネイロス。夢の神。
    〇ディオメデス。武将。
    〇メネラオス。妻を誘拐されたスパルタ王。副大将。アガメムノンの弟。
    〇ヘレネ。スパルタ王メネラオスの妃。トロイア王子パリスに惚れ、連れ去られる。
    ●パリス。トロイアの王子。スパルタ王の妃ヘレネを誘拐。ヘクトルの弟。
    ●ヘクトル。トロイアの王子。トロイア最強の戦士。アキレウスに殺される。
    ●アンドロマケ。ヘクトルの妻。夫をアキレウスに殺され、アキレウスの子の奴隷になる。悲運の女。

    0
    2026年08月04日
  • ホメロス イリアス 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    新国立でエレクトラを鑑賞し、改めてこの時代の話知らないんだよなと思って手に取りました。今秋はオデュッセイアの公開も控えているし、この後読みたいと思っている。
    想像以上に読みやすかったイリアス。軍記ものだし、好きだった。
    お気に入りは今のところヘクトルですね笑

    第六歌、ヘクトルとアンドロマケの語らい、好きなやつ笑
    …ヒッポロコスの名立たる息子グラウコスがいうには、「度量宏きテュデウスの子よ、わたしの素性などをどうして訊ねる。人の世の移り変りは、木の葉のそれと変りがない。風が木の葉を地上に散らすかと思えば、春が来て、蘇った森に新しい葉が芽生えてくる。そのように人間の世代も、あるものは生じ、あるものは移ろうてゆく。…」(p.189)

    「…ですからヘクトル、あなたはわたしにとって父であり母であり、また兄であるとともに、あなたはわたしの頼もしい夫なのです。どうか哀れと思って、このままこの櫓に残り、子を孤児に、妻を寡婦の身にはなさらないでください。…」(p.203)
    「妻よ、今そなたがいったことは、みなわたしも考えてはいる。しかしな、もしわたしが臆病者よろしく、戦場から離れて尻込みするようなことになったら、トロイエの男たちにも、裳裾曳く女たちにも顔向けができぬと、心から思っているのだ。…いずれは聖なるイリオスも、プリアモスも、またとねりこの名槍を揮うプリアモスの民も亡びる日が来るということをな。…わたしはそなたが敵に曳彼ながら泣き叫ぶ声を聞くより前に、死んで盛り土の下に埋められたいものだが」(p.204-5)

    当時の習いとはいえ、召し上げた女を愛し、それを略奪されたことに腹を立て続けるアキレウスも好印象である。
    兵士が死ぬことを、物具がカラカラとなった、といった表現で何回も表されるのも好き…口承だもんね

    0
    2026年07月20日
  • ホメロス オデュッセイア 上

    Posted by ブクログ

    クリストファーノーランによって映画化されるということで購入。源氏物語よりもさらに前の約3000年前に書かれた小説とのこと。文学作品としてもかなり価値のある作品だと思います。
    複数の人物からの視点で描かれたり、時系列そのままでなくて回想シーンを交えたり、3000年前の作品とは思えない凝ったストーリー展開になっていてそれが驚愕でした。

    内容は家に帰りなくてと帰れないオデュッセイアが10年がかりで帰郷して、その間嫁に言い寄ってた野郎に復讐するといったストーリーです。
    ゼウスやらアテネなら、ポセイドンといった神々が邪魔したり助けたり、神々に振り回される様子もバッチリと描かれています。

    オデュッセイアは完全無欠の英雄で非の打ち所がない人格者だと思ってましたが、喜怒哀楽も激しくてなかなか人間味のある奴でその点も魅力的でした。

    膨大な登場人物が出てきますが、そこまで気にしすぎずに大枠掴んで読むだけでも面白いです。

    0
    2026年06月21日
  • ホメロス イリアス 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    下巻は、バトロクロスの死とそれに対するアキレウスの活躍であった。相手を負かせるときには単なる倒すということではなく、描写がこれほど残酷であったかとは記憶になかったのは少年向けの本で読んだからかもしれない。やりが顔に刺さって目玉が落ちたり、腹を切られて臓物が散らばり、それを魚が食べたりと今日から考えるとグロテスクである。

    0
    2026年04月28日
  • ホメロス オデュッセイア 上

    Posted by ブクログ


    トロイア戦争の英雄オデュッセウスが各地を漂流しながら故国イタケに帰還するまでの物語。神々の会議から巨人キュクロプスとの戦い、冥府への旅などと三千年近く前に書かれたとは思えないほど幻想的なギリシャ神話の世界が織りなされていました。ヨーロッパ文学の源流となる作品と言われ、少し堅苦しいイメージがありましたが、読んでみるとそのようなことはなく、純粋な冒険小説としての側面も持っていると思います。

    0
    2025年08月24日