松平千秋のレビュー一覧

  • ホメロス イリアス 上

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    戦争描写,神々に弄ばれる人類,英雄の死も重要なのには違いないが,何より印象に残っているのは葬儀で締めくくるところである。

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    2024年06月26日
  • ホメロス イリアス 下

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    イリアスの下巻。知っての通り、ヘクトルの葬儀で完結しており、いわゆるトロイ戦争のアキレウスの死や木馬の話は記載されていない。人間はすでに神の定めた運命をなぞらざるを得ず、アキレウスもこの地で果てることを知っていながらそれでも自分の意思で行動しようとする。ただし、後世とは異なり、運命にあらがう人の自由意志の発想はまだない。末尾のホメロス伝が興味深い。

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    2024年06月06日
  • ホメロス イリアス 上

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    松平千秋氏訳によるイーリアス。元来叙事詩であるが、あえて散文調で記しているため、読み物としては読みやすい。訳注においても他文献との比較や、訳出する上での考慮点が記されているため、細かい背景も理解できる。入門書として最適だが、読みごたえも十分な逸品。戦記物だけあって生々しい戦いのシーンが多くはあるが、ディオメデスの活躍が素晴らしい。

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    2024年06月06日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    ホメロスによる叙事詩。タイトルは知ってるが読んだことないという方は多いのではないか?3000年前に書かれたのが信じられないほど面白い。祖国への苦難に満ちた旅路を描いたのが上巻。下巻は帰国後の物語となっている。

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    2024年03月09日
  • ヘロドトス 歴史 上

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    上巻ではアケメネス朝ペルシャのキュロス2世からダレイオス1世の頃までのペルシア、ギリシャ、シリア、エジプトについての歴史書。といっても今の歴史書とはかなり趣が異なっている上、専門用語もかなり多いので歴史が好きな人でもこれを初見で読み解くのはかなり難しいだろう。自分も今回の2週目でようやく輪郭が掴めてきた程度だ。
    ただ内容としては非常に機知に富む。人間の心情や因果応報が描かれた教養的な部分も多く、現代の専門的な歴史書と比べるとこちらの方がとっつきやすいかもしれない。
    参考書を脇に一冊置いて読むと太刀打ちできるかも。

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    2024年01月03日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    ネタバレ

    オデュッセイア下巻、期待通りにすごくエンタメしてて面白かった。乞食老人の身なりをして我が家に潜伏して、居座って財産を食いつぶしている奴らを息子とともに成敗・皆殺しするまでのハラハラわくわく感、20年越しの妻や父親、召使いたちとの感動の再会の細やかな描写などすごく手が込んでいる。
    自分に群がっていた迷惑な求婚者どもの死体の中で血にまみれて雄々しく立つ旦那様を見たら奥様も心温まる想いをなさるでしょう、と語る乳母とか、減った家畜はまたどこかから略奪してくればいい!と明るく語るオデュッセウスなど当時のなかなかハードな価値観も垣間見えるのだが、それも含めて楽しかった。

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    2025年05月14日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    ネタバレ

    トロイア戦争から二十年もの歳月を懸けて祖国へ
    神の思し召しとはいえ凄い執念だし奥方のペネロペイアの主人のイタケ王への愛の想いの深さを
    よく感じました。
    上巻は航路の災厄に揉まれ数々の島に流れ着いて争い事が起こったり怪物や女神が住み着いていたりあるいはもてなしを受けたり様々な祖国へ帰路に着くまでの波乱万事な物語。 
    下巻は祖国へ着き、国王と悟られずに神の計らいで身を紛し皇后に身を寄せてくる不当な求婚者らを打ち負かす物語。 
    ギリシア最古の叙事詩と難しいのかと読んでみたけど注解もあり読者への語りかける様な文体で
    少し言い回しが少し要所要所長くも感じたけど、読みやすくファンタジー性や倫理性にも富んで

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    2023年07月09日
  • ホメロス オデュッセイア 上

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    謎の素性を持った主人公が旅を行い、危機を脱し帰還するまでの物語。
    正直『イリアス』の方が好き。
    キュクロプス、ナウシカ、セイレン、キルケなど、触れなければいけないキーワードが盛り盛り。

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    2023年06月25日
  • ホメロス イリアス 下

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    ネタバレ

    YouTubeでゲームさんぽを見て、面白そうって思って購入したものの、数ページで難しすぎ!って白旗上げて投げてたやつ。
    その後のイベントで解説されていたのを聞いて、「なるほど!」となり、無事「めちゃくちゃ楽しめたヤッター!」となりました。私にとっては読むのにある程度の事前知識が必要だった本。

    パトロクロスが殺されたあとのアキレウスは例外として、他の面々はどの場面でも割と理性的なのに、当然のように殺しあって次々と退場していくのがやるせない。戦争嫌だね。
    現代人的な価値観のままでも感情移入しやすかったからか、アンドロマケにとても同情してしまって、そこでも戦争嫌だぜ状態になりました。
    なんかこう、

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    2023年06月18日
  • ホメロス イリアス 上

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    スパルタ王(ギリシア)の妃が誘拐された。犯人はトロイア(イリオス)。怒ったスパルタ王は妃を取り戻すため、トロイアにギリシア軍を送る。総大将アガメムノン。最強の戦士アキレウス(主人公)▼アキレウスは戦地で美女ブリセイスを妻にする(ブリセイスは夫を失い捕虜になっていた)。しかし、情欲と権力欲の強いアガメムノンが美女ブリセイスをアキレウスから横取りする。怒ったアキレウスは戦線から離脱。最強の戦士アキレウスを失ったギリシア軍は苦戦。アガメムノン「アキレウス、帰ってきてくれ。お前の女を横取りして悪かった。あのとき、私は狂気の神に取りつかれていたのだ」。アキレウスは申し出を拒否▼戦線から離脱していたアキレ

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    2025年05月22日
  • ホメロス イリアス 下

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    戦いはスプラッター気味だが、ときどき日常生活的な比喩が出てきて面白い。
    アキレウスは少し頑迷すぎる。ゼウスは適当に介入しすぎ。

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    2023年02月20日
  • ホメロス イリアス 上

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    個人的には『オイディプス王』以来久しぶりの古代ギリシア文学。気づいたこととしては、「〇〇の息子、〇〇は」とか、「〇〇の息子は」といった表現が多く、ゼウスとは言わず、クロノスの息子と言われるとややこしいが、一方で毎回毎回複雑な家族構成を振り返りやすかった。

    読み始めて300pぐらい経った頃に、巻末に家系図が載っていることに気づき、「しまった!こんな便利なのがあったのか」と思った。

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    2024年02月22日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    迷い込んだ神の領域から実家に帰るために頑張るオデュッセウス。
    上巻からずっと空想上の地での話だったが、物語後半でようやく実際に存在する地名が出てきて「オデュッセウス、とうとう帰ってきたんだな!」と感慨深くなった。

    なお、ようやく現れた実在の土地はアレクサンドロス大王のお母さんの地元で、なんだかそれも興味深くて面白いなと思った。

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    2021年09月15日
  • ホメロス オデュッセイア 上

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    あらかじめ言うと話が特段面白いわけではない。
    ただ「ドラえもん」みたいに誰もが知ってる(とされる)名作だから色々な作品の色々な場面でオデュッセイアのワンシーンなんかが引用されている。
    ふと昼下がりにテレビで名前も知らない映画を眺めていたらオデュッセイアとキュクロプスの戦闘シーンが出てきて、「あ!これオデュッセイアで読んだ!知ってる知ってる!」と声が出た。
    知識が別のものと結びついた瞬間って気持ち良いなと改めて思ったものでした。

    また随所に出てくるギリシャ的な表現がなんだか仰々しくて面白いので要注目です。
    朝が来る=朝のまだきに生まれ指バラ色の曙の女神が姿を表す 等

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    2021年12月16日
  • ホメロス オデュッセイア 上

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    かなり久しぶりの再読になる。最古の冒険物語とも言われる本書。やはり文句なしに面白い。同じホメロスでも「イリアス」と比べて親しみやすいと思う。前編である本書の後半は一人語りが延々と続く構成だが、不思議と気にならない。

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    2021年04月17日
  • ホメロス オデュッセイア 上

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    個人的には、イリアスの方が好みです。オデュッセウスが今一つ好きになりきれないからです。人類の生んだ傑作であるのは間違いないと思います。

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    2020年09月19日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    ネタバレ

    カタルシスの巻。
    物語は、このカタルシスを感じるために読んでいるといっても過言ではない。

    それにしても主人公のオデュッセウスはナチュラルにウソと真実を混ぜた過去を語るので、事情を知っている読者でも混乱してくる。

    ただ肝心の復讐劇では、アテネ任せのゴリ押しだったのがちょっと拍子抜け。アテネの神の力が無かったらほぼ失敗していたのではないか・・・。
    ここはオデュッセウスの智略で意外な勝ち方をしてほしかったなぁと個人的に思った。

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    2020年09月09日
  • ホメロス オデュッセイア 下

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    前半十二話から成る冒険譚と、後半十二話から成る復讐劇。豪華二本立てといった趣き。
    個人的な好みで云えば、前半の奇々怪々な冒険譚の方を胸熱く読んだが、下巻の復讐劇が無ければオデュッセイアが物語として成り立たないわけである。
    一方で上巻が無ければ単なる復讐劇でしかなく、この二本立て様式の、構成の妙は唸らされる。

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    2020年07月12日
  • ヘロドトス 歴史 上

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    ずっと読みたいと思っていて、やっと読む機会ができた。
    カタカナや、登場人物の多さに何度も何度も巻末の訳注や地図を確認して、なかなか内容に入り込むことができなかったが、徐々に慣れて物語に入っていくことができた。

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    2020年04月25日
  • ホメロス イリアス 上

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    ネタバレ

    長い。
    読書苦手なので読むのが大変でした。
    ヘクトールの亡きがらをアキレウスが引き摺ったという話の真偽を確かめたく、原典に近そうということでこちらを読みました。


    結果的には自陣にヘクトールの亡きがらを運ぶために引き摺ったのみならず、毎朝の日課のように、何日か、何回か、引き摺っていたので、答えは得られました。ただ、アキレウスが引き摺った心境も理由もちゃんと書かれていますので、腑には落ちます。


    アレキサンダー大王がファンになるのも納得です、読めてよかったです。見方を変えれば、領土拡大思想に取り憑かれる権力者が好きな話なのかもしれません。

    現代人も抱えている名前を残さないで死ぬ恐怖。何もの

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    2024年01月29日