松平千秋のレビュー一覧
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ネタバレオデュッセイア下巻、期待通りにすごくエンタメしてて面白かった。乞食老人の身なりをして我が家に潜伏して、居座って財産を食いつぶしている奴らを息子とともに成敗・皆殺しするまでのハラハラわくわく感、20年越しの妻や父親、召使いたちとの感動の再会の細やかな描写などすごく手が込んでいる。
自分に群がっていた迷惑な求婚者どもの死体の中で血にまみれて雄々しく立つ旦那様を見たら奥様も心温まる想いをなさるでしょう、と語る乳母とか、減った家畜はまたどこかから略奪してくればいい!と明るく語るオデュッセウスなど当時のなかなかハードな価値観も垣間見えるのだが、それも含めて楽しかった。 -
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ネタバレトロイア戦争から二十年もの歳月を懸けて祖国へ
神の思し召しとはいえ凄い執念だし奥方のペネロペイアの主人のイタケ王への愛の想いの深さを
よく感じました。
上巻は航路の災厄に揉まれ数々の島に流れ着いて争い事が起こったり怪物や女神が住み着いていたりあるいはもてなしを受けたり様々な祖国へ帰路に着くまでの波乱万事な物語。
下巻は祖国へ着き、国王と悟られずに神の計らいで身を紛し皇后に身を寄せてくる不当な求婚者らを打ち負かす物語。
ギリシア最古の叙事詩と難しいのかと読んでみたけど注解もあり読者への語りかける様な文体で
少し言い回しが少し要所要所長くも感じたけど、読みやすくファンタジー性や倫理性にも富んで -
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ネタバレYouTubeでゲームさんぽを見て、面白そうって思って購入したものの、数ページで難しすぎ!って白旗上げて投げてたやつ。
その後のイベントで解説されていたのを聞いて、「なるほど!」となり、無事「めちゃくちゃ楽しめたヤッター!」となりました。私にとっては読むのにある程度の事前知識が必要だった本。
パトロクロスが殺されたあとのアキレウスは例外として、他の面々はどの場面でも割と理性的なのに、当然のように殺しあって次々と退場していくのがやるせない。戦争嫌だね。
現代人的な価値観のままでも感情移入しやすかったからか、アンドロマケにとても同情してしまって、そこでも戦争嫌だぜ状態になりました。
なんかこう、 -
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スパルタ王(ギリシア)の妃が誘拐された。犯人はトロイア(イリオス)。怒ったスパルタ王は妃を取り戻すため、トロイアにギリシア軍を送る。総大将アガメムノン。最強の戦士アキレウス(主人公)▼アキレウスは戦地で美女ブリセイスを妻にする(ブリセイスは夫を失い捕虜になっていた)。しかし、情欲と権力欲の強いアガメムノンが美女ブリセイスをアキレウスから横取りする。怒ったアキレウスは戦線から離脱。最強の戦士アキレウスを失ったギリシア軍は苦戦。アガメムノン「アキレウス、帰ってきてくれ。お前の女を横取りして悪かった。あのとき、私は狂気の神に取りつかれていたのだ」。アキレウスは申し出を拒否▼戦線から離脱していたアキレ
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あらかじめ言うと話が特段面白いわけではない。
ただ「ドラえもん」みたいに誰もが知ってる(とされる)名作だから色々な作品の色々な場面でオデュッセイアのワンシーンなんかが引用されている。
ふと昼下がりにテレビで名前も知らない映画を眺めていたらオデュッセイアとキュクロプスの戦闘シーンが出てきて、「あ!これオデュッセイアで読んだ!知ってる知ってる!」と声が出た。
知識が別のものと結びついた瞬間って気持ち良いなと改めて思ったものでした。
また随所に出てくるギリシャ的な表現がなんだか仰々しくて面白いので要注目です。
朝が来る=朝のまだきに生まれ指バラ色の曙の女神が姿を表す 等 -
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ネタバレ長い。
読書苦手なので読むのが大変でした。
ヘクトールの亡きがらをアキレウスが引き摺ったという話の真偽を確かめたく、原典に近そうということでこちらを読みました。
結果的には自陣にヘクトールの亡きがらを運ぶために引き摺ったのみならず、毎朝の日課のように、何日か、何回か、引き摺っていたので、答えは得られました。ただ、アキレウスが引き摺った心境も理由もちゃんと書かれていますので、腑には落ちます。
アレキサンダー大王がファンになるのも納得です、読めてよかったです。見方を変えれば、領土拡大思想に取り憑かれる権力者が好きな話なのかもしれません。
現代人も抱えている名前を残さないで死ぬ恐怖。何もの