何世紀も口承のみで伝承・発達させられてきた人類最古の文藝の一つ/戦争=個人的恨みなしに集団で武器を持って闘う伝統は紀元前二十世紀にすでにできていた。男たちの胸に勇気を吹き込むのは神々で、戦いの目的を「正義のため」などと幼稚なことは言わない、勝つのが正義。ヘレネーの危機には駆けつけるとの約束はあるが、実のところパリス靡いているらしいので、むしろギリシャの面子の問題/総大将アガメームノンは英雄アキレウスの面子を損ね、彼は女神である母に訴えた…/トロイの戦士も戦闘前の凶兆にも怯まず「祖国のために戦う、これ以上の吉兆があるか」