松平千秋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジョイスの『ユリシーズ』を読むにあたっての再読です。
『オデュッセイア』は、言わずと知れたホメロスの『イリアス』と並ぶ長編叙事詩。
ポセイドンの逆鱗に触れたオデュッセウスは、トロイア戦争終結後、10年もの間、苦難の冒険を続け、やっと妻子の待つ故郷のイタケ島に帰り着く。
『オデュッセイア』12110行から成る英雄叙事詩であり、『イリアス』よりのちに誕生したものらしい。
オデュッセウスといえば、トロイア戦争で、トロイの木馬と呼ばれることになる木で作った大きな馬を城内に運び込み、味方を勝利に導いた英雄である。
トロイア戦争勃発時、オデュッセウスには、若く美しい妻ペネロペと生まれたばかりの息子テレマコスがあった。
オデュッセウスは、後ろ髪を引かれる思いで出征する。
予想以上に戦は長引き、10年も続いた。
しかし、オデュッセウスは、そののち、ポセイドンの怒りはおさまらず、10年、海上及び諸国を漂流し、やっと故郷に帰り着く。
オデュッセウスの留守の間に息子のテレマコスは20歳の若者に成長し、妻のペネロペは夫の無事帰還を信じて待ち続けるが、城は厚顔無恥な求婚者で溢れ、妻子は悲嘆の日々を送っていた。
そこに、オデュッセウスが乞食の身なりで現れ、彼自身の弓で、矢を12本の斧の穴に通し、無礼者たちを格好よく成敗する。
叙事詩は、オデュッセウスの漂流中の数ある冒険談と、帰国後の彼の活躍ぶりで構成されている。
とにかくオデュッセウスは格好よく、英雄のなかの英雄であり、絵画の素材としても多く描かれている。
近世、映画として、フランシス・F・コッポラ製作総指揮で、「オデュッセイア 魔の海の大航海」が作られている。
1922年刊行のジョイスの小説『ユリシーズ』は、『オデュッセイア』を下敷きに描かれている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『イリアス』と並ぶホメロスの大叙事詩。下巻ではオデュッセウスのイタケ帰還から大団円まで(第十三歌~第二十四歌)を収録する。上巻で多く含まれていた神話的要素は薄れ、下巻では専ら求婚者たちに対するオデュッセウスの報復が描かれる。
オデュッセイアを通読して思ったのは、オデュッセウスは女神に愛されてこその英雄なのだという事である。オデュッセウスは女神アテナから様々な恩恵を受ける(それこそ知恵や策略といったものから、美貌や背丈といったものまで)。あまりに女神からの恩恵が多いが故に、オデュッセウス自身の武功がやや霞んでしまうほどであった(無論、彼が人に長たる能力を持つ人物である事は否定しないが)。
また、「美貌」や「背丈」といったものまで与えるというギリシャ神話の神々の姿も驚きであった。