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Posted by ブクログ
トロイア戦争の最後までは描かれず、アキレウスの物語として幕を閉じる。トロイの木馬が出てこないのは残念。
ゼウスの厳命により神々が人間の戦争に手を出せなくなるなか、ヘレの謀略とポセイダオンの暗躍が目を引く。女神テティスとの約束を守るべく、ゼウスが戦争のシナリオを緻密に組み立てているのには笑った。すべては彼の手のひらの上といわんばかり。
アキレウスが失意から立ち上がり、神ヘパイストスが新たに鍛えた最強武具を装備して戦いに赴くシーンは、ファンタジーとしても戦記ドラマとしても盛り上がるところ。やがて傍観していた神々も戦闘への参加を許され、人神入り交じった戦争のスペクタクルのあと、本作最大の見どころ、アキレウスVSヘクトル戦へ突入。このあたりは映像的でアツイ。
パトロクロスに対する人気、その慕われっぷりには苦笑してしまうが、最終的にはアキレウスが恋愛よりも友情を重視していることが、この物語を薫り高いものにしていると思う。もともと女の取り合いから始まっているだけに(戦争もそうだが、彼個人としても)、人物の成長が見てとれるのだ。
終盤の葬送競技は8種目?ほどあっただろうか。現代の日本にはない習慣であり、葬式でいきなり陸上競技みたいなのが始まって面食らったが、興味深いところではある。
人名多さ故の読みづらさはあるものの、多様な人間の感情が盛り込まれたドラマの結晶は普遍的な魅力を放っており、数千年を隔ててなお失われないその輝きに感動するほかはない。
Posted by ブクログ
ご存知トロイ戦争の一大叙事詩。
戦いシーンは、結構、細かい描写で血みどろなのがびっくり。あまりにも人間くさい神々と、神にもみまごう英雄たち。それを描写する雄大で優雅な比喩が気持ちいい。また、もとは韻文ならではの、決まり文句の枕詞もなれるとなかなか気持ちいい。
要するにとっても面白かったのですが、たぶん10年前に読んでも全然面白くなかったろうな、と思うと、この面白さがどこからくるのか、が不思議です。いろいろな物語を知って、結局、その骨格と醍醐味は同じものだ、と知ったからかな?先を急ぐこと無く、言葉を楽しむ、という余裕ができたからか・・。要するに年を取った、ということですかね^^)
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