【感想・ネタバレ】ホメロス オデュッセイア 上のレビュー

あらすじ

一○年にわたるトロイア戦争が終結。オデュッセウスは、帰国の途中嵐に襲われ、さらに一○年の漂流冒険ののち、神々の援けを得て二○年ぶりに帰還、留守の間妻を苦しめていた悪逆な求婚者たちを討ち亡ぼす。『イリアス』とともにヨーロッパ文学の源泉と仰がれる、劇的な盛り上りに満ちた大英雄叙事詩。新たな訳者による新版。

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感情タグBEST3

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紀元前の口承詩を元にして編まれた叙事詩とのことだが、物語としてたいへんにおもしろい読み物である(ただし、第11書の冥界でのくだりはやや冗長に感じた)。

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2025年06月14日

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トロイア戦争が終わった後、ギリシャの英雄のオデュッセウスが故郷のイタケーに帰る話。イリアスに比べ、旅もの、冒険もののワクワク感が強い。こちらも岩波のイリアス同様散文調の文体なので、読みやすさは抜群、

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2024年07月04日

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「イリアス」とともにニ大叙事詩と仰がれるギリシア最古の英雄物語。トロイア戦争終結後のオデュッセウスの冒険。

「アキレウスの怒り」がテーマの戦記ものであった前作から一転、オデュッセウスを中心とした冒険ファンタジーとなっている。父の消息を求めてテレマコスが旅立つ冒頭からワクワクがとまらない。神々が介入してくるのはイリアスとも共通するが、本作ではさらに王宮や冥府、魔女や巨人、漂流や裏切りなど、波瀾万丈の要素が盛りだくさん。紋切り型といわれればまさにその通りで、それは長い時を通してこの偉大な古典が愛されてきたことの証明でもある。無双すぎてモテすぎるオデュッセウス、やってることは今のラノベも変わらんではないか?(笑)。

上巻はこれまでの経緯がすべて語られ、さぁこれからどうなる!?というところで終わる。ここで訳者の解説が入るが、《上巻巻末の解説で下巻のネタバレをする》のはやめてほしい。有名なタイトルとはいえこれから触れる人もいるのだから……。これから読む初見の人は注意してほしいと思う。

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2022年10月13日

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ネタバレ

現代でも様々な作品で登場するアテネやゼウス、ポセイドンなどの神話世界の人物や、セイレーン、サイクロップス、スキュラなどの怪物が紀元前の世界ではどのように扱われているかを知れる。

物語の展開力も凄い。どんどん気になってページが進む。紀元前の時代の作品だと少しなめていた自分が愚かだった。

上巻では苦難が続く話がメインで、後半での逆転劇に期待してしまう。

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2020年09月09日

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『イリアス』よりもエピソードに富んでいることから、とても読みやすい。もちろん『イリアス』の続きの位置づけなので、そこからくる読みやすさもある。

訳者あとがきは本文を読み終わってから、読むと味わい深い。『イリアス』との文献学的な違いなどが話題になっているからだ。

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2020年05月19日

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ネタバレ

松平訳はギリシャ劇の形式はやや犠牲にしながらも,この大切な作品の真髄を今の私達に読みやすい形で提供してくれる。

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2020年02月29日

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最初はくどい文章で読みにくく、途中でやめようかと思ったが、読み進めていくうちにハラハラ・ドキドキするほど面白くなり、睡眠時間を削っても読みたくなるほどだった。

これは面白い!
面白いだけではなく、自分や他人の人生の振り返りと、今後の戒めに役立つ。
古典の中でも名作中の名作と言える。

読むべしっ!

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2019年12月29日

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イリアスと並び称されるホメロスの大叙事詩。オデュッセウスの試練の冒険譚と、その家族の苦難の物語が並行して展開され、尽きることない面白さです。これも、もっと早く読んでおけばよかった。

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2016年05月15日

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オデュッセウスの帰国の旅とその妻に群がる求婚者たちそれぞれの情景は生き生きと描かれている。極上のエンターテインメントでもある。女神との悦楽を捨て、巨人を痛めつけ、最後には手管も使い、妻の求婚者たちを打ち滅ぼすのが爽快である。息子テレマコスの存在も大きい。夫婦愛・親子の愛も優れて感じられる。二千数百年語り、読み継がれてきた不朽の名作である。

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2015年01月14日

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イーリアスで息子自慢ばかりしていオデュッセウスを軸とした家族の物語。

イーリアスでは男同士の生死をかけた戦を描いたが、こちらは異境をまわり、化け物にも相対する冒険譚 。

話しの展開的にはイーリアスより読みやすい気もするけれど、
トロイア戦争の知識がないと楽しめない気がする。

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2013年01月10日

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トロイヤ戦争後のオデュッセイアの冒険談。やたらややっこしい名前の神やら怪物やらが登場してきて、登場人物(?)の把握に往生しますが、オデュッセイアは運命の赴くがままに旅を進めます。ギリシャ神話の知識がないと、流石にきついかも。

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2013年01月04日

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ジョイスの『ユリシーズ』を読むにあたっての再読です。
『オデュッセイア』は、言わずと知れたホメロスの『イリアス』と並ぶ長編叙事詩。

ポセイドンの逆鱗に触れたオデュッセウスは、トロイア戦争終結後、10年もの間、苦難の冒険を続け、やっと妻子の待つ故郷のイタケ島に帰り着く。

『オデュッセイア』12110行から成る英雄叙事詩であり、『イリアス』よりのちに誕生したものらしい。

オデュッセウスといえば、トロイア戦争で、トロイの木馬と呼ばれることになる木で作った大きな馬を城内に運び込み、味方を勝利に導いた英雄である。

トロイア戦争勃発時、オデュッセウスには、若く美しい妻ペネロペと生まれたばかりの息子テレマコスがあった。
オデュッセウスは、後ろ髪を引かれる思いで出征する。
予想以上に戦は長引き、10年も続いた。
しかし、オデュッセウスは、そののち、ポセイドンの怒りはおさまらず、10年、海上及び諸国を漂流し、やっと故郷に帰り着く。

オデュッセウスの留守の間に息子のテレマコスは20歳の若者に成長し、妻のペネロペは夫の無事帰還を信じて待ち続けるが、城は厚顔無恥な求婚者で溢れ、妻子は悲嘆の日々を送っていた。
そこに、オデュッセウスが乞食の身なりで現れ、彼自身の弓で、矢を12本の斧の穴に通し、無礼者たちを格好よく成敗する。

叙事詩は、オデュッセウスの漂流中の数ある冒険談と、帰国後の彼の活躍ぶりで構成されている。

とにかくオデュッセウスは格好よく、英雄のなかの英雄であり、絵画の素材としても多く描かれている。

近世、映画として、フランシス・F・コッポラ製作総指揮で、「オデュッセイア 魔の海の大航海」が作られている。

1922年刊行のジョイスの小説『ユリシーズ』は、『オデュッセイア』を下敷きに描かれている。

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2012年08月25日

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トロイア戦争の英雄オデュッセウスが各地を漂流しながら故国イタケに帰還するまでの物語。神々の会議から巨人キュクロプスとの戦い、冥府への旅などと三千年近く前に書かれたとは思えないほど幻想的なギリシャ神話の世界が織りなされていました。ヨーロッパ文学の源流となる作品と言われ、少し堅苦しいイメージがありましたが、読んでみるとそのようなことはなく、純粋な冒険小説としての側面も持っていると思います。

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2025年08月24日

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ネタバレ

『イリアス』の後の話で、主人公はトロイア戦争に参戦したオデュッセウスである。本作は彼が故郷に帰るまでの過程を描写しているが、その一方で、彼の妻ペネロペイアと息子テレマコスとペネロペイアの求婚者たちの争いも本作の見どころである。

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2025年08月03日

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話の面白さという点では『イリアス』よりもこちらの方が取っ付きやすい。また,殺戮に対する余韻も好対照を成している。

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2024年07月18日

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謎の素性を持った主人公が旅を行い、危機を脱し帰還するまでの物語。
正直『イリアス』の方が好き。
キュクロプス、ナウシカ、セイレン、キルケなど、触れなければいけないキーワードが盛り盛り。

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2023年06月25日

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あらかじめ言うと話が特段面白いわけではない。
ただ「ドラえもん」みたいに誰もが知ってる(とされる)名作だから色々な作品の色々な場面でオデュッセイアのワンシーンなんかが引用されている。
ふと昼下がりにテレビで名前も知らない映画を眺めていたらオデュッセイアとキュクロプスの戦闘シーンが出てきて、「あ!これオデュッセイアで読んだ!知ってる知ってる!」と声が出た。
知識が別のものと結びついた瞬間って気持ち良いなと改めて思ったものでした。

また随所に出てくるギリシャ的な表現がなんだか仰々しくて面白いので要注目です。
朝が来る=朝のまだきに生まれ指バラ色の曙の女神が姿を表す 等

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2021年12月16日

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かなり久しぶりの再読になる。最古の冒険物語とも言われる本書。やはり文句なしに面白い。同じホメロスでも「イリアス」と比べて親しみやすいと思う。前編である本書の後半は一人語りが延々と続く構成だが、不思議と気にならない。

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2021年04月17日

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個人的には、イリアスの方が好みです。オデュッセウスが今一つ好きになりきれないからです。人類の生んだ傑作であるのは間違いないと思います。

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2020年09月19日

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幼い頃、私は親に、お前はオデュッセウスを知ってるか?ギリシャ神話の英雄で、20年もの間冒険の旅を続け、故国に帰ってきたんだ。人生は冒険だ。冒険をしなさい、みたいなことを言われたことがある。当時はよく意味がわからなかったが、「オデュッセウス」という名前だけが脳裏に残っていて、ずっと気になっていた。

そんな『オデュッセイア』を、このたびようやく読むことができた。
なにせ、古代ギリシャ時代の作品だし、上下巻あるし、なかなか読みにくい本なのだろうなと思って読み始めたのだが、あっさりと予想を裏切られた。訳が新しいこともあってか、とても読みやすく、ぐいぐいと引き込まれた。

冒頭は、オデュッセウスの息子テレマコスの話が中心で、彼がお父ちゃんを探しにゆく姿が描かれるが、途中から場面が切り替わって、オデュッセウスが登場して冒険譚を語ったり(これがまた、よく喋るのだ)、また夫を待つペネロペイアと彼女に詰め寄る求婚者たちの姿が描かれたりしながら、3地点の物語が同時並行で進んでゆく。まるでトランジションで切り替わる動画を見ているようで面白い。そして、下巻にいたって、その3点がオデュッセウス邸という一点に集約されてくる描き方は、古代ギリシャ時代の作品において、よくできたものだと感嘆した。

パラス・アテネの献身的な応援を受けつつも、ゼウスやポセイダオン、カリュプソ、キルケなど神々の、嫉妬や怒りや愛情に翻弄されながら続ける冒険部分は痛快だ。中でもキュクロプスやスキュレなど異形の怪物たちが行く手を阻む描写は、ゲームのようで時代を経てなお古びていない。

こんな面白い作品だけれど、とかく登場人物が多く、途中で誰が誰だかわからなくなったので、神々たちと人間たちとそれぞれ、家系図みたいな関係図を書きながら読んだ。そうしたら、恐ろしく近親相姦な図がかけてしまって、知っていたとはいえ、我ながら驚いた。

ところで、これは全編を通してのことではあるが、名詞に特定の修辞的な言葉が付く形が多用されているのは面白いと思った。例えば、パラス・アテネには「眼光輝く女神アテネ」、オデュッセウスには「知略縦横たるオデュッセウス」、言葉という単語には「翼ある言葉」や「言葉の翼をもがれてしまう」などなどである。夜が明けて朝日が昇る様は「朝のまだきに生れ指ばら色の曙の女神が姿を現す」と書かれている。おそらく琵琶法師よろしく、物語を耳で聴く際には、こうした手法が表現をよりダイナミックにし、迫力あるものにしたのだろう。一度耳で聴いてもみたいものである。

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2019年08月24日

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イリアスのような戦記ではないけどそれでも読み応えのある英雄譚。オデュッセウスの旅を通して当時の風俗や神々の捉え方が分かるので、とても興味深い。下巻も楽しみ。

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2016年01月01日

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古典だけど、登場人物に人間味があって親しみやすかったし、言葉遣いもそれほど堅苦しくない。
枕詞的なお決まりの言い回しに、様式美というか、安心感を覚える。「夜が明けると」➡「朝まだきに生れ指ばら色の曙の女神が姿を現すと」とか。
僕も眼光輝く女神アテネに勇気やら力やら吹き込んでもらいたい。

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2015年10月24日

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10年間続いたトロイア戦争が終結、帰国の途についたオデュッセウスはさらに10年の放浪の旅をすることに…。冒険譚だけに、戦争物「イリアス」よりストーリー展開が派手で、一気に読めます。3000年前の文学作品なのに、現代でも面白く読めてしまうのが凄い。現代の論理では納得の行かない部分ももちろんありますが、そうした違和感を超える普遍的な娯楽性のある作品です。全二巻。

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2020年12月18日

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古典中の古典.おそらくオデュッセイアは,我々にとっての「春はあけぼの」で始まる枕草子と同じぐらい,一般常識の根っこのところに存在していて,西洋人と話すときにこれを知っていないと色々な話についていけないように思う.
上巻は第12歌までからなるが,オデュッセウスが本格的に登場するのはようやく第5歌からであって,「どうなってるんだろう?」と我慢をしながら読み進める羽目になります.後半でようやく有名な一つ目の巨人と戦う話やセイレーンの誘惑と戦う話が出てきますが,下巻が楽しみ.

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2025年03月30日

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トロイア戦争後の、オデュッセウスの苦難の帰路。
イリアスに比べると、物語が現代的というか、読みやすくなっている気がする。
翻訳のせいかもしれないが。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

血なまぐさい戦争英雄譚だった「イリアス」とはうってかわって、戦後のオデュッセウスが散々苦労して国へ帰る冒険譚。様々な民族や怪物、海の難所を超えて最終的に部下たち全員と船を失うことになるまでを語っている。イリアスはひたすら英雄たちが戦いあって臓物やら脳、脳髄やら飛び散りまくっていたが、こちらではそういった現実的なグロ描写はかなり抑えられてファンタジー的な趣が強い。もともと神たちが人間に話しかけ、力を貸したり罰したりという世界観がベースにあるから、ファンタジーな怪物もそんなに違和感なく地続きに受け止められているのだろうか。
オデュッセウスが知恵や工夫で怪物たちに立ち向かうのも面白いのだが、長年に渡って主不在の実家を荒らしている求婚者たちにどう落とし前をつけさせるのかとか、今後同時並行している息子テレマコスの旅で青年の成長が見られそうなので下巻が楽しみ。

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2023年08月04日

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集英社 世界文学全集1、ホメーロスのオデュッセイアの代わり。呉茂一訳。
言い回しが回りくどいのが気にならなくなれば、物語として面白くなってくる。
日本の桃太郎的な存在なのかな。

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2021年12月23日

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2019.3.10
オデュッセウスは意外と人間くさいおじさんで、英雄的な肉体も知恵?ももってるけど、時折みせる部下に対する冷淡さや、強欲さ、生臭さがなんとも言えない。
ダイ・ハードの主人公みたいなもんかもしれんなぁ。

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2019年03月10日

Posted by ブクログ

ホメロス 「 オデュッセイア 」1/2

イリアスとの違い
*神が人間を助けている→神同士が対立
*ゼウスの意見が必ずしも通らない
*争いのシーンが少なく、食事や風呂のシーンが多い
*女性、女神がキーマン

争い一辺倒のイリアス とは 全く異なり、ストーリーの転回が多い

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2017年12月01日

Posted by ブクログ

トロイア戦争を描いた「イリアス」に続くギリシア長編叙事詩。まずは上巻。「イリアス」のような激しさはないが、かわりにより落ち着いた雰囲気。作品の性格が双方まったく違うのでどちらも楽しめるが、ほとんどが戦闘の描写に費やされる「イリアス」に比べ「オデュッセイア」のほうが物語の起伏が豊かで現代人には読みやすい。
ちなみに、オデュッセウスを手厚く保護したスケリア島の王女ナウシカアというのは、宮崎駿のナウシカの名前の元ネタですね。

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2014年11月19日

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