宮下志朗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
フランス文学の根底でふざけてる感じあるなと思ってたけど、ラブレーのガルガンチュア物語なんてその際たるものだな。リチャードホールの下衆ヤバ夫より下品だった。これが世界史に残る古典になるの凄いな。サドとかもフランス人だし、性的倒錯ジャンルの文学ってやっぱりフランスが凄いと思う。
フランソワ・ラブレー(フランス語: François Rabelais フランス語: [fʁɑ̃swa ʁablɛ]、 1483年? - 1553年4月9日[1])は、フランス・ルネサンスを代表する人文主義者、作家、医師。ヒポクラテスの医書を研究したことで著名となり、次いで中世の巨人伝説に題材を取った騎士道物語のパロディ -
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
うーんこうんこが延々。
フランソワ大先生の作中での設定と、史実の間の齟齬があるらしい。へー。
渡辺一夫訳の、「ヒベルニアのサフラン=Bren(うんこ)の駄洒落の可能性」説が無い。
怪物に関する解説が圧巻。
最後、うんこの呼称の羅列のところで、夥しく出る人間のやつの、excrementやdejection とか、Merde以外によく集めたなと言ふのの他に、翻訳家はそこらへんも考慮して訳さないといけないので、渡辺訳ではソレの一々へどこかの方言を引っ張り出してたが、えー。
ルクプルの対義語である独身者の呼称、 Les cul pere(ケツがつるつる)といふ、へくそくっだらないをっさんギャ -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ最近『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んだばかりなので、なんともタイミングの良いモンテーニュの一言と出会ったことになる。
”最悪の場合には、つねに支出を切りつめることで、貧乏の先手を打て。”
ところがキケロの言葉の方が刺さったな。
”裕福さの程度というのは、収入の多寡ではなしに、食事や暮らしぶりによって計られる。”
これは贅沢をしろということではなく、足ることを知る心の裕福さということ。
”恩義という負債は、返済されることはあるかもしれないけれど、完済はありえないのである。”
これは心に刻んでおくべき名言ですな。
軽々しく「借りは返したぞ!」なんて言ってはいけないですね。
困っているときに助 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一番難しいと言われている巻、一番厚い巻を乗りこえて、気持ちが切れたのでしょうか。
ずいぶん時間がかかってしまいました。
しかし、読み終わってみれば、今までで一番エッセイ集らしい巻だったかもしれません。
”他人の称賛を根拠にして、それが徳の高い行為の報酬なのだと考えるのは、あまりに不確実にして、あやふやな土台にもとづいている。とりわけ、現代のような、腐敗した、無知な世の中にあっては、よい評判はむしろ有害でさえある。”
好感度の高い人ほど、何か失敗した時の風当たりが強烈な、21世紀の日本について書いているようだけれど、500年前のフランスなんですよね。
人間社会って進化しないものなのかなあ。
-
Posted by ブクログ
ネタバレモンテーニュにとっての『栄光』とは、今でいう『矜持』とか『プライド』のようなもののような気がします。
”われわれが、正しくふるまうというルールを自分自身のなかから引き出さないならば、そして、罰せられないことが正義だというならば、われわれは毎日、どれほどの悪事に耽るかしれない。”
”神という目撃者が、つまり、わたしが思うに、自分の良心という目撃者が存在することを、忘れてはいけない”
これは『四知』ですね。
天知る、地知る、我知る、君知る。
誰にも知られないということは、ない。
”われわれは、自分のことが話題になるのが気になって、いかに語られるのかは、あまり気にしない。自分の名前が人々の口か -
Posted by ブクログ
ネタバレ白水社の『エセー』全7巻の折返しの第4巻にして最難解と言われる「レーモン・スボンの弁護」収録のこの巻。
これを読み終わったら肩の荷が少し降りるような気がして、気合いを入れて読み始める。
「レーモン・スボンの弁護」とは、理性によって信仰を立証しようとしたスボンの論をモンテーニュが弁護しようとしたものである…はず…なのだけど、気がつくと神に選ばれた人間という存在=特権的存在を徹底的に否定している。
あれれ?
もしかしてこれは「レーモン・スボン(から)の弁護」ってことなの?
”人間にとっては、自分はものを知っているという思いが疫病神となる。だからこそ、われわれの宗教は、無知なることを、信仰と服従 -
Posted by ブクログ
ネタバレ後半の方が興味深いテーマだったのだけど、何でだろう、なかなか文意が頭に入ってこない。
というわけで、付箋は本の前半ばかりでした。
”徳とは、色鮮やかで、強力な染料なのであって、魂が一度それにひたされると、あとはもう、魂もろともはぎ取らないかぎり、その色が落ちることはない。したがって、ひとりの人間を判断するためには、その足跡を、長期にわたり、丹念にたどる必要があるのだ。”(われわれの行為の移ろいやすさについて)
得ではなく徳を行動原理にしたいと常々思っていますが、難しいですね。
自己中ではないつもりですが、好き嫌いが徳の足を引っ張るのです。
精進しなくては。
”酒を飲む快楽というのは、人生に -
Posted by ブクログ
ネタバレ全体として、ギリシャ・ローマ時代の偉人の言葉を引き合いにして語られるモンテーニュの思想は、哲学より歴史の面白さを感じられる。
フランス語で歴史をなんというのかは知らないけれど、英語のhistoryとはまさに、彼の話ってことで、何年に何があったかではなく、だれがいつ何をしたかってことなんだな。(中国の歴史もそうだよね)
”洋服がわれわれを暖かくするのは、その熱によってではなく、われわれ自身の熱によってであり、洋服は、その熱を大切に保ち、はぐくむのに役立っているというのと同じだ。”
第40章「幸福や不幸の味わいは…」に書かれているように、自分を幸福にするのか不幸にするのかは自分次第。
同じ体験 -
Posted by ブクログ
ネタバレいやいや、とんでもないものに手を出してしまいました。
私が一番信頼している読書系サイト『本が好き』でさえ、フレイザーの『金枝篇』を読んでいる人はたくさんいても、この本を読んでいる人が一人もいない!
だれだよ、私にこの本勧めたの。
第1巻は25章に別れていますが、20章を読み終わってまだ半分くらい。
最初の方はエッセイと言うよりも、哲学や歴史についてを読んでいる気がしました。
塩野七生の『ローマ人の物語』、ダンテの『神曲』、佐藤賢一のフランス史物などを読んでいたおかげで、思ったほどつらくはありませんでしたが、やっぱり知識の不足が残念だなあ。
”わが国では、分別(サンス)がない人間のことを