あらすじ
「人間はだれでも、人間としての存在の完全なかたちを備えている」──不寛容と狂気に覆われた一六世紀のフランスを、しなやかに生きたモンテーニュ。本を愛し、旅を愛した彼が、ふつうのことばで生涯綴りつづけた書物こそが、「エッセイ」の始まりだ。困難な時代を生きる私たちの心深くに沁み入る、『エセー』の人生哲学。
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Posted by ブクログ
エッセイという言葉の語源となった「エセー」という本を書いた、モンテーニュについて語った本ですね。「エセー」には興味がありましたが、超大作でもあり、かつ翻訳も値段が高いので、なかなか読むにはハードルが高い本ではあります。その中で、作者のモンテーニュ自身について書いた新書があると知って読んでみました。
「エセー」がどのように書かれたのかという事が、時代背景も含めてよく理解できますし、随所に「エセー」に書かれた金言もたくさん載っており、手軽に「エセー」のエッセンスに触れることができるので、とても良い本だと感じました。
「エセー」本編も、いずれきちんと向き合いたいなと思います。
Posted by ブクログ
人間らしいありのままの自由な姿を、エセーの内容や彼の書き方から感じ取ることができた。自身の文化や価値観を正しいものであると決めつけるのではなく、他者の差異を認めるという部分は現代社会で生きる我々にも通じるものがある。また、モンテーニュの気ままに読み、飽きたら違う本を読むという読書法にも興味を持ち、実践していこうと思った。
Posted by ブクログ
著者の〝モンテーニュ愛〟がほとばしる一冊。随分前に購入したが積読のままの『エセー』をやはり読まないと…という気持ちになった。隠棲者のイメージがあったモンテーニュだが、社会的な活動をいろいろしていた人だと知る。彼のもって回ったような込み入った言い回しは影響力の大きさを自覚してのことか。その中の芯になる考え方は共感できるものが多い。