宮下志朗のレビュー一覧

  • モンテーニュ 人生を旅するための7章

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    エッセイという言葉の語源となった「エセー」という本を書いた、モンテーニュについて語った本ですね。「エセー」には興味がありましたが、超大作でもあり、かつ翻訳も値段が高いので、なかなか読むにはハードルが高い本ではあります。その中で、作者のモンテーニュ自身について書いた新書があると知って読んでみました。

    「エセー」がどのように書かれたのかという事が、時代背景も含めてよく理解できますし、随所に「エセー」に書かれた金言もたくさん載っており、手軽に「エセー」のエッセンスに触れることができるので、とても良い本だと感じました。

    「エセー」本編も、いずれきちんと向き合いたいなと思います。

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    2022年04月06日
  • モンテーニュ 人生を旅するための7章

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    人間らしいありのままの自由な姿を、エセーの内容や彼の書き方から感じ取ることができた。自身の文化や価値観を正しいものであると決めつけるのではなく、他者の差異を認めるという部分は現代社会で生きる我々にも通じるものがある。また、モンテーニュの気ままに読み、飽きたら違う本を読むという読書法にも興味を持ち、実践していこうと思った。

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    2021年07月24日
  • エセー1

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    コロナ禍で読書の時間が増え、この機会に古典を読んで有意義な時間を過ごそうと手に取った1冊。読みやすさを重視した翻訳に助けられ、楽しく読み切ることができました。とても16世紀に書かれたとは思えない、現代にも通ずる本質を見通したご意見の連続で、まさに今語りかけられているような気持ちになります。この1巻で特に印象に残ったのは哲学と教育に関する章。哲学は本当は陽気で元気いっぱいで楽しくて茶目っ気たっぷりのものと説いたり、教育は子どもの自発性を促すものと説いたり、当時の主流に対するアンチテーゼを提示している点が興味深かったです。

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    2020年09月13日
  • モンテーニュ 人生を旅するための7章

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    著者の〝モンテーニュ愛〟がほとばしる一冊。随分前に購入したが積読のままの『エセー』をやはり読まないと…という気持ちになった。隠棲者のイメージがあったモンテーニュだが、社会的な活動をいろいろしていた人だと知る。彼のもって回ったような込み入った言い回しは影響力の大きさを自覚してのことか。その中の芯になる考え方は共感できるものが多い。

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    2020年05月10日
  • モンテーニュ 人生を旅するための7章

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     人間・モンテーニュについて書かれた本書。

     著作「エセー」についてしかめつらしいものだろうと、本書を読むまで考えていた。

     しかし、そんな重々しいものではなく、ライトなものだと知った。
     
     改めて、「エセー」に取り掛かってみようと思う。

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    2019年10月27日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    ネタバレ

    久々のバルザック。短編4編と評論1編。
    本題に入る前の前口上も楽しい。「心して読め!」と
    作者からくどくどと言われる感じ。

    『グランド・ブルテーシュ奇譚』はちょっと怖い
    大人の童話っぽくもありました。いやー怖かったです。

    評論は「書籍業の現状」では十九世紀における
    「コミュニケーションの高速化」の影響に言及している。
    この高速化は現在もますます加速していて最後には
    どうなるのかとふと思う。

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    2016年10月15日
  • エセー7

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    『エセー』の最終巻。晩年のモンテーニュが、肉体的にも精神的にも、意気盛んであったことがよく分かる。国は宗教戦争のさなかにあり、自身もそれにかかわりながら、『エセー』を書いている時は、いつものモンテーニュであり、それは最後まで変わらない。自らの慣習に忠実に、食べ、飲んで、眠っている。抑制することもなければ、過激になることもない。悟りすましたりもしない。人間歳をとり、死が近づいてくると、何かに頼りたくなるものだが、モンテーニュは自身の経験をしか頼らない。しかも、頑迷ではなく、融通無碍に晩年に対処している。見習いたいものだが、なかなかこうは生きられない。達人の域である。長めの章立てが、ぱらぱらと読む

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    2016年05月19日
  • エセー1

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    16世紀に書かれたモンテーニュの随筆。根が暗いのでこれを読んで以来「人生に、ふんわりとした平静さ」をもたらす為に夜な夜な死について考えてる。

    第19章「哲学することは、死に方を学ぶこと」
    死に方を学んだ人間は、奴隷の心を忘れることができた人間なのだ。

    人生を大いに謳歌したというなら、もうたらふくいただいたのだから、満足して立ち去るがいい。

    人生は、それ自体は善でもなければ、悪でもない。お前のやり方次第で、それが善の場ともなれば、悪の場ともなるのだ。

    人生の有用性とは、その長さにではなく、使い方にある。

    死んで不幸になった人間を、見たことがあるか?

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    2015年08月10日
  • エセー2

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    モンテーニュの著作はまるで長い時間を共に苦労した旧友に出会えたような気分にさせてくれる。

    無知な人の信仰心、中途半端な人の無神論、そしてさらに崇高な人の深みを増した信仰心。

    30歳を過ぎて、心身ともに増えるよりは減った。前進するよりは後退した。なるほど時間を上手に使う人は年と共に知識なり経験なりが豊富になるかもしれない。でも活発さや敏捷さ、それに粘り強さなど人間本来のとても大切で欠かせない能力は色あせて衰えていく.

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    2015年07月31日
  • エセー1

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     第二十五章 衒学について

    (a)われわれは他人の意見や知識をしまっておく。そしてそれでおしまいである。だがそれをわれわれ自身のものにしなければならぬ。われわれは、火が必要になって、隣にもらいゆき、そこに火がたっぷり赤々と燃えているのを見ると、腰を据えて温まり、自分の家へ火を持って帰るのを忘れてしまう人によく似ている。(中略)ルクルスは戦争の経験がないのに、書物を読むだけであれほどの偉大な将軍になったが、はたしてわれわれのようなやり方で書物の知識を身につけたのだろうか。


     読書を習慣とするものは、みな多少なりともこの文章にドキリとするのではないだろうか。読書は他人の頭脳を借りる行為である

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    2011年10月16日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    グランド・ブルテーシュ奇譚
    ことづて = Le message|| ファチーノ・カーネ = Facino Cane|| マダム・フィルミアーニ = Madame Firmiani|| 書籍業の現状について = De l'etat actuel de la librarie

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    2011年10月02日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    バルザックの本を初めて読んだ。5篇の短編集で一番気に入ったのはファチーノカーネかな。それ以外も読み応えはあったけど、エンディングが結構童話集でお決まりのパターンという感じのものが多かった。でも内容の節々に哲学的な要素が含まれていて、マダムフィルミアーニに至ってはかなり特殊な始まり方をしていて私にとって新鮮に感じられた.

    一つだけエッセイが載っていた。19世紀のパリの書籍業についてでもっともな批評が書いてあった。

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    2011年03月09日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    『グランド・ブルテーシュ奇譚』という短編ののっけから、
    ホラーでぶっとぶような話。
    ≪人間喜劇≫と解説ではあるけど、どちらかというとトラジティー寄りではないかと思う。

    グレート・バルザック。

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    2011年02月21日
  • エセー1

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    エリック・ホッファーが暗記出来るほど読んだという事で手にしたのですが、面白いです。 難しくなく、スッと入れるのは翻訳家の方の努力の賜物だと思います。

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    2010年12月05日
  • エセー1

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    だいぶ前の事だが、翻訳という技術が全く情けないものになったと誰かが嘆いていたが、最近の翻訳者たちはすごいのではないか?宮下訳のエセーも従来にない読みやすさがある。第1巻でも全部読めたのは訳者のおかげである。

    「死など恐ろしくはない」といいながらいつも死について考えているモンテーニュがなんとなくおかしいなどど思いながら読んだ。

    英才教育を受けフランス語よりラテン語を得意としたモンテーニュという人となりも考えさせられるものがあったし、若くしてさっさと隠居し、塔にこもって出てこない館主のわがままを支えた人たちの事も想像してみたくなる。

    現代では、隠居しても、こんなわがままはとても通らないのは言

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    2010年11月20日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    「ゴリオ爺さん」以来のバルザック。
    四篇の中では、面白かった順に、「マダム・フィルミアーニ」、「グランド・ブルテーシュ奇譚」、「ファチーノ・カーネ」、「ことづて」

    「マダム〜」は、ここまで絶賛される女性が実在するならば見てみたい。マダムに感化されて、オクターヴ・ド・カンが高潔な精神を発揮し、一旦は一文無しになるものの、ハッピーエンドを迎えるのは、気持ちよく読めた。

    それに対して表題作の「グランド〜」は、恐ろしい、のひとこと。神に誓うことの重要性は、一神教徒でない自分にはなかなかピンと来ないが、妻の情事に気が付いた夫の意趣返しの醜悪さたるや。

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    2025年11月22日
  • パリ歴史探偵

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    パリを歩いた10年前を思い出す。そしてまたこの本を片手にパリを歩きたい。本の中で紹介されているパリを舞台にした作品もみてみたい。パリの新たな魅力に気付かされる一冊。

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    2021年09月12日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    19世紀フランスの作家バルザック(1799-1850)の短編4編と評論1編。大都市パリの喧噪と汚濁に塗れながら、もはや「回帰すべき田園」も無ければそこで幻想されていた「人間の本来性」なるものも喪失してしまっていることを痛切に認識し、近代社会という暴力的に運動する機構のなかで落魄した群衆の匿名的な情念と生理の有象無象それ自体のうちに何か美的なものを見出す新たな美意識を、ボードレール(1821-1867)に先駆けて描いている。この現代的な美意識にあっては、ギリシア以来古典的な「真-善-美」の三位一体が解体されている。

    「英雄や発明家、街の物知りや、ごろつき、悪人、有徳の士や背徳者。だれもが貧困に

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    2019年04月27日
  • ガルガンチュア ガルガンチュアとパンタグリュエル1

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    ネタバレ

    屎尿 異常な数字、当時のキリスト教会に関する痛烈な罵言、そして凄まじい名詞の羅列、などなどで有名であるが、このIDとしては、ラブレー第三とか第四の書で登場する、ナントカマンシー(腹話術占い 斧占いなど)が目を引く。

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    2018年02月12日
  • グランド・ブルテーシュ奇譚

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    多数の作品から成る『人間喜劇』より厳選された
    短編4編+評論「書籍業の現状について」を収録。
    「早過ぎた埋葬」(!)系の表題作が猟奇的だが、
    それにしても、この時代(19世紀前半)のヨーロッパでは
    上流階級の人々が配偶者に隠れて若い恋人とあれやこれや……は
    普通のことだったんだろうかと首を傾げる。
    きっと珍しくはなかったんだろうな――と思っていたら、
    巻末の年譜にバルザック自身の「あれやこれや」が記されていて
    笑ってしまった。
    未亡人を口説いている最中に
    家事を引き受けてくれたメイドさんのような女性と「できちゃって」
    いただとか、やりたい放題。
    人生の経験値が高ければ、それだけ
    様々な人物造形

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    2016年07月11日