鈴木宣弘のレビュー一覧
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食の安全が脅かされる今、自衛の方法を考えてみた。乳製品は一切とらない(飼料が遺伝子組み換え作物の可能性大)肉類は一切食べない(餌が怪しい)。魚介類は天然ものを少しいただく。米と野菜は高くても国産。どっちみち食べ過ぎは万病の元だからいいもの少し。さて、これは自分や家族にはいいけど、自分たちだけよければそれでいいのか?というジレンマに悩ませられる。日本で食肉や漁業酪農は従事されている人たちや、長いデフレが続き所得も上がらず、自由化だか規制緩和か知らんけど定職に就くのが難しい今、安心をお金持ちしか手に入れられない国のありかたって。主権国家に必要なものは国防とエネルギーと食。今、食も外国に委ねてしまう
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タイトルの通り「食」という戦略物資をめぐる戦いについて書かれている。各国の思惑と日本の取るべき道について常識にとらわれず、データを読み解きながら考えていく。
そもそも日本は、おおよそ食料関係の関税が高くなく(一部の農作物を除く)、農家への保護も手厚くないという。それは、我々の常識とは全く異なる現実であった。そして、欧米諸国の食に対する戦略的政策を知るにつれて、日本の無策を嘆きたくなってくる。
国家存立の三本柱である軍事、エネルギー、食料の自立なくして、日本の真の独立はないという気持ちを強くした。エネルギーの自立に関しては、藻谷浩介氏の「里山資本主義」にヒントが提示されている。また、本書で書 -
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ネタバレチェック項目3箇所。「食料は軍事的武器と同じ『武器』であり、直接食べる食料だけでなく、畜産物のエサが重要である。まず日本に対して、日本で畜産が行われているように見えても、エサをすべてアメリカから供給すれば、完全にコントロールできる。これを世界に広げていくのがアメリカの食料戦略だ」。スイス国民経済省農業局からは、スイスの消費者は「スイスの農産物は決して高いわけではない。安全安心、環境に優しい農業は当たり前であって、我々は多少高いお金を払っても、こういう農産物を支えるのだ」と納得しているとの説明があった。食料自給率のさらなる大幅な低下を招き、食の安全基準のさらなる緩和をも求めるTPP協定が、日本の
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日本の農家の平均年齢は2022年の時点で68.4歳。農家崩壊のスピードは加速していて、現状の農家経営の存続自体、難しい状態が続いている。
これは自分の問題としても捉える必要がある。
作り手がいなくなったら、食べるものがなくなるということ。
少し高くても農家を応援し、みんなで農家を支える必要がある。
また、酪農家の倒産、廃業も相次いでいる。
食料を輸入に頼っているのも怖い。
安全性の問題、食料が買えなくなる危険がある。
農薬、防かび剤、遺伝子組み換え作物等、危険な食糧の輸入。安いからと購入しないこと。
遺伝子組み換え作物のトウモロコシや大豆をアメリカから最も輸入しているのは日本で、一番食べている -
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タイトルや見た目のおじさん臭さに反してくだけた感じの対話形式の文でとても読みやすかった
なので今の日本の食糧事情こんなことになってるんだ!という知識として特に首都圏の人達が読むといいかもなーの内容でした。
読んでいると日本…いい加減にしてくれよ…と嘆ざるを得ないほど官僚が嫌いになります。
もう敗戦した時点で日本ではなくなったんだなと思うので私は生まれも育ちもアメリカ国民の貧困層なんか?と極端なことまで考えてしまった。
すでに田舎暮らしで畑を持っているけれど都会にいる時はモノや情報や人で溢れていて流れも早くて、食べ物についてマジメに考えたことなかった。
考えなくさせられてたのかもなとも思います。 -
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農業がこの先すぐに消滅するか、といわれるとそんなわけないのだが、就農者の高齢化、気候変動、燃料/輸入肥料・資材の高騰、種苗改正と自家採種・開発品種の権利保護、輸入農産物の安全性、またコロナ禍による米価下落と保証システムの落とし穴(普通に運用すれば、最低価格ラインもなく漸減していく危険あり)などトータルで考えれば、近い将来この国に飢餓が発生する可能性はゼロではない。
筆者は農業経済を研究し、FTA交渉の最前線に立ち、農業政策立案の政府ブレーンとして働いた経験から、他国相対的で決して保証が手厚いわけではない農業政策の問題点を指摘する。アメリカが大規模効率化とともに手厚い収入保証、コロナ禍における -
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日本には地域各地に独自の農林水産業がある。であるからこそ、地域の食、日本の食が守られ、地域の関連産業や地域コミュニティが成立するのである。様々な面で日本を支えている農林水産業だが、全く蔑ろにされているのが現実。欧米では、国内の余剰製品は政府が買い入れ、過剰在庫が生じれば輸出補助金により輸出する。世界の農林水産業は手厚い保護で守られているのだ。加えて農作物輸出大国といわれるアメリカやオーストラリアは、食糧生産に戦略的な位置づけを行い国全体で支援を施している。国内供給以上の増産は、世界をコントロールするための武器として利用するため。競争力があるから輸出をしているわけでは決してない。根拠をしっかり積