長谷川圭のレビュー一覧
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興味深いお話であった。
森林管理者として、樹木たちを見続けてきた作者の言葉が
心にささる。気づかされる。
「問うべきは、人間が必要以上に森林生態系を自分のために利用していいのか、
木々に不必要な苦しみを与えてしまってもいいのか、ということだろう。」
原生林の木々の力。
人間が手を加えることによって里山、木々は整っていくものと思っていたが、
どうやら違うのかもしれないと、この本をよんで感じました。
樹木同士の助け合いや生存競争。動物、菌類、気候などなどとの関係。
繊細であり、たくましくもある樹木達の自然界での営み。
興味深く読んだ。
「ポンプとしての森」はとても興味深く。
地球での樹木の役割 -
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Posted by ブクログ
私が「フロー効率」という言葉を知ったのは、 @i2key さんのスライドからだった。
その参照元である「This is Lean」がついに日本語訳された。
一次ニーズが満たされないことにより発生する二次ニーズ。ふと立ち止まって考えると、我々が日々汗水を垂らして時間を費やしている仕事は、大半がこの二次ニーズを満たすことに終始しているのかもしれない。
元本を返済することができず延々と利子を支払い続けるリボ払いのようなもので、そんな仕事と「ブルシット・ジョブ」の間にはあまり距離がないように思える。
リソース効率が悪なわけではなく、時と場合により重視する効率のモードを変えること。リーンでは、原則とし -
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かつては光り輝く新星とみられたIT企業が、いかにして巨大化し、膨大な力を得たのか、その弊害と対策まで網羅した本になっています。
こういう本は得てして反トランプの意見ばかりということもありますけど、この本は民主党政権時代の問題も書かれています。
同時にデータやプライバシーに対する姿勢でなぜGAFAを規制しようという意見が出てきているのかもよくわかります。
非テクノロジー産業にテクノロジーが浸透したことにより人の仕事に技術が取って代わりつつあるのを見ると、「現代経済学の直感的方法」で資本主義の問題点として「縮退」という概念が説明されていた点と重複していて、2020年代どうするのか対処が必要になるで -
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最近読んだ本の中で最も印象に残る一冊。特に第13章「新たな世界大戦」は説得力がある。二面市場という言葉があるが、実は二面ではない。二面市場のうち、プラットフォームと利用者の関係はデータという原料を調達する側と供給する側の関係に過ぎない。しかも、情報提供の対価として無料サービスが提供されているが、情報獲得のメリットは価格ゼロを上回り、プラスαの価値を創出している(取引価格は利用者から見てマイナス)。また、企業とプラットフォームの関係が市場として成立しているのだと考えられる。しかも、プラットフォームが企業に提供するデータは非公開のアルゴリズムによって調整されており、情報の非対称性が大きく、プラッ
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今、社会はさまざまな情報で溢れている。
SNSの普及により誰もが発信源となりうる。
それゆえ、情報の中には根拠のないもの、誤ったものなど迂闊に信じるとよくないものもある。
人間は自分の好きなもの、都合のいいものだけを見聞きし、
嫌いなもの、都合の悪いものには気づかないふりをしたり、
或いは攻撃的に否定しようとすることもある。
地動説を誤った学説としたり、
思い込みや正しくない捜査手法により犯罪者扱いされる人が出たり、
根拠のない「〇〇療法」を信じ健康を損ねる人がいたり。
人類は長い歴史の中で、誤った思考により数々の問題を起こし、
惑わされる人を生み続けてきた。
災害時に発生しがちなデマも -
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Posted by ブクログ
日本ではあまり大きく報道された感じがしないVWのディーゼル排ガス不正問題に関する本だが、VWの歴史、そして、VW創設者であるフェルディナンド・ポルシェの孫でVWのCEOであったフェルディナンド・ピエヒやその一族のVW支配の実態なども詳しく記されていて、VWが不正を働いた背景・遠因が分かるようになっている。
VWの不正が発覚するきっかけとなった路上実験の話も面白いが、不正発覚後も非を認めて改善しようというのではなく、むしろ、隠蔽工作に走ったり、現場の責任にして「私は知らなかった」と口をそろえる幹部たちなど、その闇は深いと感じられた。
それにしても、クリーン・ディーゼルが全然クリーンじゃなかったの -
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