あらすじ
食べることのよろこびは、口の中ではなく、ほとんど頭の中で生まれている。とくに重要なのは「皿の外」にある要素だった!
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Posted by ブクログ
イグノーベル賞を受賞した知覚研究者による、単純な味覚以外の要素で料理の味が変わる研究について
「ソニックチップ」という、ポテトチップの食べる時の音を操作するだけで、よりサクサクで新鮮に感じるといったように、食べ物それ自体の要素以外で食べ物の味の感じ方が変わる実例がたくさん記載されていて、飲食店経営者にとっては一読の価値はあると思う
人間の感覚は、いい加減というか複雑というかといったことの示唆に富んでいて、味覚以外も同様だと考えるととても凄い内容である
Posted by ブクログ
味覚についての真実が書いてある本。
味覚というのは、他の感覚からの影響が大きく、人間は味覚だけでおいしさを感じているわけではない。
著者のチャールズスペンスはポテトチップスの噛み砕く音を増幅することで美味しく感じるという研究でイグノーベル賞を受賞した。
それだけ聞くとくだらない印象を拭えないが、この本の文脈ではとても意味のある研究であることがわかる。
スタバのような「個人化」もおいしさを増幅する一因で、個人化によって満足度が増幅するのは味覚だけでなくあらゆる業種につながることが示唆的であると感じる。
Posted by ブクログ
めっちゃ面白い。
最近は、小説以外は少しビジネス寄りな本しか読んでいなかったのですが、この本のように、日常で過ごす時間が楽しくなるような本も大好きです。
こんなにドッグイヤーをつけたのは、『物価とは何か』以来ですね。
毎日する食事ですが、どれだけその食事に意識を向けていないのかに気づけました。
食事は単なる栄養摂取だけではない。
それでいて楽しいものにするための科学的な実験や研究もすごく面白かったです。
Posted by ブクログ
味覚以外の感覚で「おいしさ」を科学的・実証実験などを交えて解読していく一冊。五感以外にも機内食やソーシャルダイニング、個人食といった章の構成があるところも興味深い。
特に手触り・口当たりについては今後食のキーワードになっていく(むしろもうなっている)ように感じている。
自分が料理をすることが割と好きなのも「イケア効果」によるものだったり、そもそもも「おいしさ」の探究に興味があるからなんだと思う。
Posted by ブクログ
著者は、ポテトチップスをパリパリという音を聞きながら食べると美味しく感じる、ということを発見してイグノーベル賞をとった人。
食の喜びは味覚だけではなく人間の五感すべてが影響して脳の中で生まれることを多角的なアプローチで解説している。嗅覚や視覚が影響するのは知っていたが、音やカトラリーの手触りなども重要な要素であることは知らなかった。特に音との関係は面白く、新たな知見がたくさん得られた。
後半のモダニスト・シェフたちの、食事の提供を超えて総合芸術といえる試みは興味深いが、あまり体験してみたいとは思わない。
Posted by ブクログ
普段何気なく感じている美味しさ、実は味以外の様々な要因に影響を受けているということを、実際の事例を交えて教えてくれる本。
美味しいものが溢れた時代、飽食の時代に、新しい価値をつけるならば、ガストロノミーは必須なのかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
おもしろい!
いろんなことに影響されて食事を楽しめているし、将来それをさらに増幅させる技術も生まれるかも。多くの感覚器をつかって食べたものが記憶に残る食事じゃないかなと思った
Posted by ブクログ
料理×行動科学×心理学=ガストロフィジクス!
面白かったけど、本書の中で挙げられる「ファットダイニング」のような音楽などを使った「マルチセンソリー」なレストランってないよなあと思っていたら、日本食こそがすでにマルチセンソリーなレストランだったというオチが訳者あとがきで明らかに。なるほど!
Posted by ブクログ
前半は面白かった。
実生活にも役立てられそうな内容もあった。
ただ、後半に行くに従って、奇妙喜天烈な食を試す先進的すぎる人々が登場して、「奇妙だなぁ」としか思わなくなった。
Posted by ブクログ
前半は人がどう味を感じるのか?や些細な変化で味が変わる。などといったマーケティングに役立つことがかいてある。
後半は様々なレストランの取り組みを書いてある。
結局それぞれの地域や国の慣れ親しんだ「安心」する食事が1番なんだと思った。日本で言うなら白米、味噌汁、焼き魚を家族で食べる。の様な。
参考列が全く馴染みのないものばかりなので全然想像できなかった。
なんとなくわかっていることばかりであまり参考にはならなかった。
個人的には変な事はせずいわゆる「普通」が1番いいんだと思った。
Posted by ブクログ
食事は口の中だけで行われているのではない。私たちが食べ物から得られる喜びは想像できるよりも、はるかに大きく、私たちの主観に左右される。本書を読むことで、あなたはガストロフィジックスの素晴らしい世界に足を踏み入れることになるだろう。
とのこと。
メモ
・私たちの気分は食事体験を左右する最も重要な要素
・ガストロフィジクス 新しい食の科学
・香りは二種類あり
Posted by ブクログ
香り、色、音、皿の形、音楽など、下の感覚以外の刺激によって料理の味がどんな影響を受けているのかを、いろんな実例とともに紹介されている。
ガストロフィジックス(食の物理学)というよりは認知心理学や行動科学に寄った内容のように思う。
ほお、なるほどと思うような話から、章を進むにつれて内容は前衛的になってゆく・・・
Posted by ブクログ
最初は正直、つまらなくて読むのを挫折しそうになりましたが、<第6章 雰囲気>と<第9章 記憶>は割と面白かったです☆
食品ではなくパッケージに香りをつけた方が良いという話や、ポテトチップスの袋がガサガサする理由が意図的である点、インドの人が手を使わずにご飯を食べると料理が味を失うと言った話、ハードロックカフェがテンポの速い音楽を大音量で流す理由などなど、いろいろと面白い話がありました。
ただ、僕が一番印象に残ったのは、料理がある程度のクオリティを担保していたら実はもう記憶という観点で言うとそれ以上はそれほど重要じゃなくて(食べるという行為にそこまで人は意識を集中させなくなる)、それにプラス、何かしらの感情の動きが無いと人々の記憶に残ってまた行きたいと思ってもらえないという話。この考え方は、何も食べ物だけの話じゃなくて、仕事も含めたいろいろな事に通じるものがあるような気がして、いろいろと参考になりました。
どうしても専門職の人は独りよがりになりがちですが、最終的にどういった結論を下すのかは別にして、とにかくまずは、潜在的な事も含め、相手が本当に求めているものは何なのかを 真摯に考える事が重要だと思いました☆…って別に、そういう事を書いた本では無いですが(笑)。