佐藤可士和のレビュー一覧
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深く深く物事を突き詰めていくと、ある瞬間に、ぽんと突き抜ける瞬間があります。まるで雲の上から首が出るような状態で、視界が一気に開けます。
p19
大学院の2年間は、突き抜ける瞬間に出会えた経験した貴重な時間でした。
自分の設定したテーマから仮説を立て、実験し、考察する。単純作業を繰り返し、頭が沸騰するくらい"考えに考えを重ねて"いく。
すると、ある時、あれ?と不思議に思うほどうまく周り出す瞬間に出会います。
当時は上手くいったとしか考えませんでしたが、
それが"突き抜ける瞬間"だったと思います。
また、こうした瞬間に出会うためにも、深く考え、行動していくことが大切だと思います。
こうした事が読んでいると振り返れます。
また読んでみたくなってきました。 -
Posted by ブクログ
仕事をしているときに、「本当にこれでいいのか?」とか、
「納得いかない」等必ず疑問として抱く感情、
そして、何か行動を起こそうと思っていても何かに憚られているような気持ちになり、物事のせいにしてしまって、後悔する人。
などなど、ビジネスマンの「あるある」と思わせる内容を打破させるような本。
最初に、佐藤可士和氏の実体験をふまえた上で、本書が始まるのであるが、セス・ゴーディン氏の著書を和訳した本にしては、大変読みやすく、また自身の身をつままれるような内容が多く、新しい行動を起こそうと思える。
今まで読んでいた、何を言っているか分からないビジネス書よりも、ビジネスの本質を捉えているように思えた。
和訳も素晴らしいが、簡易的に伝えるセス・ゴーディン氏の著書も秀逸だと思われる。 -
Posted by ブクログ
ブランド戦略ということで少し興味がわいて今回こちらを選びました。
いいものを作っているだけでは売れない。
存在価値や意義をきちんと伝えないと売れない。
この冒頭から始まるメッセージに既視感を感じました。
それは会社員で結婚式のプロデュースをしていた時代のこと。
良いことをやっていても、よいものを提供していても、それを世の中に伝えて世の中に支持されないと意味がないという壁にぶち当たった時です。
だからこそ興味を惹かれたのかもしれません。
本質的価値を見極めることは、インサイトと似ているのかもと思います。
本人も気づいてないところに価値を見出す。
一般的なイメージと、そのものの価値。
それを見極めること、考え抜くこと、それが必要なのだと思います。
そして印象的なのは、つくることより守ることの難しさ。
そこにあぐらをかいてはいけない。
守る努力をする。崩れる時は内部から崩れる。
その言葉や自分たちの自覚や誇りを持つこと。
そんな自負心をもって、でも驕らずにい続けること。
これはブランドにも、人としての自分自身にも言えることだなと思いました。
今治タオルの今治も、読めないかもよ?とリフレーミングされて視点をフラットに持つこと。
お客様の視点を持つこと。そういうひとつひとつが、企業努力と呼ばれるものや、
守るためのことなのだと思います。
今あるものに疑問を持たずにいることは衰退と同じです。
常にこれで伝わるか?伝えたい価値が伝わるか?
そんな客観的視点はなかなか持てないから見る癖をつけたりしながら前進していこうと思えました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ現状、部下から上手く報告が上がってこない状況ならば、報告してねと声かけながらも、上司からタイミングよく声をかけてみるという方法はすぐに試したい。
以下、本文より
スタッフたちが日常的に働いている場に「僕が」ふらりと行き、立ったまま、その場で進捗状況を確認していく。これを毎日やる。
スタッフのスケジュールを把握して、タイミングよく声をかけていく。あるいは声をかけてもらうようにする。
人を使う立場になったとき、事前に報告や相談をすることを、なかなかやってもらえなかったのでした。待っていても途中の経過報告が来ない。結局、上がってきたものがイメージと違っていたということが何度もあり、、。
打ち合わせの合間に少し時間を空けて、「どう?」「できてる?」「チェックするものある?」と声をかけていきます。どんどん見てアドバイスしていく。一人につき、2、3分。これを積み重ねていくのです。
常時コミュニケーションができる環境を作れば、仕事の効率は一気に高まる。 -
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本書を読んでまず感じたのは、近年の学校の在り方や学生の学び方が随分自分の若い頃とは変わったなという点である。これは慶応SFCだからなのか、総合政策学部とか、環境情報学部といった学部の特徴からきている独特のものであるのかもしれないが、この様な環境で、本書に記載されている授業を受けている学生が非常に羨ましい。少なくとも私の在籍した大学は考える・学ぶというよりも「教わる」感覚の方が大きかったし、学部的に法律がメインであったため、判例を片っ端から記憶し、当てはめ直す=神経衰弱の様な「記憶」に頼る部分が多かった。友人の中にも慶応に行った者は多く、未だ交友関係を続けて偶に飲んだりもするのだが、本書にある様な学生の雰囲気は感じられない(勿論、記憶力や考えるスピードは光るものがあるのだが)。言い方は悪いかもしれないが、クリエイティヴさはあまり感じた事はない。今から大学受験をやり直せるなら、こういったカリキュラムのある学校に行って見たかった、それが本書を読んで最初に浮かんだ感想だ。
本書はデザインを単なるプロダクトデザインや空間デザイン、グラフィックデザインなど一つの視点から入るのではなく、例えば企業のある製品のCMづくりであれば、その製品コンセプトや製品そのものの魅力から作り直す様な大胆な手法として捉える。筆者は著名なデザイナーである事は間違いないのだが、単なる目に映る視覚的なもの以上に、人々の感覚や感情に訴えかける事を重視する。それにはクライアントとの向き合い方から、課題発見、コンセプト作り、最後にソリューション選定といったビジネスの基本スタイルを徹底的に実施する事の重要性について再認識させてくれる。
仕事の中でも、頻繁に企画書を書いたりレビューする機会があるが、「製品・ソリューションありき」は社会人の企画書にも非常に多いと感じる。何か閃きで自分のやりたい事、目の前の課題を一つの解決策決め打ちで持ってこられる事は多い。課題は確かに今困ってるから何とかしなければという問題意識から生まれているのだろうが、よく考えるともっと他にある大きな原因を見落としていたり(目の前しか見れてない)、考えが短絡的なものを多く見かける。だから、本書にある様に「課題」設定が最終的な成果の大きさを決める最も重要なプロセスだという意見には大きく頷ける。
そうした深く考察する能力は社会に出れば必須であり、会社のお金を無駄には使えないから、上司のレビューで徹底的に必要性と対策の妥当性を見極められる。学生時代に中々そうした事の重要性に気付かせる授業は、少なくとも私の大学や授業には無かった。仮にあったとしても少なくとも授業を受ける側の学生の大半がその重要性を認識出来ていなかったと思う。だから羨ましく感じたのかもしれない。過ぎ去った時間を取り戻す事は出来ないので、後悔していても始まらないが、本書の様な書籍に早くに出会っていれば、少しは自分の考え方や人生が変わっていた様にも思う。
本書には他にも、既に長い間ビジネスパーソンとして過ごしてきた様な私にも、改めて学生に戻って授業を皆で受けて考えている様な感覚に陥る内容が沢山書かれている。少しの懐かしさと羨ましさと後悔を覚えながらも、今も目まぐるしく動き続けるビジネスシーンに参考になるヒントがあるように思える。 -
Posted by ブクログ
ネタバレSFCで特別講師をしている佐藤可士和さんの授業内容をもとに
「授業内容を聞く生徒への思い」「生徒・卒業生の声」「一緒に授業を務めた先生との対談」「佐藤さんの経歴」を通して、多角的な視点から実際に佐藤さんの授業を聞いているような感覚で新しい視点の見つけ方を学べるようになっている。
フォーマット式にまとめてあるというよりは、感性を大事にしつつロジカルな内容となっていて、コミュニケーションという掴めないものを対象にした領域の解決方法を生徒とともに探っているように感じた。
最終的なグラフィックもシンプルで明快なところが特徴ですが、文章も同様の特徴を帯びている感触でとても分かりやすかった。
導入のイントロでよく取り上げている、博報堂時代の仕事の「KIRIN CHIBI LEMON」の事例など、一つ一つのターニングポイントの論理もわかりやすく、キャリアデザインとしても参考になった。
「コミュニケーションの不具合」に対するところの課題を意識されていることがデザインする上での起点として分かりやすいと思った。
その課題は数値的な判別は付けづらく、マーケターなどのビジネスより職業の方では難しいように感じられた。
だからこそ、デザイナーの感性が必要とされているんだなぁと思ったりした。
私自身デザイナーの活動として、どのような課題に向かって取り組んでいるのかをまとめたいと思っていた中で読んでいたので、とても参考になった。
そして、まだ言語化されていないコミュニケーションを起点とした課題を探してみたいと思う気持ちになった。
授業を受けた生徒たちの声も面白かった。
文章語り口からしてもアウトプットの質からも優秀さが伝わった。
生徒の中には、グループ内での合意形成の難しさにも触れていて、どんなに優秀でもそういったことはあるのだなと思った。(意外にもSFC内にオラオラ系の子がいたり飛び出してしまう人もいないとか。)
学生時代にグループワークで苦戦した覚えがありますが、どこでもあることなのだなと思わされた。
後半の方に触れている福沢諭吉の考えをもとに「独立自尊」「実学」「半学半教」といったコンセプトをもとに、専門領域ではない学科でこういった挑戦的な授業があるんだなぁと感心した。
私自身デザイナーになるきっかけが大学生のときの先生の授業だったので、デザインの面白さを知った原点を知れた気がした。
AIについても少し触れられていますが、私は最近気にし始めたに関わらず2019年の時点で触れているというのは、常に新しいことをキャッチされているんだなと知らされました。 -
Posted by ブクログ
佐藤可士和氏が手掛けた「imabari towel」ブランド再生物語。佐藤可士和氏のマーケティング論/ブランディング論というより今治タオル工業組合の奮闘記といったほうが正しい。ゆえに肉薄する臨場感や緊迫感が伝わってき、地域創生/ブランド再生に取り組む全ての方におすすめしたい。ブランドを作る難しさや戦略の必要性、ちょっとした邪な気持ちが瓦解につながるところなど非常に参考になる。いまでは今治=高品質のタオルだが、いくら技術を持って水準高くともOEMで目先の売り上げに甘んじると長期的には弱体化する恐ろしさと、それを巻き返すのがこれほど難しい(まさに奇跡)ことを痛感させられる。
ブランド再生が限りなく険しい道だけれども、佐藤可士和氏が最後に語る「今治タオルの奇跡だってたった2%」、この言葉が大きな励みになるであろう。