山田章博のレビュー一覧
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ネタバレ灯子と煌四の出会いはもう少し先になるのかなと思っていたら、予想よりさくっと邂逅して驚いた。
驚いたと言えば、緋名子の件。
まさかそんなことになろうとは!
主人公たち周辺の人たちに本当に容赦のない世界である。
しかも解説にもあった通り、絶対的に強い人もいない。
主人公サイドにも、この人に任せておけば安心という人物がいない。
神族にも果たしてそんな強キャラがいるのかどうか。
ただそれぞれの人物たちが、それぞれの思惑で、意志で、この終わりそうな世界を生き抜こうとしている。
それが、他の人や神族から見て許容できるのかできないのかはさておき。
そんな中「この世界がいかにあるのか、ただそれだけを知ろう -
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ハーディ ハゲタカ2.5
日光・金谷ホテルをモデルとしたミカドホテルの松平貴子を主人公とする、ミカドホテル奪還劇。前作で世界的リゾートホテルグループの傘下となったミカドホテルを奪還するまでの話。先日、日光・金谷ホテルを訪れたこともあり、描写がありありと想像できたことで非常に面白かったが、今回はどちらかと言えばビジネスというよりスパイ小説のようなイメージであった。ラストも、ハゲタカ1.5のスパイラルのような「この手があったか!」というような鮮やかな展開ではなく、かなりあっさりしていた印象。また、本作では全くと言うほど鷲津は現れない、完全に映画でいうマクガフィンとなっている。 -
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ネタバレ年を取ったせいか、妙に涙脆い。ロードス島伝説の完結編となる本書を読み終えた今、本編のロードス島戦記とは打って変わって、ペシミズムが全体を覆っているかのようだ。
魔神王を倒した六英雄たちのその後に輝かしい未来はなく、隠棲を遂げる者や再び合い見え、討ち死にする者、自らを犠牲にする者、各登場人物全てに諦観が漂う。
事を成し終えた後に何が残る?
常にその疑問を孕んで生きていくのだ。
前4巻までは悲劇の英雄ナシェルの物語だったが、今回は添えられた短編も含め、悲劇の聖女フラウスの物語となっている。しかし、フラウスの設定は本シリーズ当初に比べ、かなり変わった。
当初は勝ち気な聖女という設定で神話のヴァルキリ -
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中学・高校の頃、『ロードス島シリーズ』はもう純粋に面白く、RPGの世界を独力で何か形として残したいという願望を理想的に具現化したものとしてワクワクしながら読んでいた。
しかし大学、そしてつい最近になっては読書遍歴を重ねて目が肥えたせいか、過去の遺産にしがみついて書かれた付録として捉えていた。
しかし、今回、そういった自分の不明を恥じる。
一見、竜騎士、魔神、魔法など、典型的なモチーフを取り扱った作品と思われていたこのシリーズは、実は単なるファンタジー物ではなく、作者なりに、濃度はどうあれ、リアリティー、根拠付け、動機付けを持たせようと腐心していることがわかった。
というのも、この『ロードス島 -
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最初の130ページを読む限りは、貴子がビーナスの役員としての成長物語、金色屋の女将を解任したあたりまでは完全な旅館再生物語かと思いきや、一気にスパイ小説っぽくなっていった。
特に下巻になると、ますます加速する。迫る中国共産党の不気味な影。
あっさり人が死にすぎ。
モニカの最初の威勢の良さはどこへやらで、しだいにキャラが落ちぶれていく。
美麗が記憶を取り戻すたびに冷酷になるのだけど、最後のオチはやっぱり意味不明。
将陽明はなぜ消されたのか、どのようにして捕まったのか、なぜ鷲津にこだわっていたのかは謎のままで、他のハゲタカシリーズに比べるとなんともすっきりしない終わりかた。
でも読んでる間ページ -