國分功一郎のレビュー一覧

  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    出だしの会話から面白そうだと思ったのだったが、読み進めるうちにどんどん難しくなり、もうお経を読むように最後まで字面を目で追っただけに終わった。自分の読解力のなさに愕然。

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    2025年12月22日
  • 「利他」とは何か

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    利他に関する論考集。
    第一章の伊藤亜紗氏は、合理的利他主義や効果的利他主義といった利他についてのトレンドを概観し、その根底には利他の効果の数値化があること、数値化により漏れてしまったり失われてしまったりすることがあると説く。利他の効果を数値化することは、自らの利他的行為が相手に与える影響を規定することに繋がり、押しつけや他者の支配に繋がる。そうではなく、予測不可能性を受け入れること。予想外の他者の反応によって、自らの方が変わること。これを「うつわ的利他」と表現しているが、相手を享けることのできる利他が、良き利他ではないかと述べている。

    第二章では、中島岳志氏が、贈与論から利他を考察している。贈与は暗黙に返礼を要求しがちであり、古来より相手の支配や権力に繋がってきた。利己的でない利他をするためには、返礼を前提とせず、しかし「不確かな未来」による結果論的な間接的互酬性によって、良いことが返ってくることが望ましい。
    インドで助けられたときに、ありがとうと言ったらかえって嫌がられたというのは、最近読んだ『ヘタレ人類学者、沙漠をゆく』にも繋がっていて、面白かった。

    第三章以降は、民藝・中動態や意思と責任・小説史について論じられる。…が、利他という本書のテーマから見ると、寄せ集め感、取ってつけた感があるというのが正直なところ。「はじめに」で、5名の著者が共同研究しており、単なる論考集ではないと説明されるが、やや無理がある印象。
    個人的には第四章の中動態の話は、その考え方のよい導入となったので興味深く読んだ。他の章も、読む価値が無いとは思わない。ただ、本書のテーマからは、やはり乖離がある内容だったとは思う。

    なぜ利他が必要なのか、という点をもう一度考えてみたいというのが読後の印象。利他の必要性も、個人と、社会システムなどとでは異なるだろう。「必要」という考え方そのものが、利他とはそぐわないような気もする。
    第一章で紹介された効果的利他主義は、共感を排除するという。共感ベースだと、身近な人や見えてる人以外への支援ができなくなってしまうからだという。一面では理解できると思う一方で、それは利他というより政治の領域なのでは?とも思った。政治に期待できないからそういうことになっているのかもしれないけど、でも、寄付や社会貢献的な文脈で利他を語るなら、政治や行政の働きとの区別については気になった。

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    2025年12月16日
  • 真理と政治/政治における嘘

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    みすず書房の販売戦略のような気もするが、まあ読んで損はない。
    しかし、ここから「全体主義の起原」をあらためて読み直したい気になった。
    「全体主義の起原」の新訳を、ぜひとも、講談社学術文庫あたりから出してほしいところだ。

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    2025年12月11日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    ネタバレ

    議会の議論より行政権力が物事を決める方が効率的かつスピーディは危険。
    →独裁と同じ
    民主主義を機能させるにはたくさんの人と会話する。

    大きな物語のない社会では、楽しみ方を勉強すること、何かを信じることが解決策。

    あなたのすることの殆どは無意味だが、しなくてはならない。そうしたことをするのは世界を変えるためでなく、あなたが世界に変えられないため。

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    2025年12月08日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    ●意志と責任について、思考の拠り所となる言葉の側面から考え、能動態と受動態の対立からなる思考ではなく、どちらにも属さない中動態から意志と責任をめぐる諸問題を分析した本。
    ●非常に読み応えのある本だった。本書のキーワードは、「中動態」と呼ばれる聞きなれない言葉だ。現在の文法には、能動態と受動態があるが、かつては受動態ではなく中動態が機能しており、のちに中動態から派生して受動態や自動詞が生まれたと本書では解説している。本書では、意志という概念を否定して、中動態の世界における責任のあり方を提示した。意志とは、何某かの加害行為について帰責性を問うために、突如出現する無根拠な概念であると説明する。このようは意志なるものから生ずるものとは、「誰かのせい」にして責任(のようなもの)を負わせる立場でしかない。このようなものは「責任」と呼べないというのが本書の主張だという理解をした。

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    2025年11月24日
  • 中動態の世界―意志と責任の考古学―(新潮文庫)

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    自分で何かをする「能動態」でも、誰かに何かをされる「受動態」でもない、「中動態」という概念が古代の言語にはあった。誰かを好きになるのは、自分の意志なのか。依存症に陥るのは、その人の意志が弱いからなのか。自己責任論が跋扈する現代社会に於いて、その概念は昨今の様々な出来事について大事な視点を齎してくれる。非常に有意義かつ面白い知的冒険だった。

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    2025年10月21日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    「楽しいことはごちゃごちゃ言わんと単純に楽しめばええやん。それでよしとしようや」ということが言いたいのか?

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    2025年10月13日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    前半が論文。後半はそれをもとにした講義録。前半は難しい。後半はちょっと難しい。総じてやっぱり難しい。目的と手段の整理だけでなく、目的自体もダイジョブか!?って内容でしょうか。流されずに自ら考えるって大変、って内容でしょうか。うん、難しい。

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    2025年09月30日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    ネタバレ

    ちょいむずかった。抽象度が高かったかな。
    199 引用していた千葉雅也の言葉「抑止として他者の身体がある」がたしかにと感じた。

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    2025年09月21日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    ●本書は、人間の行為を目的と手段に従属させようとする消費社会に対して警鐘を鳴らしたものである。カントの批判哲学を紐解き、人生を楽しむための「享受の快」について考察する。
    ●哲学の本は難解なイメージがつきまとうが、この著者の本はわかりやすく読める。

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    2025年09月14日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    『目的への抵抗』の続編。哲学講和シリーズ。本著ではカントに焦点を当てつつ、享楽や嗜好について哲学的に深堀りしていく。資本主義により飽くなき欲望が喚起されるーーそんなフェーズすらもZ世代以降は飽きて、悟りつつある。では人間生活の根幹となる仕事はどうなるのかといえば、生成AIの台頭で、ホワイトカラーを中心に人間の仕事の本義が問われている。一面的にみれば、エッセンシャルワークをはじめとして、ブルーカラー領域での仕事が需要面だけをみれば重要性を相対的に相対的に増しているように見えるが、話はそう単純でもないのだろう。そうした経済合理性から距離を置いた上で、もう少し違った位相から人間の本源的な欲求や感覚の拠り所を思索したいときに、カントの批判哲学は強力な立脚点を指し示してくれるのだと思う。

    「ある人間がたんに享受するためだけに生きており、そのひとの現存が(そしてたとえ、そのひとがこの点ではどれほど熱心であろうとも)、それ自身である価値をもつことを、理性はけっして納得させられることはできないであろう。」(『判断力批判』上巻、六二頁)

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    2025年09月11日
  • 手段からの解放―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    ネタバレ

    論文の部分が難しかった…

    「楽しむ」ということをカントの哲学や嗜好品から読み解く話。
    「チェスをチェスのまま楽しむ」ような、手段でも目的でもない楽しさを享受するのが大事だよとかそういう話だった。

    暇と退屈は読みやすかったな…

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    2025年07月22日
  • はじめてのスピノザ 自由へのエチカ

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    自由についての章が面白かった
    哲学というより純粋な論理学みたい
    スピノザがすごくとっつきやすく思えている
    錯覚かもしれない
    明快な文章でさくっと読めてしまうものだから、スピノザもデカルトもするっと読めるような気がしてきてしまった
    錯覚だな

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    2025年06月07日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    2025.05.06 手段からの解放を先に読み、目的への抵抗を後で読んだ。その流れが分かった。新しい本から古い本へ。次は、暇と退屈の倫理学に、さらに戻って読んでみたい。

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    2025年05月06日
  • 目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)

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    暇と退屈の倫理学と比べるとかなり浅い内容だった。著者の思考がこれだけの時間をかけても深まっていないことが残念

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    2025年04月09日
  • スピノザ 読む人の肖像

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    スピノザ思想の独自性を著作に基づき、丹念に辿る。
    デカルトから一世代あとの世代だからこその、デカルトの矛盾を突きつつ、内在的な読み方を突き通す。
    また、聖書解釈がラディカルだからといって、信仰そのものの否定にいたっているわけではない。
    全体的に沈静した筆致で、訓詁解釈的。現代への応用はかなり控えているため、後半はちょっと退屈だった。

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    2025年03月31日
  • 哲学の先生と人生の話をしよう

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    各エピソードで、大部分は近い感想持ちつつ國分さんの言語化きれいと思いつつ、何個か真逆の立場取りたくなる
    著者が全て正しいとは思っていないが、説明されると確かに固定観念かもと気づく瞬間が面白かった

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    2025年03月08日
  • 「利他」とは何か

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    先日、ボランティアに参加する機会があった。
    その時の相手の反応が、自分が思い描いていたものとはちょっと違っていて、一人でモヤッとしていた。
    そう感じた気持ちの答えが、この本には書かれていたように思う。
    5人の著者の中で、伊藤亜紗さんが書かれた内容が一番しっくりきた。
    「他者のコントロールが利他の一番の敵」
    誰かの為に行動する→プラスの反応が返ってくると、知らず知らずのうちに期待してしまっていたのだと思う。
    「利他」という漠然としたものの輪郭が見えてきたようで、すっきりした。

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    2025年02月15日
  • 「利他」とは何か

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    ネタバレ

    5人がそれぞれ違う専門分野から利他の解釈を論じる。その発想の違いは面白い。「おわりに」でも中島氏が「うつわ」と表現しているが、私は自然と生まれる見返りを求めない人間性、と解釈した。

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    2025年01月16日
  • 原子力時代における哲学

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    「反原発」の本でした
    「反原発」について考える本でした

    というわけでレビューが消えてしまいましたw
    いや笑い事ちゃうわ!

    思い出して書きます

    大好きな國分功一郎さんです
    國分功一郎さんと言えば「哲学」というなんだかちょっと遠い存在の高尚な学問というイメージのものを、わいらのレベルにまでがっつり引き下げてくれる魔法のような分かりやすさなんですが、これはちょっと難しかったです

    いつものようにちゃんと考えよう!ってことなんだと思うんです
    そして「反原発」についてちゃんと考えようとする時に、「原子力の平和利用」が声だかに叫ばれた原子力時代の最初期にただ一人、その危険性について言及した哲学者ハイデッガーの考え方を検証することが助けになるよってことだと思うんですが、肝心のハイデッガーのところが分かったような分からないよなというぼややや〜んとした感じでした

    そもそもわいって別に「反原発」の人じゃないんよね
    積極的賛成ってわけでもないんだけど
    なんかぼややや〜んとしてるんですそこは

    とにかくこれを読んで即「反原発」とはならなかったかな〜

    ちゃんと考えたは考えたんだけどね(怪しい)

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    2024年12月30日