鈴ノ木ユウのレビュー一覧
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ヒトの性
・ヒトの性は、胎児の時に3段階で分化する。
①性染色体の男性型または女性型によって、遺伝的な性が決定する
②性腺が遺伝的な性に基づいて、精巣や卵巣に分化する
③男女それぞれの性器が形成される
・ただ、この性の分化のプロセスに問題が生じる病気がある。性分化疾患である。
・通常、性染色体、性腺、性器は、男女いずれかで統一されているが、
まれにそれぞれの性が違ったり、あいまいだったりする。
・完全型アンドロゲン不応症:性染色体が男性型で、卵子を作る力を持たない女性。
思春期になって、生理が来ないことを不思議に思うまで、誰も気付かないことが多い。
胸も大きくなるし、見た目も女性らしく -
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養子縁組
・里親制度:育てられない親の代わりに、里親が一時的に子供を預かって養育する制度。
あくまで委託関係であって、親子関係ではない。実親が親権を握っているから、
里親と子供の関係が生涯続くことを予定しているものではない。
あくまで子供が幸せになるための制度。
・普通養子縁組:子供が実の親との親子関係を存続したまま、育ての親(養親)との親子関係を作ること。
扶養や相続関係も二重になる。昔からある跡取り問題などで、成人にも使われている。
・特別養子縁組:子供が原則6歳未満の場合に限り、産みの親の親権を終了させる。
扶養や相続関係が二重になることはない。
「私…赤ちゃんが産みたかったわけじ -
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出生前診断
・新生児出生前診断を受けている人:高齢出産に不安、染色体疾患の子供を産んだことのある人、
ハイリスクを指摘された人など。
・出生前診断を受けてもらう前に、カウンセリング→染色体異常があった時には、どうするか十分な話し合い
→その結果、妊娠継続をすると決めた夫婦のほとんどが検査をすること自体を辞める
・出生前診断を受ける人のほとんどが、お腹の子に何かあったら、中絶すると決めている。
とはいえ、その決断に到るまでの悩み、苦しみはある。決めた後も苦しんでいるのかもしれない。
それでも、自分たちを責めながら、短い時間の中で中絶することを決める。
それを『命の選別』と決めつけてしまうのは雑 -
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災害医療
・災害医療では、『一人の患者のために』という考えでは動けない。
『一人でも多くの傷病者を救うために、どう動くべきか』が求められる。
・DMAT:災害派遣医療チーム。医師、看護師、ロジスティック(情報収集、連絡、調整、記録などを行う業務調整員)で構成。
・被災地にある人的・物質的資源は全て被災者たちのために使用されなければならない。
そのためDMATは被災地の情勢に頼らない『自己完結型』のチームでなければならない。
『被災地に迷惑をかけない』のが第一条件。災害の48時間以内に活動できる機動性を持つチームがDMATである。
・災害が起きてから48時間以内(急性期)、何より優先されるのが -
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子宮内膜症
・子宮内膜は本来子宮内にあって、ホルモンの影響を受けて、妊娠準備のため厚くなる。
妊娠しなければ剥がれる。生理である。
・しかし、子宮内膜が子宮以外にできた場合、炎症や癒着を起こす=
生理がない妊娠や出産が一番の治療→ただ生理が再開すると子宮内膜症はまた少しづつ進行する。
・妊娠、出産して授乳期の生理のない時期になれば、子宮内膜症は良くなる。
・妊娠の予定がないなら、低用量ピルで進行を抑えるのも手。
・ピルは排卵を抑える=避妊の効果→子宮内膜を厚くさせないで生理を起こす→
生理痛は楽になる。生理の量も減る=子宮内膜症の治療に使える→
ただ血栓症のリスクがあるため、肥満の人や喫煙 -
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母子感染症
・母子感染症:細菌やウイルスなどがお母さんから赤ちゃんに感染すること。
主に風疹やB型肝炎、梅毒、HIV、ヒトパルボウイルスB19(リンゴ病)など。
・「ほんの少しの知識がなかったせいで、母子感染症に罹り、後悔をして、ずっと自分を責め続ける母親を見ているし、
そんな奥さんや、病気や障害を持った我が子を目の前に、何もしてあげられず苦しんでいる父親を見ています。
だから君たちが5年後、10年後、それほど遠くない未来に、自分や自分のパートナーが妊娠した時のことを、
ほんの少しだけイメージして聞いてもらえたら、僕はすごく嬉しいです」
・サイトメガロウイルス(CMV):約70%の人が幼少期に -
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子育ての自信
・「私には…この子を育てる自信がありません」
「…それでいいんです。自信がないということは、この子のことを真剣に考えてあげているということです。
この先、お友達と遊んだり、学校にだって通うことになると思います。
それまでに乗り越えなくてはならない壁が出てくるかもしれません。
ただ・・・そのときは、新生児科医(ぼくら)と一緒に、何度でも、この子のために一生懸命悩んで考えましょう」
・呼吸窮迫症候群:サーファクタント(肺胞を覆っている物質)の不足→肺胞が膨らまない
・「オレが悪いんです…オレの責任っすよ」
「もちろん、そんなのあんたのせいに決まってるわよ…って誰かに言われたいんでしょ -
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授乳
・母乳は栄養面で優れている。お母さんからの免疫物質ももらえ、赤ちゃんの感染症やアレルギー予防につながる。
それにお母さんの身体にとっては、子宮の戻りが良くなる。ミルク代もかからない。
・ただ、母乳の出には個人差がある。赤ちゃんにも飲むのが上手な子も下手な子もいる。
赤ちゃん自身、練習が必要なので、すぐに母乳育児がうまくいく人もいれば、
数か月かけてやっと軌道に乗る人もいる。
・それにお母さんの希望も様々だ。母乳だけで育てたい人もいれば、
仕事復帰のためにミルクと母乳の混合で育てたい人もいる。
赤ちゃんの育ち方も、お母さんの育て方も人それぞれだ。
・まずはお母さんが育児を楽しむこ -
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総合診療医
・総合診療医:総合的な診療能力を有する医師。なんでも診る医者。
必要な時は専門医に紹介したり、在宅医療や、患者の家族の相談やアフターケアを行う。
・「必要なのは、安心して自分や大切な家族を診てもらえる医師なんですよね。
その場所、その土地、その地域に必要な医療があるというのは否めないことだと思うんです」
・「私生活が充実していなければ、島の患者を診ることなんかできないよ」
・「総合医にとって一番大切なのは、まず自分の限界を知ること。
そして適切なタイミングで専門医に患者を紹介することなんだ。
あとは、その地域の医療ニーズ。この島の人口の40%は60歳以上の高齢者なんだよ。
つま -
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子宮筋腫
・子宮筋腫:子宮筋組織から発生する良性平滑筋腫瘍。30~40代の女性ではよくある。
女性ホルモンのエストロゲンの作用によって大きくなる。閉経後は小さくなることが多い。
無症状であることが多いが、過多月経、下腹部痛、腰痛、鉄欠乏性貧血などが起きることもある。
・もし筋腫が大きく、子宮内腔や周辺への圧迫症状が大きければ、手術で筋腫核ないし子宮全部を摘出する。
・妊娠中の子宮は血液も豊富でやわらかい→そのため筋腫を取り除けば出血が多くなる。感染のリスクも上がる。
・子宮がんの検診→子宮の入り口を綿棒でこすり取る→取れた細胞を顕微鏡で見る
・子宮筋腫や卵巣腫瘍の場合、超音波(エコー)で見な -
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胎便吸引症候群
・胎便吸引症候群:通常、赤ちゃんはお母さんのお腹の中でウンチはしない。
生まれた後にする。しかし、お腹の中でストレスがかかると、羊水の中で便をすることがある。
胎児の便、つまり胎便だ。
そしてさらなるストレスがかかると、通常胎内ではしない呼吸…喘ぎ呼吸をしてしまう。
それによって赤ちゃんはその混濁した羊水を胎内や出生後に気管に吸い込み、呼吸障害を起こしてしまう。
・赤ちゃんはお母さんと同じく、辛い思いをして出産に挑む。
外の世界に出るために頑張って、とても大きなストレスと闘うのだ。
だから出たら「おめでとう。生まれてくれてありがとう」と褒めてあげてはいかがだろうか。
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子宮頸がん
・子宮頸がん:子宮の入り口付近にできるがん。20~40歳代の女性に多い。
99%はヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染によるものといわれている。
HPVは性交渉の経験がある女性の約80%が一生に一度は感染する。
・高リスク型HPVががんを起こす。ただ抗リスク型HPVに感染しても90%以上の場合、数年のうちにウイルスは自然に排出される。
・しかし感染が持続した場合、さらにその一部で細胞が変化して、異形成(前がん状態)へと変化することがある。
・子宮頸がんの検診は、その異形成を見つけることができる。
・異形成の段階でも、初期の子宮頸がんでも自覚症状はない。
だからこそ女性は定期的な子宮 -
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腎盂腎炎
・妊娠中は膀胱が圧迫されて頻尿になり、膀胱炎になりやすい
・膀胱炎など→膀胱に細菌入る→細菌が尿管を通って腎臓に→腎盂腎炎→炎症反応。尿に細菌や白血球
→腰を叩いたときに響く痛み(叩打痛)
・「医者だって人間だからさ、それぞれの生活があって、それぞれの事情を抱えている。
それらを自分一人で背負って、肉体的にも精神的にもすり減らして仕事を続けることは美徳じゃないんだよ」
・「僕らはチーム医療だから、お互いの状況を把握して、足りない箇所を補ったり、支えあわなきゃならない」
・「先はまだまだ長いんだ…だから無理はするな」
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産後クライシス
・産後クライシス:産後2~3年の間に、夫婦仲が悪化する現象。
パートナーへの愛情がなくなった、相手を異性としてみられなくなった、ということ。
・妊娠中に太りすぎ→妊娠高血圧症候群のリスク→血圧が上がると赤ちゃんに血液がうまく流れなくなる
→赤ちゃんの胎内での発育が遅れる→早産や胎盤剥離、腎機能低下など様々な合併症が起こりやすくなる=命にかかわる
・妊婦の体重急激増加→赤ちゃんも大きくなりすぎたり、産道が狭くなることで難産に。帝王切開の確立も上がる。
・大事なのは、バランスよく栄養を摂って、体重管理を行うこと。
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妊婦の長期入院
・小さい子供がいる場合、掃除と洗濯は毎日しないとすぐ溜まる=大変なことになる→明日でいいかはNG
・親が子供を起こす→朝ごはん食べさせる→着替えさせる→保育園送迎→会社で仕事
→保育園送迎→晩ごはん作る→食べさせる→お風呂入れる→洗濯→洗い物
→次の日の保育園の用意→おもちゃ片付け→歯磨きさせる→寝かしつける→次の日の朝へ
・何日もだと続かない。サポートは必須。
・切迫早産は長期の入院を迫られる。24時間点滴に繋がれて、ほとんどの時間をベッドの上で、不安な気持ちのまま過ごす。
そのため一日がとても長く感じるようになる。
・産科医はまず28週…次は32週、そして36週と、目標の数字 -
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無痛分娩
・無痛分娩は麻酔しての出産。麻酔のため、しっかりとした管理が必要。
痛みが和らぐ代わり、足がしびれた感じに。力も入りにくくなる。
いきみにくくなるため、吸引分娩になることも。
・麻酔管理の間は、基本的にベッドの上から動けない。トイレは尿管に管を入れる。
まれに血腫などができて、しびれや麻痺が残ることもある。
・妊娠→子宮と赤ちゃんへの血液維持が必要→循環する血液量が1.5倍に→心拍数も20%増える
・陣痛の強い痛みや、いきみは心臓に負担がかかる→心疾患などの場合、そのままの分娩は危険→無痛分娩にする
・「出産には優劣も勝ち負けもないんですね。
お腹を痛めて産んだからこそとか、無 -
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出産予定日
・出産予定日:妊娠40週と0日。あくまで予定。
・赤ちゃんは大きさよりも週数の方が大事。
赤ちゃんが安心して生まれる時期は、妊娠37週0日から41週と6日まで。
・赤ちゃんの大きさは、胎盤機能や遺伝的なものによる割合が高いため、
肉をたくさん食べても、赤ちゃんが大きくなるとは限らない。
・妊娠42週を超えると胎盤機能が落ちる。帝王切開や週産期死亡が少し増える。
この場合、誘発分娩を行うこともある。
・「立ち会ってあげなさい。命がけで苦しんで子供を産む奥さんの顔を見て、
自分の無力さを噛み締めてきなさい。家族のためにもっと頑張らなきゃって気持ちになるから」
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つわりとマタニティマーク
・マタニティマーク:妊娠初期の妊婦のためのもの。妊娠初期のつわりや、体のだるさをつたえるためのもの。
・吐きづわり:食べ物も水も全部吐いてしまい、ずっと二日酔いのような感じで眠れない。体重減少、尿中ケトン体。
・ケトン体:母体の飢餓状態を示す。
・胎盤が完成する頃には、つわりも楽になる。それには妊娠12~16週までかかる。
・つわりは気分転換や自己意識だけでは改善できない。
・妊娠初期は、まだ胎盤が未成熟なため、いつ流産してもおかしくない不安定な状態。
・つわりは、赤ちゃんが元気に育っているということ。従って赤ちゃんのために2週間はしっかり休むことが望ましい。
・流産を防ぐ方法は -
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バーンアウト症候群
・「肉体的な疲れは精神的な疲労に繋がり、判断力を鈍らせてしまいます。
ベビーのためなんです。ゆっくり休んでください」
・人に当たるのは危険なサイン。体力も気力も尽き、心が折れてしまうと、うつになってしまう。
・徴候は、①情緒的消耗(倦怠、肩こり、朝起きられない、無気力、常にイライラ)、
②人格崩壊(皮肉屋、すぐ怒るなど。人を人間扱いしない)、
③達成感の喪失(何をやっても無駄だと思ってしまう)
・症状が進むと、誰にも相談しなくなる(報告、連絡、相談の欠如)→
ストレスを抱えて、ヘルプサインを毒という形で吐く→職場にも悪影響
→だんだん自分が嫌いになっていく→うつ病へ
・対策は