染田屋茂のレビュー一覧
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ネタバレスティーヴン・ハンターによるボブ・リー・スワガーシリーズ第一弾下巻。
容疑者となったボブとFBIを追放されることになったニックがともに協力しながら自らの無実の証明と自らを窮地に追いやった相手への復讐を果たすために動き出す。
やがてニックはボブの無実を確信し、CIAの汚れ仕事を担ってきた組織の証拠集めを始める。ボブは意外とそこへの執着はなく、ニックはそんなボブの態度に苛立ちを隠せない。
この辺りの二人の描写の上手さ、これが最後の最後に法廷でのボブの公判の際まで効いてくる。なぜボブがこれほどまでに証拠に固執しなかったのかが明かされると、ボブという人の奥深さに改めてハッとさせられるとともに、ますます -
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ネタバレスティーヴン・ハンターによるボブ・リー・スワガーシリーズ第一弾。
様々な書評でかなりの高評価を受けている作品で、シリーズ作品が続々と書かれていることもあり、期待を持って読み始めてみた。
冒頭から上巻の半ば過ぎまではある意味退屈なまでにボブの人となりを描くことに費やされる。大きな展開もなく、淡々とボフの質素な生活、ハンターとしての力量、銃の解説、といったことが綴られ、正直何が面白いのかと思い始めた頃、物語が急展開を見せる。
ここからのジェットコースターばりの怒涛の展開は、まさにこの冒頭から続く下地があってこそで、容疑者となったボブがどんな活躍をしていくのか、下巻が楽しみである。 -
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誰が何と言おうと非常に面白い、大傑作冒険小説である。この作品が記念すべきスワガー・サーガの第一作であり、ここから壮大なスワガー・サーガが始まるのだ。
新潮文庫版が絶版になり、この度、目出度く扶桑社ミステリーから復刊。復刊に際しては一部改訳・再編集されたとのこと。
元海兵隊の英雄ボブ・リー・スワガーは、大統領暗殺の謀略に巻き込まれ、狙撃犯の汚名を着せられ、追われる。
負傷しながらも命からがら狙撃現場から脱出したボブ・リー・スワガーは自らの汚名を返上し、謀略の真実を暴くことが出来るのか…
スティーヴン・ハンターとの最初の出会いは、扶桑社ミステリーの『ダーティホワイトボーイズ』である。余りに -
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石田衣良さんが勧められていて、読んでみました。おもしろかった!
ただし、ネタとしては。
特に現代のセックス事情について、学術的根拠が薄いことを拡大解釈している。
例えば「女性は男性を求める場合、男性と比べて、かなり平均から上位にある男性を探しがち」という結論にある。例えばマッチングアプリでの、外見。陰茎のサイズなど。
だがAVに出てくる女優も、外見はかなり上位ではないか?
結局、「性欲の付き合い」なら平均以上を求めるのは、男女変わらないのでは?
またマッチングアプリでも、婚活専門であれば現実的な選択をしているのでは?周囲に婚活で出会って結婚した人が複数人いるが、別に平均から大きく上位にいる -
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表紙が格好いい。本文に主人公チャールズ・スワガーのいでたちの描写があるが、この表紙に勝るものはないだろう。
シカゴにある屠畜場で発生した事件を契機にチャールズ・スワガーが捜査に乗り出す。屠畜に使用される薬品がナイトトリップと呼ばれるドラッグとして不正に流出し、チャールズが関係した事件をはじめ数件の殺人事件に関与しているとのこと。人種差別があることが当たり前の社会で黒人警官と協力し事件解決にあたる、ハードボイルド活劇だ。
スワガー家3代に渡る武勇伝の第1部、このチャールズにして、次代のアール、そしてボブ・リーにつながる活劇を大いに楽しもう。 -
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ネタバレうーん。
この前が良すぎたからの失速感。
ヨーナが帰ってきたのは想定内なんだけど、え、ちょっとやりすぎ…のはちゃめちゃが。作品が進むにつれてここまでボロボロになられると、読みながら心配になってしまう。
暗いサスペンスだからどこかで主人公には逃げ場としての暖かさや光、強さを期待しちゃうんだよね。本作ではまるで、止まり木のない長距離飛行を強いられた渡り鳥みたいな気持ちだった。辛くてもヨーナがそこにいなくて。いやね、いるんだけどなんかどうも信頼できない。きっとこの人が犯人を見つけるんだ、ってお約束はあるんだけど、あまりに暴力発砲略奪なんでもござれの問答無用で…
ヨーナのかわりのマルゴットが臨 -
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普通小説の作家二人が別名義で書いているこのシリーズは、毎回、そうとはとても思えぬほど、娯楽味に溢れている。キワモノすれすれの残酷さ。展開の奇抜さ。登場人物たちの個性の強さ。何もかもが通常のミステリー以上に過激なのは、彼らが普通小説作家だからなのかもしれない。ブレーキのないスポーツカーのようにこのシリーズは、よく走る。
現在スウェーデンで最も売れているクライム作家なんだそうである。これだけページターナー作品が連続するところ見れば、それも当然という気がする。このヨーナ・リンナ刑事のシリーズは8作完結らしいが、『催眠』『契約』『交霊』の最初の三作はハヤカワミステリー文庫にて出版後、現在絶版状態 -
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普通小説の作家二人が別名義で書いているこのシリーズは、毎回、そうとはとても思えぬほど、娯楽味に溢れている。キワモノすれすれの残酷さ。展開の奇抜さ。登場人物たちの個性の強さ。何もかもが通常のミステリー以上に過激なのは、彼らが普通小説作家だからなのかもしれない。ブレーキのないスポーツカーのようにこのシリーズは、よく走る。
現在スウェーデンで最も売れているクライム作家なんだそうである。これだけページターナー作品が連続するところ見れば、それも当然という気がする。このヨーナ・リンナ刑事のシリーズは8作完結らしいが、『催眠』『契約』『交霊』の最初の三作はハヤカワミステリー文庫にて出版後、現在絶版状態