富永和子のレビュー一覧
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J・D・バーカー『猿の罰』ハーパーBOOKS。
待ちに待った続殺人鬼『四猿(4MK)』三部作の完結編。『見ざる、聞かざる、言わざる』に加え、『悪をなさざる』で『四猿』ということか。恐ろしい過去と『四猿』の仕掛ける壮大な復讐……前の二作はほんの触りに過ぎなかったかのような衝撃のラスト。
前作の衝撃のラストからの続きが描かれる。連続殺人鬼『四猿』の狡猾な罠に嵌まり、窮地に陥るサム・ポーター刑事。『四猿』の正体が実はサム・ポーターだという情報に翻弄される警察。
加速度を増す『四猿』の犯行とおぼしき殺人事件。そして、何故か『四猿』ことアンソン・ビショップが警察に出頭するという急展開。全ての疑惑が -
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罪な本、、。700ページもあるのに、止まらず2日で読むことに、、。たった4日の出来事、視点が変わるたびに目まぐるしい展開となり、お話を追わずにいられなくなります。最後の方は驚きの展開で、もう誰が誰やら、、。彼の日記で明かされる驚きの事実、登場人物がここに集結し、これから何が起きるのか否応なく期待が高まるのにここで終了。続編は秋!覚えていられるか不安ですが、覚えていなくては。いやはや、全く壮大な事件となりました。彼の生い立ちにとんでもない事実がありそう、そしてビショップとポーターには繋がりがあるんでしょうね。あと半年ほど先、日常の好転とともに終章を読める日を心待ちにします。しかし、完結編の一部を
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猿のシリーズは三部作だったとは知らなかった。これは三部作の二作目なので、はっきり言って前作を読まずにこれだけ読んでも意味がわからないと思う。否、前作を読んでも本書の意味はわからないかもしれない。今秋に最終作が発表されるとのことで、巻末に最終話の最初の数ページがサービスで紹介されていたりもする。今の心境。このまま最終作を読むまで、本書で新たなに開示された謎を解くことができないことが辛い、の一言。
本作では、第一作『悪の猿』に続く少女連続誘拐監禁事件を違うバージョンで見させられているイメージである。しかしどうも本作では、一作目の事件から四か月後、前作とは異なる種類の人間による内容の異なる連続 -
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そもそもが幽霊のルポなどもやっていた文字通りの「ゴースト・ライター」だった。魔女の小説を書いてブラム・ストーカー賞候補になったことでデビューした新進作家の作品である。デビュー二作目にして、怪談話ではなく、サイコ&バイオレンスな警察小説を描いた本書は、圧倒的な物語構築力がアメリカン・スリラー界の注目を集めたということである。
帯にはジェフリー・ディーヴァー、ジェイムズ・パタースン、ジャック・ケッチャムなどのスリラー系作家による賛辞が並ぶ。いわゆる鳴り物入りの作品ということである。
当時からの興奮覚めやらぬ読者の期待を一身に背負った続編『嗤う猿』が、この3月に登場したことで、ぼくのように -
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若い女性ばかり殺す四猿。悪いことをしている者の娘などの耳を本人に送りつけて後に殺す。何年も未解決になっていたら、バスに自ら突っ込んで死んだ者の持ち物から切り取った耳が出てきた。送り先は大富豪。四猿が死んでしまったのか。富豪の非嫡子の娘が行方不明になっている。彼女はどこに?
物凄く面白かった。大好物。
事件と並行して描かれるのは死んだ容疑者四猿が遺した日記。子供の頃に異常な体験をしたことがじっくりと描写されてたて、怖くて面白い。
二転三転するストーリーもいいし、続編「嗤う猿」へと繋がるラストもいい。サイコスリラー好きなら必読。文章のリズムなのか翻訳の巧さなのか、分厚いのにスラスラ読める。
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J・D・バーカー『嗤う猿』ハーパーBOOKS 。
最高に面白い。心して読むべし。
サイコ・ミステリー三部作の第二作。前作の『悪の猿』で大暴れした連続殺人犯『四猿』ことアンソン・ビショップが再び我々に狂気と恐怖を見せる。前作よりもストーリーが格段に面白く、ミステリー色も強くなっている。勿体無さのあまり、久し振りに約1週間を掛けて少しずつ読み進めた。この秋に刊行予定の第三作の完結編が非常に楽しみだ。
日光の『見ざる、聞かざる、言わざる』に準え、被害者の耳、眼、舌を切り取り、家族に送り付け、最後には殺害するという残酷な犯行を繰り返す連続殺人犯『四猿(4MK)』が忽然と姿を消してから4ヶ月後…… -
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ジェフリー・ディーヴァーらからの賛辞とあったけど、間違いなくそれにふさわしい面白さだった。一気読みに近い感じで読んだ。
日光東照宮の三猿をモチーフにはしているけど、意味は違ってる。そこは日本人ならわかってくれるはず?これが正しいと思われたら嫌だな。
主人公の奥さんのことは最初から違和感はあった。
それにしてもひどい家庭環境だと思った。母親が恐ろしすぎる。バリー・ライガの作品を思い出したけど、それに輪をかけてすごい。
犯人が捕まってないのにあまりイヤーな感じてはないのが不思議。最後なんかむしろやるじゃんなどと思ってしまった。
続きあるんですかね? -
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まず最初に書いておきたいのですが、この作品すっごく面白いです。 少しでも興味があるなら読むのをおすすめしたい!
約600ページとボリュームがありますが視点の移動が激しいからか途中でダレたりすることもなく最後まで読めてしまいます。視点がコロコロ変わると、「えっ、主人公はどうなっちゃうの?」とか焦らされてしまうように思うかもしれませんが、むしろどの視点も続きが気になって仕方なくなってしまうので心配はいりません。どんどん読めちゃいます。
キャラクターもそれぞれ役割を持たされており、みなが物語に彩りを添えてくれるところが海外ドラマのようで楽しめました。
なかでも特に作者の気合の入りようを感じたの -
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J・D・バーカー『悪の猿』ハーパーBOOKS。
大昔の扶桑社の海外ミステリーを思わせるようなサイコ・ミステリー大作。連続殺人犯『四猿』の狂気を最後まで見事に描き切っている。
日光の『見ざる、聞かざる、言わざる』に準え、被害者の耳、眼、舌を切り取り、家族に送り付け、最後には殺害するという残酷な犯行を繰り返す連続殺人犯『四猿』……長年、この事件を捜査している刑事のポーターは『四猿』とおぼしき人物の死を知るが……
ポーターの捜査状況と『四猿』により拉致監禁された少女エモリーの過酷な運命、『四猿』の恐ろしい日記が交互に描かれ、少しずつ事件の核心が見えてくる。
久し振りに物凄いサイコ・ミステリ -
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僕は語り手だから犯人じゃないよ、なんて一人称の地の文でなくて登場人物との会話で言ってしまうアーネストが主人公の第二弾。
「ぼくの家族はみんな誰かを殺してる」に比べるとインパクトが少なめのタイトルでしたが、中身はアーネストの独特の語り口が相変わらずで読みやすい。
あれやこれやの描写があっちやこっちに繋がってたのか。と沢山張られた伏線。
海外小説である以上仕方ないですが、アナグラムは解くのが難しいですね。
文中でも触れられていますが、昨今のミステリーは、前回の事件がトラウマになったり、悩みを引き摺ったりしているのが海外でも日本のものでも見られて興味深いです。 確かに、ホームズや名探偵コナンは -
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私はミステリを読んでも、この流れだとこの人が犯人だろうみたいな当て方しかできないんだけど、今回は珍しくちゃんと推理した結果序盤の方で犯人を当てることができた。
ヒントがかなりわかりやすく散りばめられてたと思う。
犯人がわかってしまったとしても、予想してなかった展開や謎が他にもいくつかあったりして最後まで楽しく読めた。
前作『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』はかなり独特な語り口だったので、今回も覚悟して読んだけど、前作よりはだいぶ癖が抑えられていて読みやすくなったような気がした。笑える場面もちょこちょこあった。
終わり方も好きだったし、次回作が出たら読みたいな。 -
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アーネスト・カニンガム・シリーズの二作目。前作の
『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』の続編とは知らず、こちらの作品から読んでしまいましたが、一作目の大きなネタバレはないので、この作品からでも楽しめました。
主人公のアーネストが"信頼なる語り手"として、あらゆる場面で感じたことや思ったことを饒舌に語りながら事件の謎を解いていきます。
物語の後半の謎解きはとても面白く、これぞ王道の謎解きだと感じましたが、アーネストの語りが個人的にあまり好みでなく…。ユーモアがあり、物語全体がわかりやすく説明されているため、読みやすくはありましたが、イマイチ物語に入り込めなかった作品でした。 -
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ネタバレ主人公・アーネストの父は35年前に警官を殺害したことで世間から白い目で見られていた。そんな家族が9人が冬のロッジに集まったが、そこで見知らぬ男の遺体が版権される。疑心暗鬼が募る中、第二の事件が発生する。
筆者である主人公の視点で、ミステリーのメタ的な視点を混ぜながら進行していくところがとても面白かったです。”みんな誰かを殺してる”というインパクトがあるタイトル、海外ミステリーの複雑さもありながら、伏線回収とどんでん返しが終盤に一気に襲い掛かってきてとても気持ちよかったです。”みんな誰かを殺してる”というタイトルから、後ろめたいことを隠しているのかと思いきや、結構無理やりだったり、明かされないこ