あらすじ
『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』の
著者最新刊! 伏線だらけの謎解きミステリー
豪華列車で起きた連続殺人。
容疑者は乗客全員。
ぼくはアーネスト・カニンガム。まだ駆け出しのミステリー作家だが、きたる推理作家協会主催の50周年イベントになぜか招待された。豪華列車でいく3泊4日の旅には錚々たる作家たちが招かれていて、ぼくは肩身の狭い思いだったが、そのうちの一人が旅の最中、殺害されてしまう。作家陣はもちろん、一般客も誰もが怪しく、何やら秘密を抱えていそうななか、やがて次なる殺人が起こり……。
型破りで、驚くほどの独創性。ひねりに満ちた伏線の数々がこれでもかと張り巡らされている。あらゆる期待を裏切らず、風刺とスリル、読む喜びをもたらしてくれる傑作。――Crime Time
『オリエント急行殺人事件』に見事なユーモアをくわえた快作。前作“Everyone in My Family Has Killed Someone(『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』)”を超える完成度の高さ。――The Times / Crime Book of the Month
+++++++++++++++++++
推理小説を書くルールは簡単だ。超自然現象はなし、思いがけない双子の登場はなし、犯人は物語の前半に登場させなくてはならない。
また、犯人は物語の筋に影響を与える人物でなければならない。これは重要な点だ。「犯人は執事でした」でまかりとおる日々は過去のもの。フェアな小説の犯人にはちゃんと名前がある。しかも、その名前は頻繁に登場しなくてはならない。その点を証明するため、本書には、あらゆる形を含めて、犯人の名前はここから135回出てくることを前もって知らせておこう。
読者諸君はすでに気づいているかもしれないが、ぼくはこの種の小説で活躍する探偵もしくは刑事よりも少々言葉数が多い。だが、それはぼくがきみたち読者に何ひとつ隠さずに告げるためである。なんと言っても、本書はフェアな推理小説なのだから。(本文より抜粋)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
推理作家協会主催の50周年のイベントが行われる豪華列車の旅で起きる連続殺人と乗客全員が容疑者という状況が読書欲を掻き立てるメタ要素込みの本格ミステリーで、意外な犯人ものとしてもミッシングリンクとしても素晴らしく、そしてどこまでも読者に対してフェアでありながら予想を裏切る展開の連続と散りばめられた伏線が全て収束する解決編の鮮やかさと相まって最高の作品に仕上がっていて前作より面白かった。
Posted by ブクログ
読んだひとをほほ笑ましくさせる独創性と広げた大風呂敷が綺麗に畳まれていく快感がありました。本作は前作『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』から続くシリーズの第二作目に当たります。
実は前作を未読のまま読みはじめたのですが、読んでいないからと言って、楽しめない、というわけではまったくなく(それでもやはり先に読んでおいたほうが良い側面はあると思いますが)、ラストまで遊び心に満ちていて嬉しくなるような読書体験でした。『こんなミステリが読みたかった!』という気持ちになるひとも多いのではないでしょうか。
『信頼できる語り手』が語る、作家たちが乗り合わせる豪華列車での殺人事件の結末は。現代的なツールが謎解きの中で重要な要素を担っているのも印象的でした。作品の構造自体で遊ぶ作品が好きな方には特におすすめです!(翻訳のことはあまり分からないのですが、これ翻訳者の方、めちゃくちゃ大変だったのではなんてことまで思わず考えてしまいました)
Posted by ブクログ
前作「ぼくの家族はみんな誰かを殺している」の著者、アーネスト・カニンガム。次回作の契約はしたものの、アイデアも浮かばず、いろんな下心(推薦文の依頼、ネタ探し、プロポーズ・・)を持って、豪華列車でのブックフェスティバルに恋人と参加する。
アーネストが書いているわけなので、すでに事件は起こり、解決済み。今回も彼は大怪我を負っているようだが、果たして?という内容でした。
序盤のアーネストの落ち込み、捻くれ具合が気の毒なんだけれど面白い。前作のトラウマもあり、事件をそのまま書いているだけの作家は、たいして評価もされず馬鹿にされ、焦りだけが募っていく。幸か不幸か殺人事件は起こり、彼は犯人探しをしようと躍起になっていくという話。
後半は伏線がどんどん回収され、読んでいる側としては、そう言えばそうだったな、あれヒントだったのかと思うヒマもなく、怒涛の展開で話は進む。ようやくアーネストも調子を取り戻し、一気に解決へ。と思ったら最後に、もう一山事件が起こる。今回も読んでいて楽しかったです。
アーネスト・カニンガムシリーズは3作目もあるとか。次回も待ち遠しいです。
Posted by ブクログ
アーネスト・カニンガムシリーズ第二弾。
今回はオーストラリアの豪華列車。
途中、停車することはあるけれど、基本は密室。
推理作家協会の50周年記念プログラムということで、恋人のジュリエットと参加したアーネスト。
参加者がみんな本に関わる人というのが魅力ポイントでした。
途中、中だるみはしましたが(私の問題)、最後の最後まで驚きで気が抜けない作品でした。
三作目も刊行予定だそうなので、追って行こうと思います。
Posted by ブクログ
この小説は?
殺された人物にそれぞれが遺恨や恨みつらみがある
アーネストを軸に物語は進行する小説
途中で?この小説は?疑念を持つシーンや
アーネストがトムクルーズに?
オーストラリアの気候や風土を知るとより面白い
で!誰が犯人?最後の最後まで謎が続く「小説」
Posted by ブクログ
僕は語り手だから犯人じゃないよ、なんて一人称の地の文でなくて登場人物との会話で言ってしまうアーネストが主人公の第二弾。
「ぼくの家族はみんな誰かを殺してる」に比べるとインパクトが少なめのタイトルでしたが、中身はアーネストの独特の語り口が相変わらずで読みやすい。
あれやこれやの描写があっちやこっちに繋がってたのか。と沢山張られた伏線。
海外小説である以上仕方ないですが、アナグラムは解くのが難しいですね。
文中でも触れられていますが、昨今のミステリーは、前回の事件がトラウマになったり、悩みを引き摺ったりしているのが海外でも日本のものでも見られて興味深いです。 確かに、ホームズや名探偵コナンは沢山の殺人事件に出くわしてメンタルやられてないので、強靭ですね。
Posted by ブクログ
私はミステリを読んでも、この流れだとこの人が犯人だろうみたいな当て方しかできないんだけど、今回は珍しくちゃんと推理した結果序盤の方で犯人を当てることができた。
ヒントがかなりわかりやすく散りばめられてたと思う。
犯人がわかってしまったとしても、予想してなかった展開や謎が他にもいくつかあったりして最後まで楽しく読めた。
前作『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』はかなり独特な語り口だったので、今回も覚悟して読んだけど、前作よりはだいぶ癖が抑えられていて読みやすくなったような気がした。笑える場面もちょこちょこあった。
終わり方も好きだったし、次回作が出たら読みたいな。
Posted by ブクログ
オーストラリア大陸縦断豪華特急『ザ・ガン』。オリエント急行とナイル殺人事件を合わせたような舞台。今回もアーネストの一人称で語られるミステリの挑戦状を楽しめる。エピローグまで気を抜けないのでお楽しみに。
#読書好きな人と繋がりたい
#ミステリの秋2025
Posted by ブクログ
フェアな語り手を自称する主人公(一人称)が、親切にも犯人の名前が何回記述されるかを明かしてくれます!ギミックミステリ好きはそれだけでニヤニヤしちゃいますよね(^^)
推理小説において作家と読者はワンチーム、ひとつの真相に向かうチームメイトだよ〜という記述があるけれど、ミステリ好き読者としては当然額面通り受け取れない。そう、今作もホスピタリティ抜群の作者にまんまとおもてなしされました。面白かった!!
Posted by ブクログ
主人公の一人称視点で語られる、思わずくすりと笑える軽妙なやり取りが魅力。それぞれに専門分野を持つ作家が登場することで、物語が膨らんでいく。
物語は独立しているが、前作を回想するシーンがところどころあるので前作を先に読むことが推奨される。
Posted by ブクログ
アーネスト・カニンガム・シリーズの二作目。前作の
『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』の続編とは知らず、こちらの作品から読んでしまいましたが、一作目の大きなネタバレはないので、この作品からでも楽しめました。
主人公のアーネストが"信頼なる語り手"として、あらゆる場面で感じたことや思ったことを饒舌に語りながら事件の謎を解いていきます。
物語の後半の謎解きはとても面白く、これぞ王道の謎解きだと感じましたが、アーネストの語りが個人的にあまり好みでなく…。ユーモアがあり、物語全体がわかりやすく説明されているため、読みやすくはありましたが、イマイチ物語に入り込めなかった作品でした。
Posted by ブクログ
今まで読んだことのない独特な語り口で、読み始めはなかなか慣れず読みづらく感じていた。しかし、物語が進むにつれてこの本の世界に入りこんでいた。読み返したくなる場面が多く、最後の最後までわからない展開。結末まで非常に楽しめる作品だった。
Posted by ブクログ
今度の舞台はオーストラリアを縦断する豪華列車ザ・ガン。好みの問題だと思うけど、私にはやっぱりちょっと読みにくく、入り込んだと思った時はもう推理の場面だった。解決したと安心していたら、最後でちょっとヒヤッと。ちょっと笑ったのが、『犯人の名前がこれから135回出てくる』と書いてあったこと。読みながら数えている人はどのくらいいるんだろう。
Posted by ブクログ
ぼくはアーネスト・カニンガム。まだ駆け出しのミステリー作家だが、きたる推理作家協会主催の50周年イベントになぜか招待された。豪華列車でいく3泊4日の旅には錚々たる作家たちが招かれていて、ぼくは肩身の狭い思いだったが、そのうちの一人が旅の最中、殺害されてしまう。作家陣はもちろん、一般客も誰もが怪しく、何やら秘密を抱えていそうななか、やがて次なる殺人が起こり……。
前作「ぼくの家族はみんな誰かを殺してる」はあいにく未読。舞台の一部を訪れたことがあるので、読んでみた。饒舌な書き手による本格ミステリといった感じ。
Posted by ブクログ
なかなか物語が進まず、殺人が起きたのは全体の1/3くらいを過ぎたあたり。アーネストはページ配分を言ってたけど、どうなの?遅いよね。もうちょっとなんとかしてくれたら事件後の展開は面白かったのに、残念。