開高健のレビュー一覧

  • パニック・裸の王様
    開高健、大発見。こんなに面白かったとは…。現在、神奈川近代文学館で行われている企画展「『おまけ』と『ふろく』展 子どもの夢の小宇宙」でグリコのおまけに人生を賭けた男、宮本順三が紹介されていて、そこで開高健の「巨人と玩具」がお菓子のマーケティングを舞台にした小説として触れられていました。これは!と思い...続きを読む
  • ベトナム戦記 新装版
    こちらを読んだ後、マジェスティックホテル にどうしても行ってみたくなりホーチミンに行った。ホテルのロビーの窓は赤、白、水色、黄色、緑を使ったステンドグラスがはめ込まれていて、そこから光が入って美しかった。目の前のサイゴン川には蓮の花が流れこの景色を開高さんも見ただろうかと、思いを馳せた。
  • ベトナム戦記 新装版
    60年代末の文章表現は、今ほどの社会的規制を受けていない表現の自由に嫌悪感も感じるが、戦争の嫌悪感なのか渾然一体となって区別できない感じが、芸術性を感じる。
  • ロマネ・コンティ・一九三五年 六つの短編小説
    釣り、阿片、ワインなど6つの短編それぞれにテーマがあり、それらの持つ魔力を圧倒的な表現力で描いている。
    表現や比喩、言葉の豊富さにはまさに圧倒された。それらから描写されるテーマごとの魅力は、『魔力』と呼ぶにふさわしく、読者自身がどうしても手を出してみたくなってしまう。どれも一般人には簡単に手を出せる...続きを読む
  • パニック・裸の王様
    〈裸の王様〉
    作者の文壇登場を飾った短編4作の1編。
    芥川賞受賞作。
    カタカナで記された画材の数々…上流家庭の内情とは裏腹に瀟洒なその家屋の佇まい…それらが作品全体に洒落た雰囲気を醸していました。それが主題の重さを和らげていたと思いました。
    主人公の功利主義への反発心が大人社会の歪形を受けた或る幼い...続きを読む
  • 小学館電子全集 特別限定無料版 『開高 健 電子全集』

    開高先生面白い

    開高先生は独特の感性をお持ちになられていたらしく、笑ったり感動したり、時には泣いたり、作品のラストを読むまではどのような結末を迎えるのかわからないというドキドキ感など、さまざまな感性を駆使しての表現が有名です。収録された作品のなかでいえば「珠玉」が印象に残りました。
  • パニック・裸の王様
    高校の現文の先生が人生で三本指に入る小説だと授業で言っていたから急いで読んだ。
    読んだことを伝えたいがあまり、「主人公もまた他の大人たちと変わらず独善的じゃないか、と思った」と早急な感想を伝えてしまった。
    「そこがわかっていれば大丈夫だ」と返され嬉しくなった。
  • 【電子特別版】オーパ!
    一大ドラマ。
    旅行して、そこで暮らし、そこの飯を食べる。それだけで十分。
    本当に幸せになりたかったら釣りを覚えなさい。
    その時の記憶を文字とともに残す。
  • 魚の水(ニョクマム)はおいしい 食と酒エッセイ傑作選
    詳細な味覚描写に圧倒される。酒でもベトナム料理でも魚でも。鮮烈、濃密、深淵、至極、軽妙、自分が通りいっぺんの言葉を並べても言葉がぴたっとはまらない。何という表現力。脱帽。
  • 開高健没後30年生誕90年 THE YEAR 記念冊子「はじめての開高健」
    最近の作家が、開高健とふれあい、その感想を記している。様々な思いの中に、共通した開高健への尊敬と哀悼の意が見え、感動し、うれしく思ってます。
  • パニック・裸の王様
    読む機会がなく、恥ずかしながら初めて開高健を読んだ。
    さすがである。4話の中に共通するのは、人間の逃れられないと思われている自己防衛本能である。
  • 開高 健 電子全集18 50代エッセイ大全
    脳がリフレッシュされます。
  • パニック・裸の王様
    パニック・裸の王様。開高健先生の著書。優れた小説、優れた作品は時が経っても決して色褪せないことが分かる不朽の名作です。社会の不条理や理不尽な権力者に対する反抗心を感じさせる内容で、心が揺さぶられます。
  • 日野啓三/開高健
    よかった。ベトナム戦争を共通のテーマとしての
    二人の作家。(日野啓三と開高健)
    世界の向こう側をイメージした、またベトナム戦争の
    頽廃的なイメージから人間の闇を描く内容。
    ベトコンの少年を銃殺するシーンの描写を二人とも
    詳細に描いていて、それが繰り広げられる広場の
    イメージがなんとなくクリアーな映像...続きを読む
  • キス・キス
    ロアルド・ダールの軽妙さは寝しなに聞く物語の愉しさのような感慨を呼び覚ます。そしてまた星新一のショートショート(そう言えばそんな言葉を最近はめっきり聞かなくなったけれど)を読んでいた頃の愉しさも呼び起こす。一つ読んでしまうと次から次へと幾つも幾つも読まずには居られなくなる愉しさでもある。中毒症状のよ...続きを読む
  • パニック・裸の王様
    猫作家ときいて買ってみたらねずみだった。
    スカッとした文体でひじょーに読みやすくて、話も分かりやすくて面白かった。
    あんな簡潔な文体やのに、「裸の王様」に出てくる子どもたちがいきいきと目の前で動き回る。びっくりしたわ可愛くて。いい先生だね。

    「巨人と玩具」読むとキャラメル食べたくなるよ。
  • 珠玉
    開高健の遺作、1990年に初めて読みました、この人のノンフィクションに凄く影響を受けました、
    正直 物語には 当時19歳位ですがあまり好きでは無かったのですが… なんか 知性とボキャブラリーに酔わされて(^ .^)y-~~~ 高級クラブの勘違いしたネエチャンみてーな文章が鼻について(^-^; さ...続きを読む
  • 【電子特別版】オーパ!
    開高健によるブラジル釣行の一部始終。
    これ一冊でブラジルに行った気分になれる優れもの。グルメ書物としても素晴らしいものがある。
  • ずばり東京
    古本で購入。

    東京オリンピック前後、1960年代前半の東京を取材したルポルタージュ。
    戦後を引きずりながらも現代の東京へ確かに繋がる、「眼もなく足もなく日々生成をくりかえすアメーバの街」が活写され、当時の東京の雰囲気「におい」のようなものすら表現される。

    各項文体の異なる文章で構成され、それ...続きを読む
  • キス・キス
    面白かったー。最初の数ページで読者を世界に引き込み、中だるみさせずにいったいどう転ぶのかドキドキさせ、最後の1ページで一気に落とす。これぞショートショートなスタンダードの作りだけど、その全部がとにかく上手い…。執拗な愛着だと語る阿刀田氏がそう評したのも頷ける完成度の高さだった。感じたことは大体解説に...続きを読む