開高健のレビュー一覧

  • 珠玉

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    司馬遼太郎「十六の話」より
    *老医師、中華料理店主、阿佐緒は 全て 空の転じたもの
    *開高健は 「珠玉」によって みずからの生を送り、みずからの葬儀をしつらえ、みずから声明梵唄をとなえた

    開高健 「 珠玉 」3つの短編小説。最後の「一滴の光」だけだと変態小説だが、司馬遼太郎の書評を 参考に 3編連作の遺作として読むと、著者の死を迎えた空の境地が見えてくる

    珠玉=宝石=尊いもの。3編とも尊いものとは何かを問うている。「掌のなかの海」では 息子の記憶。「玩物喪志」では 作家としての志。「一滴の光」では 慈悲の世界

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    2018年01月15日
  • パニック・裸の王様

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    懐かしくて手に取り、「パニック」だけ読んだ。
    高校時代以来か。
    あの頃には分からなかった役人、というか大人の嫌な世界が、実感を伴って感じられた。が、それ以上に自然の前では無力化な人間の姿を描いた作者に思いを馳せられる作品。
    残りの作品も読もう。

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    2017年12月18日
  • 私の釣魚大全

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    日本、世界各地の釣り紀行。私は釣りは少年時代にやった時以来していないが、本作を読むと釣りの楽しさが伝わってきてまたやりたい気持ちになる。

    開高氏自身が楽しんでいる様子が非常に良く感じる。人生を楽しんでいる人というのはこのような人のことをいうのかと思う。

    釣りだけでなくその土地の個性的な釣り師との巧妙なやり取りも面白く、ついクスッと笑ってしまうところも多かった。

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    2017年11月14日
  • パニック・裸の王様

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    第38回芥川賞で、大江健三郎の「死者の奢り」と争って受賞した「裸の王様」を含む4つの作品が掲載されている。

    「パニック」…街に大繁殖したネズミ駆除を行う役所
    「裸の王様」…子供の絵画コンクールを巡る関係者の駆け引き

    など、扱っている題材はそれぞれ異なるが、
    どれも「組織」「体制」の中で、無力さを感じ葛藤しながらも一人奮闘する個人を描いている。

    どの主人公もまっすぐな熱血漢ではなく、自己中心的な心情を見せたり、他人の行動を冷ややかに観察し批判したり、?と思うところはあったが、同じ社会人として、「組織」の中で生き抜くには、一筋縄ではいかないこともあるのだよ、と同感する部分は多かった。

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    2017年07月17日
  • パニック・裸の王様

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    初めて読んだ。
    面白い。
    短編集ですが、どの話も、
    人として生きていく上で、
    抗うことの出来ない矛盾のようなものが
    あってとても良い。

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    2017年07月07日
  • パニック・裸の王様

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    開高健さんの情熱やパワーが詰まっていて、それに圧倒されました。文字に力強さがあって、のめり込むように読みました。
    パニックは、自然に対する人間の無力さが現れていて、最近の震災や原発の問題とかぶるところがありました。考えさせられる作品でしたね。

    #読書 #読書記録 #読書倶楽部
    #開高健
    #パニック #裸の王様
    #2016年49冊目

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    2016年05月27日
  • 青い月曜日

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    戦中戦後の騒乱を駆け抜けていく、恐らく開高少年の生き様で自伝的小説。"的"はいらないか。

    戦中の鉄道整備をしていた少年時代を書いた第一部は、第二部以降にくらべて、独特の熱に浮かされたような文体である。戦後の第二部以降は、綱渡りをするような、スリリングな唯一無二の人生を描く。

    第一部は読みやすいが、第二部以降は結構読みにくい。特に死体についての会話や改行のない情景の羅列は、内容も伴って、なかなか読み進めることが難しい。

    かといって難しくて読みにくい文ではない上に、ついグイグイと引き込まれてしまって、電車の乗換えを忘れてしまいそうになるほどである。

    また、当時の世俗を表すものとして、ステレオタイプではない当時の流行語などが、会話に挟まれている。これが非常にすばらしい。登場人物の行動が一気にみずみずしいものとなり、キャラクターが立ってくるのだ。

    よく考えて見れば、最近の小説ではそういった「無駄な会話」が行われるのは稀なのではないか。

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    2015年05月01日
  • 珠玉

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    「開高健最後の文学作品」というタグがあるらしいんですが、まあ、それはおいておいて。

     3つの石をモチーフに記憶や現在が描かれる”石小説”、もしくは作家本人の回顧、老境小説と呼んでもいいでしょう。
     光の当たりかたによって表情を変える石の煌きのように、人の人生も光の当て方でいろいろに映しだされる、記憶が引っぱり出される、もしくは今現在の輝きをふと感じる。

    「文學」というものは具体的に存在しなくてね、「文學する」「文學している」という状況があるのだ、というのはあたしの師匠の受け売りなんですが、人生の間に間に「文學する」瞬間がある。その瞬間瞬間を石の煌きにリンクさせた、というのが本作の、文学作品としての値打ちではないでしょーか。

     老境小説だなーって思って読んでいると最終話でいきなりふんだんなエロ展開が待っているので、期待していいぞ!

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    2015年04月21日
  • キス・キス

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    一昔前、BBCで放映、日本でも放送されたロアルド・ダール劇場予期せぬ出来事の原作が幾つか収録されている。
    ちょっぴり怖い作者のユーモアとストーリーテリングが光る佳品集。

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    2014年10月11日
  • キス・キス

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    ブラックユーモアたっぷりの短編集。

    ロアルド・ダールは児童書「チョコレート工場の秘密」しか知らなかったが
    わたしは風刺やブラックユーモアに満ちた短編小説のほうが好きかも。
    想像力をかきたてるような文章がたまらない。

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    2014年09月10日
  • 【電子特別版】オーパ!

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    開高健がブラジルで釣りをする本。表紙でもお分かりかとおもいますが、ピラーニャの恐ろしさを改めて知りました。それと、釣りは楽しそうだと素直に思いました。

    作者については、今あまり見ないとてもおしゃれな言葉遣いをする方だと思う。雲塊とか。
    当時のブラジルの様子も分かりますが、今またどうなっているのか、確認するためには自分で行ってみるしかないでしょうか?

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    2014年03月17日
  • 珠玉

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    石が買いたくなった。
    読んだあと、何か温かいものがとどまりつづける。
    すこしだけ開高健の人生を見ることができた気がする。

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    2013年07月27日
  • キス・キス

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    久しぶりにロアルド・ダールを読んだ。ピリリとしつつヒヤッとする楽しい短編が詰まっていてとても楽しめました。

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    2013年05月15日
  • 私の釣魚大全

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     釣りエッセイ。「釣りを知らないわたしが読んでも仕方ないんじゃないか……」とそこはかとなく不安に思いながら読み始めたのだけれど、何の、ど素人にもじゅうぶん面白かった。
     変わり種の釣りに挑むべく、リュックサックに釣り道具と原稿用紙を詰めて日本中の湖や川や海を巡った記録。書かれた時代が時代なので、数を減らしてゆく魚たちを惜しみ、破壊される自然を嘆きながらのエピソードが多くなる。
     語り口が軽妙で、釣れないときの負け惜しみなど、釣りそのものについてもつい微笑ましくなるような描写が多々あるが、それ以上に現地の自然のようすや、各地の名人たちの魅力的なエピソードに心を傾けた本だと思う。楽しい読書だった。

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    2013年03月09日
  • 【電子特別版】オーパ!

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    ネタバレ

    菊谷匡祐の解説によると、この作家はテーマを展開していくプロセスの文章表現に非常な情熱を注ぐからで、言葉が言葉と連結し、重層的に重なり合い、おそろしく密度の濃い文体ができあがります。
    そんな感じでブラジルフィッシング70日間の旅を描く!

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    2012年11月25日
  • ロマネ・コンティ・一九三五年 六つの短編小説

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    開高健はどれを読んでも面白い。これもかなりオススメできる。なにせ読みやすい。6編の短編小説が収録されている。うち、前から4つが面白い。タイトルにもなっている6編目のロマネ・コンティだけは平凡な気がする。

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    2012年02月29日
  • 珠玉

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    「玉」=・・・
    水晶で人の運命を見極める占い師を連想する本書。如何にも「神経質」な小説家っぽい小説である。一つの軸「玉」を守りながら展開していく。

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    2012年02月08日
  • キス・キス

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    映画化された怪作「チャーリーとチョコレート工場」など、特に児童文学で有名なイギリスの作家・ダールの短篇集。

    素朴なユーモアストーリーと見せかけて、毒と恐怖をほんのり混ぜてくる所が素晴らしい。幼少期からこんな人のこんな話ばっかり読んでりゃ、そりゃイギリスジョークもバリバリになるわな。感想を読んで興味を惹かれた方は、ぜひお子様に読み聞かせていただきたい。

    1.女主人
    下宿を探しにやってきた小さな町で学生の少年が出会った女主人。台帳に書かれた失踪者の名前と動物たちの剥製が嫌な展開を想起させるが、想起させるところで終わりの掌編。

    2.ウィリアムとメアリイ
    難病で死んだウィリアムが妻メアリイに残した手紙には、脳を取り出し生き長らえる実験に参画するまでの経緯が記されていた…。脳だけになった夫を前に、抑圧され続けた妻の歓喜が溢れるラストは、自分が「どちら側」にいると思っているかで感想が変わる。自分がウィリアムの立場なら発狂モンだなー。

    3.天国への登り道
    「待ち合わせ時間に間に合うか」を必要以上に気にする神経過敏の妻に対し、主人が嫌がらせを働く話。読みきったときにタイトルの皮肉に気づく。この作者は本当に亭主への意地が悪いな。

    4.牧師のたのしみ
    こち亀ばりのベタなコント。田舎で掘り出し物の骨董品を買い叩き高値で売りさばく男がど田舎のボロ屋で見かけた極上のアンティーク箪笥。朴訥フェイスな住人と口八丁で何とか購入契約を結ぶが…。主人公の灰化シーン直前で物語を打ち切る構成がクール。

    5.ビクスビイ婦人と大佐のコート
    大佐との不倫を楽しんでいた妻が、手切れにと貰ったミンクの高級コートを我が物とするため四苦八苦する、これまたジョーク心満載のいいコント。「アメリカは、女性が恵まれている国である。」から始まる、アメリカ人男性の悲哀を淡々と語る冒頭のシークエンスが最高。この話は夫勝利エンドだが、それも基本的には「酒場で男同士で語られる空虚な慰め話」であると釘を刺されているのが辛すぎる。

    6.ローヤル・ジェリィ
    ミルクを飲まない赤ちゃんに、養蜂研究が趣味の夫が与えたものとは…。今じゃすっかり有名なローヤルゼリーだけど、調べたら栄養補助食品としての効果を裏付ける科学的研究は発表されていないらしい。へー。そもそも赤ちゃんにハチミツ与えちゃダメ、ってのも、当時はあまり知られてなかったのかなぁ。現代だとそっちへのツッコミが入って物語趣旨へのノイズになっちゃうんで、さすがに「賞味期限切れ」の物語かなぁ。

    7.ジョージイ・ポーギイ
    超奥手な若神父(でもムッツリ)の苦闘。シュールなオチより、彼の幼少期のトラウマ「お母さんから授かった性教育でウサギの出産を見てたら母ウサギが生まれたての子ウサギを食べちゃって絶叫」のハイレベルさが際立っている。そりゃ心折れるよ。

    8.誕生と破局
    「ある男」が産まれた直後の病室を切り取った数ページの掌編だが、実在人物である「ある男」の正体が明らかになるシーンは戦慄。

    9.暴君エドワード
    迷いネコの前世が大作曲家のリストだと言い張るプッツン嫁と、そのネコを火にくべるプッツン夫とのやりとり。これまた「貴方はどっちに感情移入できる?」が試される。

    10.豚
    不条理ノワールの傑作にして、グリム童話の新作として子供に読ませたいけど読ませたら絶対ヤバい大問題作。くっだらない事故により生後数日で両親を失ったレキシントンは、田舎に住む超ベジタリアンの叔母の元で料理の才能を開花させていく。彼女の死後都会に出たレキシントンはレストランで初めて豚を食し…。それまでの写実的な展開から一変、ラストの不条理さはぶっ飛び過ぎて何度もページを読み返してしまうほど。

    11.ほしぶどう作戦
    領主の禁猟区で雉を大量ゲットするべく、冴えない2人組が一大作戦に挑む。干しぶどうを使ったこの作戦、実際に効果ってあるのかなー。

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    2010年11月21日
  • 珠玉

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    中学~高校の頃、愛読していた開高健。久しぶりに氏の文章と交わりの世界を堪能した。氏の影響を自分が心の奥深くで受けていると感じた。開高健の世界には、これからも帰る時があるだろう。

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    2010年10月09日
  • 破れた繭―耳の物語*

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    開高氏のエッセイ。幼少時代~大学時代まで。

    文学の世界や自然世界に魅了されて過ごした思い出や、戦後の働きづめだった思い出。

    氏の目を輝かせていた日々や、悶々としていた日々が描かれている。

    一読して、氏のとても繊細で過敏な気性を感じることができるけれども、どれだけの暗い言葉や表現を目にしても、なんだか愉快で笑えてくるのが不思議でならない。

    ひょんな成り行きで、お金も未来もない贋大学生(=開高氏)が、結婚するはめになってしまうエピソードなどは、とっても愉快爽快。

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    2010年04月25日