【感想・ネタバレ】破れた繭―耳の物語*のレビュー

あらすじ

古今東西、あるゆる方法で自伝は書かれた。しかし、《音》によって生涯が語られたことは、まだない。――少年の耳に残る草の呼吸、虫の羽音。落下してくる焼夷弾の無気味な唸り。焼跡に流れるジャズのメロディ。恐怖とともに聞いた「できたらしい」という女のひと言……。昭和5年に大阪に生れてから大学を卒業するまでの青春を、《音》の記憶によって再現する。日本文学大賞受賞。

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Posted by ブクログ

開高氏のエッセイ。幼少時代~大学時代まで。

文学の世界や自然世界に魅了されて過ごした思い出や、戦後の働きづめだった思い出。

氏の目を輝かせていた日々や、悶々としていた日々が描かれている。

一読して、氏のとても繊細で過敏な気性を感じることができるけれども、どれだけの暗い言葉や表現を目にしても、なんだか愉快で笑えてくるのが不思議でならない。

ひょんな成り行きで、お金も未来もない贋大学生(=開高氏)が、結婚するはめになってしまうエピソードなどは、とっても愉快爽快。

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2010年04月25日

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