>「最終兵器彼女」の大ヒット以来、ファン待望の久々のスピリッツ復帰作。巨大な花のほとりで夫を待ちながらひたすらエコライフを送る奥たんの日常は、ほんわかしつつ、意外にきびしい!
とのことで。
謎の巨大な花が東京を占拠し、その花のまわりは未知の領域で、そこへ行った人はそれきり帰ってきません。町の人々が次々に他のところへ引っ越すなか、奥たんはずっと旦那たんの帰りをミニウサギのP子といっしょに待ち続けています。
あそこへ行った人は、東京にいた人たちはみんな死んだんだ!とあきらめて追悼をする人々。死んでいない!まだわからないじゃないか!とそれに反発する人々。政府により規制される食べ物や暮らし。
そんな喧騒には目もくれず、野菜の世話をし、掃除洗濯をし、買い物途中でいろんな発見をし、そんなささやかな暮らしを送る奥たん。
奥たんの日常を描いたお話なのですが、話の最後にはいつも、手にいれた食材でごはんを作るシーンがとても鮮やかに描かれます。普通はモノクロなんですが、レシピに使用する食材はカラーにしてあって、それがどんどん調理され、おいしいごはんに変わっていく過程が見ていて楽しい作品。そして、すごくおいしそう!食べることの大切さ、食べることで生きていくことの大切さを改めて考えさせられます。また、そのレシピが載せられているので、自分で再現することもできますよ!
花の咲く森に行ったきり帰ってこない旦那たんを、愛のこもったおいしいごはんを用意して待っている奥たん。ごはんを通じて、旦那たんとの色んな思い出を 思い返しながら、顔を赤らめたり、センチメンタルになったり、むっとしたりする奥たんの表情。その表情から旦那たんへの想いの深さと奥たんのけなげさ、そして、芯の強さが感じられます。
作家さん自身が実在の場所を取材し、自分で料理を作り、長い長い時間をかけて作られる漫画なのだなぁと読んでいて実感しました。
セリフやモノローグも胸にしみるものが多く、繊細で丁寧なタッチもとても好きです。ほのぼのとした雰囲気のなかにも、ハッとさせられたり、改めて考えさせられたり、涙してしまいそうになるシーンもあり、本当に素晴らしい作品だと思います。是非、多くの方に読んでもらいたい本です!