あらすじ
ちせを自衛隊に引渡し、生まれ育った街へと戻ったシュウジ。ある日、ちせとの約束を思い出したシュウジは、ふたりが初めてキスした場所を訪れる。そこには、途絶えてしまったはずの交換日記と、新たに再生した「ちせ」が居た…!! スピリッツ連載時の原稿に大幅加筆し、通常の単行本を大幅に越えたボリュームで贈る『最終兵器彼女』クライマックス!!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ただひたすら悲しくて、空虚で、ディストピアな終わり方だけど、あとがきを読んですごく納得した。誰もがこういうときがある。恋愛を描いたのだけど、戦争という装置の歯止めのなさも大きな背景。どちらに揺れるかで評価が分かれるが、私は両方を行きつ戻りつしたことで、本作を名作と評価する。
Posted by ブクログ
イチバン好きで、切なくなる巻。
ふとした戦争が世界の滅亡まで至る。
そのなかで必死に恋をして、生きて…
感動するけれどもやっぱり虚しくて切ない「うた」です。
あと、セックスシーンがやばすぎる件。
Posted by ブクログ
再読完了。ここまで純粋で、切なく、救いが無いストーリーってあるだろうか?
最強の鬱漫画である。が、ここで起こる事象は未来必ずいつか起こる。もっと救いようが無く。
Posted by ブクログ
姉からもらったので久し振りに読んだ。
あとがきに、不要になったら人に譲って、と書いていたのにぐっとなった。
誰かにとってらなくなったもので、また誰かが心を動かすってすごいな。
たくさん泣いた。やっぱりすきだと思った。
一番泣けたのは、シュウジが最後に両親のもとに挨拶に行くところ。
彼の人間の部分と、覚悟を見た気がした。
Posted by ブクログ
ここまで鮮明・純粋・素直にキャラクターの感情や世間と見つめる漫画はないと思いました。【こんな私でも恋してるんだ】っていうセリフに涙がとまらんでした
Posted by ブクログ
電車内にあった「最終兵器」や「彼女」という言葉を見て「彼女が最終兵器だったらイヤだな」という作者の思いから始まった物語。
エヴァンゲリオンに始まるとされるセカイ系作品を固有のジャンルとして位置づけた作品の1つとも言われる。
はっきり言えば、謎だらけです。ですが、そんな謎を答える事に内容が割かれていないからこそ、良い作品に仕上がったのだろうし、また、読者が登場人物に近づけるのだと思う。
キャッチコピーは「この星で一番最後のラブストーリー」
北海道の田舎地に住む高校生、シュウジとちせ、この二人の恋は、本当にどうでも良いことから始まる。ちせが度胸試しに、と目つきの悪い(根は優しい……というより、優しすぎる気がするのだが。ちせは一応、シュウジに興味はあったらしい)シュウジに告白をした(ちなみに二人は中学時代も同じ学校だった模様)。シュウジは断ると思いきや、何故か応諾してしまう。だが、典型と言える、不器用なお二人、ぎこちない交際で一度は決裂の危機に……。
そんな中、日本は(多分)世界を相手に戦争を始めた。理由は明らかになっていないが、おそらく日本が「人類にとって最後の住める土地」だから。そんなことになろうとは知らず、シュウジはちせ(当人はドタキャンした。理由は……)のために友達と札幌に出かけた。だが、札幌で楽しく(?)買い物をしているシュウジはとんでもない光景を目にすることとなる。
空襲。それを撃墜する自衛隊機。やがて、何かが落ちてきた。そこでシュウジが目にしたのは、兵器として体を改造されたちせだった……。
普段は高校生としてちせは生活しているが、戦闘を経験する毎に兵器として成長する。また、それに伴い、戦争も激化、シュウジの周囲では多くの、大きな変化が起こる。また、兵器として成長するちせは、やがて日本側からも「悪魔」や死神などと呼ばれるようになり、“薬”がなくなっていくにつれ、“人間である”彼女は“兵器である”彼女に侵食されていく。
最初、ちせの力が強力になればなるほど、階級が上がるのはまるでRPGだな、と思いましたね。
ラストは本当に良いです。全7巻と少なめなのも良い点です。一応、青年誌掲載作品です。
Posted by ブクログ
「人は…誰だって…誰も、死にたくなんかないんだ!」「思い出したくなかったんだよ?シュウちゃんのことなんか、本当に、本当に。」
…誰かを守り、愛するということ。あるかどうかもわからない明日を、それでも信じて“生きていく”ということ。シリーズ完結。
Posted by ブクログ
とにかく切なくなります。
いまだに読み返しては泣いてしまいます!!
恋すること、愛すること…。
ちせとシュウジ、互いを思う気持ちの大きさに胸を打たれます☆★
これから読む人は、ハンカチの用意を忘れずに。
Posted by ブクログ
泣きすぎて本がしょっぱくなっちゃいました。二人に永遠の幸福があるといいです。欲を言えばちせがなんで兵器になったかのエピソードがあるとこれは大きな社会問題を起こしていましたかと。
地球がこのようになるのはそう遠くないと私は思う。
Posted by ブクログ
ちせはかわいい。
だが、のろい。
チビだし気が弱い。
おまけにドジっ子で
成績も中の下。
世界史だけが得意。
口癖は「ごめんなさい」
座右の銘は「強くなりたい」
ぼくたちは、恋していく。
生きていく。
Posted by ブクログ
◆ネタバレがありますので未読の方はご注意ください
※読後に気になったことをバーーっと書き出したメモであり全然まとまっていない。
なんだかわからないが胸にズシンときてしまった。感動したというのとは違う。深く突き刺さったというかんじ。それは決して嫌な痛みではないが、快感という訳でもない。
「シュウジ」と「ちせ」。ふたりの高校生の純粋でまっすぐな恋の物語(愛の物語ではない)。その「想い」の部分は圧倒的な純粋さで迫ってくる。このような異常な状況に置かれても、果たして恋人のことを全面的に受け入れていけるだろうか?
ただの女子高生が「最終兵器」となってしまい、最終戦争に巻き込まれ地球の滅亡を目の当たりにしていくというとんでもなく一大事な設定はカフカの「変身」的唐突さだが、それが「恋」という思春期の少女の一大事とまったく並列に語られていくところがすごすぎる。「地球はもうダメです」という事実が交換日記につづられているというのもすごい。
ちせは途中から自分が敵を殲滅すること、人を殺すことをあまりにもあっさりと口にするようになる。誰がのHPに書いてあったように人格が崩壊している? ちせの機械の部分が生体の部分を食い荒らしたということからも、完全なマン=マシーンではなく、人間から機械へと変わっていってしまっているということか。マン=マシーンの負の身体性、機械に浸食される身体をここまで強烈に描いた作品も少ないだろう。それは浸食される身体がただの恋する女の子であり、さらに自らが兵器=殺人の道具となることを半ば受け入れていることにより、その哀しみと痛みは増幅される。
その意味では自分が以前より考えていた異形の者の哀しみとは少し質が違う。異形であるが故に周りから疎外される哀しみではなく、異形になっていくことを半ば受け入れつつもそれが恋人を苦しめることになってしまうという哀しみである。「クラスメイトに戻ろう」。
バトロイド美少女というアニメ的おなじみキャラクターの存在意義をここまで膨らませたのはすごい。この作品はそういうキャラクター的視点で語られるものではない。その意味ではコナミがゲーム化したというのはちょっと理解に苦しむ。
逃げ出したふたりが漁港で過ごす夢のような14日間、その中で「壊れていく」ちせが切ない。
戦争の緊迫感が伝わってこないのは、シュウジたちの日常の感覚なんだろう。作者はインタビューで「シュウジの視点に立って、リアリティーとして必要のないものは省いていった。連載当初、担当編集者とつい、戦争の全体状況とかちせのテクノロジーは、といった話に入ってしまった時は、第1巻の最初のページに書いた「ぼくたちは、恋していく」、ここに立ち返ろうと話した。すべてを把握する「神の視点」はこの作品にそぐわないし、自分に合わない。」と言っている。
戦争の悲惨さが描ききれているかといえばそんなことはないだろう。ただアケミがシュウジへの思いを告白し、血を吐いて死んでいくシーンは胸を詰まらせる。「もう女の子の体じゃないから」と拒否するアケミの体を見て「キレイだ!興奮する!」と叫ぶシュウジ。
人殺しとしての兵器であるちせ。それを許したシュウジ。だが本当にそれでいいのか? ちせ自身が兵器となってしまったからそこには許しがあったが、これが兵器を操縦する人間だとしたら? 戦争で人を殺すのは許されることなのか? それでは第二次大戦で戦った人たちはすべて死ぬまで許されないのか?
「あたしひとりが我慢すればいいことだから」といったようなちせのセリフは、街を消し去り大量殺戮を繰り返し、死の平野を見続けてきた少女が発するには、兵器としての彼女の孤独や悲しさといったありていの言葉を越えてあまりにも重く感じられる。
物語の最後でシュウジは地平線まで続く死者を見る。それはちせが戦いの中で見てきた風景であり、読者の前にも初めてさらされる。兵器としての彼女の苦しみ・哀しみ(という言葉でさえ陳腐になってしまう)がシュウジにもわかり、彼は死んでいった人たちに「ごめんなさい」と嗚咽する。ちせがいつも「ごめんなさい」とあやまってばかりいたことと呼応するのか? この「ごめんなさい」は彼がちせを「選んで」しまったことに対してなのか?
思い出の展望台でシュウジとちせ(だったもの?)が結ばれるシーンとラストの「船」が地球を離れていくところに違和感を感じてしまった。両方とも一番肝心なシーンのはず。自分はこの作品に100%(どころか肝心なシーンがダメだったのでかなり低め?)はシンクロできなかったのだろう。
兵器であることを越えてお互いを大切にし合おうというふたりの(とくにシュウジの)想いは、「たとえ他のものを犠牲にしても!」というかなりギリギリ感のあるものであり、そのギリギリ感が読んでいて息苦しくなるほどの切迫感となった。それなのに前述の2ヵ所のシーンにはそのギリギリ感、切迫感がなく、ふたりだけの世界で完結してしまっているように思える。
展望台のシーンでは、最初ちせがシュウジのことを覚えていない。ちせはもう完全に兵器になってしまったのだろうかと思ったが、体を重ねるうちにだんだんと思い出してきて、最後は昔の調子に戻ってしまう。このあたりがなんとなくありがちな感じがして違和感の原因のひとつでもある。
「最終兵器として殺戮を繰り返す彼女」という異常な物語設定から、人間の倫理観を揺さぶるようなラストになるのだろうか? と思っていたため拍子抜けしてしまったのかもしれない。漁港での14日間のときだったろうか、シュウジの「俺がおまえを殺すから」というようなセリフがあったが、そういうギリギリ感があると思っていたのだ。
最後にちせが声だけとなってシュウジに語りかけるのはよかったんだけどな。あのまま映像イメージは出さないほうがよかったのでは?
でもやはり最後にちせが「船」となって宇宙に飛び立つというのはちょっとやりすぎというか…。マン=マシーンと化したちせを取り戻す意味でも最後はゆっくりと滅亡に向かっていく地球の上、夏の北海道の自然の中で終わったほうがよかったなあ。
恋は盲目である。二人の恋を純粋にまっすぐに感じられた人はあのラストを受け入れられるのだろう。作者は人生の中である一時だけこんな物語を受け入れられるときがある。何年か経って違うと思ったら誰かに譲ってくれというようなことをあとがきで書いていた。それが高校生というか思春期という時期なのかもしれない。そもそも恋とはそういうものなのではないか。シュウジが最終兵器であるちせを受け入れるということは、すでにこの世界よりも彼女を選んだということだ。それであればあのラストもなんら不自然ではない。
肝心なところでシンクロできなかったからといって、この作品が悪いというわけではない。そういう点を差っぴいても胸にかなり深く突き刺さるものがあったのは事実だ。少なくともラストシーンが俺の感覚に合うものだったなら、俺にとっての大傑作になっていたかもしれない。そう思うととても残念なのである。
札幌空襲で墜落したちせをシュウジが見つけたところで見開きタイトルが入るのがかっこいい。これがやりたかったんだろうな。
余談だが、キャラクターがしょっちゅう2頭身になるのはどうしても受け付けない(笑)。20020820
-----
BSマンガ夜話で「最終兵器彼女」がお題となっていた。
掲示板の書き込みを見ると10代はそのまま受け取っている。まさにある時期だけ受け入れられる作品。
CGの意識的使い方。
自覚的演出。確信犯的。
岡田斗司夫による母と子の絶対的な関係との読みはなるほど。
でも誰も殺人兵器ということに言及しない。
ちせは自分の戦争における役割を自覚しているし、途中からはそれを肯定?している(少なくとも否定していない)。彼女が戦うことで街がいくつも消え、恐らく数万ではきかない人間が死んでいる。でも最終兵器、最終戦争というあまりの非日常性がそれを麻痺させてしまっている。
これが最終兵器ではなく、自分の行為を半ば自覚している連続殺人犯のストーリーだったらどうなのだろう。10代の読者は同じようなピュアなラブストーリーと受けとめられるだろうか。
ちせが「あたしが出てかないと(戦わないと)しょうがないでしょうが」と言って微笑むシーンを指していしかわじゅんだか夏目房之助だかが、「菩薩と不動明王が一緒になったような」ということを言っていて、ああなるほど、そういうことかと思った。
善と悪の一体化、負の聖性、鬼子母神みたいな観点で捉えるとなんとなく見えてくるような気がする。そこを追及すれば人間の倫理観みたいなところに入っていくはずで、やはりそれをねぐってしまったのであれば、最終戦争、最終兵器は恋愛をよりドラマチックでピュアに盛り上げるための引き立て要素に過ぎない。そのためにヒロインに数万の人間を殺させるというのは、いくら確信犯的に恋愛マンガを描いているといってもやはり合点がいかない。
シュウジがちせを選ぶのであれば、そこには通常の倫理観を覆すような「痛み」が伴わないとこの物語設定のうえでは正当性を持ちえない。例えばシュウジも自覚的に人を殺してしまうとか? 20021107
Posted by ブクログ
全7巻。最初はタイトルを見て「どんな話だ」と吃驚したが、読んでみてタイトルに納得。ちせとシュウちゃんのたどたどしいながらも一歩ずつ進んでいく姿が胸を打つ。
Posted by ブクログ
これはエロ本ではありません。最終巻だけ描写代わりと多いだけ。
地球最後の恋ってのがキャッチフレーズだけど、その通り。
切なく、痛く、淡い、高校生の恋愛。
すごくすごく切ないです。切ない中での2人の一生懸命さが
他にはない空気と魅力を放ってまする。
ちせはカワユス
Posted by ブクログ
題名はオタクっぽいが中味はいたってまとも。恋愛漫画ではあるがむしろ人生漫画に感じる。読んだら鬱になること必至。感じ、考えさせられることはとても多い。
Posted by ブクログ
とにかく切ない。
作者のあとがきを見てみると「彼女が最終兵器だったらこわいなぁ」から始まったようですが、そんなところからこんなに凄い作品になるなんて!
最終兵器に入るならば、ぜひ実写とかよりも原作をまず最初に見て欲しいです!
Posted by ブクログ
1巻だけをどこかで読んだことがあったので
機会があれば最後まで読みたいな〜と思ってたら、意外な線から借りることができました。
・・・えーとネタばれだけど、もう古い作品だから別にいいよね
これは地球が死んでゆくお話のサイドストーリーなわけです
謎の戦争が、なぜこんなに急激に世界各地で広がって取り返しがつかないことになったかというと
やはり、「地球が終わってしまう」という前提があるからだと思いました。
そんでそういう情報は、ごく一部の限られた人間だけが知っていて(日本ではちせ以外知らないと思われる)
最後の世界大戦(というか無差別攻撃っていうか)に発展したんだと
そういう解釈です。
面白かったけど、かなりしんどい作品だったなぁ
Posted by ブクログ
同じネタで引っ張りに引っ張って遂に7巻まで引っ張った。ひっぱんなかったら半分いかで話が収まると思う。
「細けーコト気にすんじゃねーよ!」的な強引さで、でっかいことまで完全に放置して、主人公達だけに話の焦点を絞りきった。
だから、まぁ主人公達の恋愛模様は結構感動するし面白いんだけど
ストーリーの背景にある戦争の説明一切無し!
最終兵器になっちゃった云々の説明も一切無し!
ちせが「なっちゃった」っていったらなっちゃったんだよ!みたいな。
雰囲気で読めば良いんだよ!!みたいな。
ホラ主人公の二人可哀想でしょ!結ばれて欲しいでしょ!結ばれましたよ!よかったネ☆
って漫画。
Posted by ブクログ
この作品の凄い所は、安易に「そしてこれ以降二人の姿を見た者はいない」EDではなく、地球滅亡、その後の二人の姿まで描ききったことだと思います。何故ちせが最終兵器に選ばれたのか、ちせの姿を変えたのは誰なのか、敵は誰だったのか等結局明かされませんでしたが、途中にそれを想像させるような描写があって匙加減がいいよなあ。あとがきでも書かれていましたが、『最終兵器彼女』はシュウジとちせの恋を描いたもので無闇に脱線しなかったのは凄い。
Posted by ブクログ
最初はいきなりの設定(彼女が最終兵器になっちゃった!!)についてけなかったのだけど、7巻まで読み進めるとあら不思議、全然違和感ナシ。切ない恋愛まんがとして楽しめると思います。
Posted by ブクログ
もしも自分の大切な人が兵器だったら…?重い…。ひどく重い。読み終わったあと、切なさとやりきれなさでいっぱいでした。いろんなことを考えさせられる作品です。
Posted by ブクログ
昔アニメでちらっと見た時にはどうも受け付けなくて、今なら共感できるのでは…と遅まきながら読んでみた。
誰もがそれを重く受け止める事を迫られるような倫理的で大きな問題と、ごくパーソナルだけど自身の生にとって身近で切実な問題とを、天秤にかけたらどうなるかと考えてみるとタテマエではやはり前者を優先してしまう心の動きがあって(本音ではまたちょっと別なのだけど)、それが後者の問題を中心に据えたこの漫画を読んでいる最中ずっと違和感を拭い去れなかった原因なのだろうと思う。
この漫画で泣ける人は多いのだろうし事実私もそうだったのだけど、それはこの漫画が特別良く描けているからというよりは、ひろく涙を誘いやすい設定や展開を選んであるからという気もするし(あえて不器用なちせを兵器として設定したのだと思う)、ところどころぐっとくる描写に出会う一方では、二人が生きのびる事がここまで膨大な人々の命や生活を代償とするのはどういう事なのか、生きのびる事で償おうというのはこの場合どこかピントがずれて(ずらされて)いないか?だとかごちゃごちゃとどうしても考えてしまう。戦争漫画としてではなく「自分と誰か大切な人との関係」というミクロな視点で読まないと感情移入できないのだと思う(作者のあとがきからもそういう意図を感じた)
私にもようやくそういうミクロな関係性が、大切で近しいものとして少しずつ実感できるようになってきたせいか、以前よりは多少は心に響くものがあった。それでも二人の切ない恋愛というテーマが先行しすぎている感があって、その二人の生きる舞台の描かれ方が希薄だという感じは否めず、兵器について、そもそも戦争そのものについて、納得のいく説明が(というか説明そのものが)なされていないせいで余計違和感が残ってしまったのだと思う。あの終わり方もどうよ、と。丁寧に見つめ続けないといけないポイントがぼかされてうやむやにされたまま終った気がしてならなかった。
結局「泣けはするんだけどなんか納得いかんなー」という感じです。
ただ「私一人が我慢すればそれで全て丸くおさまる」という考え方自体は私にも否定できないものであるにしても、それを口に出すのは…と潔癖な事を思ってしまうあたり、私はまだ近しい人にちゃんと優しく出来ないのかもしれない、と思ったりも。