村岡花子のレビュー一覧
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医師のギルバートをささえるアンの生活を描く。前半は夫のおばとの暮らしが書かれる。こうした「何でもつまらなく」してしまう人というのはどこにでもいるものである。日本のホームドラマでもよくある嫁姑の関係である。だが、こうしたままならぬ人間関係に直面しても、ノイローゼにもならず、アンは柔軟な心を失わない。なかなか実際にはむずかしいことであろう。現代では下手をすればDVに発展しかねない。後半は6人の子供達の起こす事件が巧みに描写されている。子供のいだく恐れや、友だちからの嫉妬などは、子供の心理をよく捉えている。また、子供を育てるアンの「母としての智慧」には学ぶべき点が多い。最後に、結婚生活の倦怠期に陥り
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アンとギルバートの結婚式からはじまり、港町グレン・セント・メアリーでの新婚生活を描く。登場人物はそれほど多くない、独身の老いた船乗りジム船長・オールドミスのコーネリア・レスリー・オーウェンなど。とくに、記憶障害者の夫の世話に拘束され、人生に絶望しているレスリーとの関係では、アンは嫉妬というものを初めて向き合うことになる。アンの流産を通して、レスリーとの間に友情が芽生え、思いがけない方法で、レスリーが夫から解放され、小説家のオーウェンと結ばれていく過程は、爽快感があります。この辺りの展開は小説としてもよくできています。男ぎらいのコーネリアはちょっと戯画化されすぎており、しかも、最後に結婚するのは
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高校の校長となったアン・シャーリーの生活を書いている。有力者との確執とその解消、隣人である少女との心の交流、ウィンディ・ウィロウズの生活などが美しい言葉で綴られる。印象ぶかいのは、副校長キャサリン・ブルックスとの交流で、皮肉をいうことでしか人に印象を残すことができない彼女が、アンと出会い人生の扉を開き、変わっていく様子は感慨ぶかいものである。また、際限のない心配性の老女や、病的に気むずかしい老人や、不可解な行動をする恋人たちがむずばれる様子や、アンの生徒たちの様子など、どこにでもいる(実際に似たような人が日本の片田舎にもいる)人々とのままならぬ関係など、とても面白くよんだ。多少面白おかしく戯画
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アン・シャーリーは脇役でしか出てこないが、面白い短編集だ。内容は主に3種類の話が入っている。1)おかしな求婚のようすとハッピーエンド(「ルドビック」「隔離された家」)、2)すれ違ってしまった恋人たちの復縁(「ルシンダ」「オリビア叔母さん」「縁結び」「争いの果て」)、3)老人・女性の救済(「めいめい自分の言葉で」「小さなジョスリン」、音楽や歌によるもの。「ショウ老人の娘」「競売狂」「カーモディの奇跡」は幼子による)。もっとも長い短編「ロイド老淑女」は、2と3の話の混在形態で、昔の報われなかった恋愛・周囲の誤解や隣人愛・老人の心の救済といったことが、ロイド老淑女とシルヴィア・グレイを中心に語られて
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筆者は田舎プリンス・ネスビット島で育った自身の少女時代も作品に投影した。筆者を理解するために、紹介分を読んだ。孤児でありアンさんは11歳で外を出て、クィーン学院を卒業するまでの少女時代 5年間を描いた『赤毛のアン』は人気作となり、モンゴメリーはアンを主人公とする続編や周辺人物にまつわる作品を多数著しているって。モンゴメリーはイウリン・ネスビットの写真を雑誌から切り取り、書き物机の上に貼り、主人公アン・シャーリーのモデルにした。その本を読んだきっかけはタイトルだった。人としてタイトルでいいが、どうして赤毛もポイントなの?本を読むと、それは自分もわかった。アンさんは孤児だからこそ、友達の大事さがわ
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正直「赤毛のアン」は前作までかな、という気がします。ここからは子どもメインなので、蛇足もありますね。
あまり面白いストーリーではありませんでした。
モンゴメリが出版社から続編を期待されて、実生活は苦労の連続だったのに書き上げた、という背景がよく分かるような気がしました。