池田雅之のレビュー一覧
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たまたまUnlimitedに入っていたので読んでみた(いま途中)。忘れないうちにいくつかの点を書き留めておきたい。
1915年の講義において、小泉八雲は次のように述べている。(「文学と世論」)
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中産階級が国家の財力を代表しているような西洋諸国においては、世論がほとんど決定的な力を持っているといえる。イギリスにおける最大の力は、世論である。・・・・
この世論こそが、戦争に対して賛成か反対かを決定する力であり、改革に対して、賛成か反対かを決定する力でもある。
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新聞はこう言った問題について、正確な知識を広めると言うよりも、むしろ偏見を作り出すことのほうがいっそう多い -
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1890年にアメリカから来日したラフカディオ・ハーン(後に帰化して小泉八雲)が日本各地(主に山陰)を遊行した記録をまとめた本。
ハーンは本書の中で日本、日本人について絶賛している。日本の美しい風景、ありのままの情景、日本人の伝統的徳目、慎ましい態度、愛嬌、信仰、迷信にいたるまであらゆるものを褒め尽くす。
それらの動機にはハーンの西洋的価値観、特に一神教への反発やハーン自身の個人的原体験があると言われており、あまり冷静かつ客観的なものだとは言えない。ただそれでも、明治中期のありのままの日本を描いた資料として有用である。
そうした文化資料的側面は一度置いても、単純に旅行記として面白い。ハーンの -
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ネタバレ目次
・はじめに
・東洋の第一日目
・盆踊り
・神々の国の首都
・杵築――日本最古の神社
・子供たちの死霊の岩屋で――加賀(かか)の潜戸(くけと)
・日本海に沿って
・日本の庭にて
・英語教師の日記から
・日本人の微笑
・さようなら
まずラフカディオ・ハーン(小泉八雲)に「ありがとう」と感謝を述べたい。
当時、極東の未開国扱いだった日本の良いところをこんなに見つけてくれて、世界に発信してくれて。
今、誰かが「神の国・ニッポン」などと言おうものなら炎上間違いないけれど、彼が日本にいた明治の後期、日本はまだ神と共に在る国だったんだなあ。
それは、神である天皇のために死ぬなんてことでは全然なくて -
Posted by ブクログ
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが来日当時の日本の文化・生活をつづった随想録。文体は生真面目だけど日常的な言葉遣いで読みやすいです。
西洋化しきっていないかつての日本を事細かに描写していて、実際に見たわけではない風景ながら郷愁を感じられます。
……はいいのですが、随所に挟み込まれる西洋出身の筆者による舌鋒鋭い西洋disで目を白黒させられてしまった。
キリスト教文化に馴染めなかったという小泉八雲がこんなにも日本を愛しているのを見ると、生まれたまま漫然と日本人でいることが申し訳ないというか、自己の郷土愛というものを顧みなければならないような気分になりました…。 -
Posted by ブクログ
目次:
はじめに
東洋の第一日目
盆踊り
神々の国の首都
杵築(きづき)――日本最古の神社
子どもたちの死霊の岩屋で――加賀(かか)の潜戸(くけど)
日本海に沿って
日本の庭にて
英語教師の日記から
日本人の微笑
さようなら
ラフカディオ・ハーン略年譜
訳者あとがき
※ 本書は、「訳者あとがき」にあるように、「『知られぬ日本の面影』(Glimpses of Unfamiliar Japan,1894)の翻訳アンソロジー」、つまり抄訳である。「序文」を含め凡そ27篇の原書のうち、本書が訳出するのは11篇に過ぎず、それゆえの「新編」であることを注意されたい。訳者が27篇からこの11編を選んだ