梯久美子のレビュー一覧
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原民喜と言えば、「夏の花」で「原爆文学」。そんな貧弱な文学史的知識しか持たず、国語の教科書にほんの少し抜粋されていた文章しか読んだことがなかった。この評伝を読んで初めて、ああ、こういう人だったのか、こんな孤独な魂の持ち主だったのかと、一人の人として目の前に現れてくる気がした。
以前著者が小林多喜二について書いていたときも同様のことを思った。教科書の平板な一行だけの記述の背後で、失われていくその人の切実な人生を、梯さんは丁寧な取材でよみがえらせ、そっと目の前に差し出してくれる。圧巻の傑作「狂うひと」とはまた違い、静かな悲しみをたたえている一冊だ。
原民喜が自死を選んでいて、しかもそれが鉄道自 -
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「狂うひと」がとてもよかったので、梯久美子さんの未読の著作をさかのぼって読んでいこうと思い、まずこれを。
兵士として敗戦の日を迎え、戦後の人生を生き抜き、それぞれの世界で一流となった方たちへの聞き書き。戦時中の体験はどの方も壮絶で、つくづく軍隊というものの恐ろしさを痛感させられる。それだけでも充分本として成立しただろうが、戦後をどう生きたかということにも多く筆が割かれていて、そこがとても良かった。
当然ながら、置かれた状況は異なるし、戦後の歩みも違うわけだが、戦争で死んでいった人たちのことをずっと胸に抱いている点は共通している。生き残ったこと、自分が生きていることの意味を問い続けずにはいら -
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出版されたのが、7年前。私が読もうと思ったのは、文庫になってから。もっと早く読めばよかった。三國連太郎さん、水木しげるさんがご存命のうちに。だから、どうだってこともないんだけれど。
金子兜太さんも、大塚初重さんも、池田武邦さんもお元気でいらっしゃるのが素晴らしい。
それはそうなのだが、兵士として戦った方が、本当に少なくなってきた。
そして今の日本の進む方向。
生きた方の話を聞く、それが無理なら、書籍や映像になったものからしっかり知る。
そこからリアルに想像する。
それしかないような気がする。
国のために戦うことがとてもカッコいいと思ってやまない人たちは、こんな本も読まないんだろうな。
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これまた、興味深かったです。
戦争を題材にしたフィクションはたくさん読んだけど、実際に体験した人の話はあまり読んだことなかったかも。
私の印象では、南方に送られると過酷なイメージ。
水木しげるさんは、ラバウルで腕を失う経験をしたのに、なんか飄々としてて、きっと思い出したくもないこともたくさんあるだろうに、こんな風に語れるなんてすごい。
「総員玉砕せよ!」を読もうと思いました。
とても驚いたのが三國連太郎さん。
完全に釣りバカのスーさんのイメージだったので、こんな波乱万丈な人生を送ったのかと本当に驚きました。
今年は戦後70年。
だんだんと、戦争をハッキリ覚えてる人が亡くなってしまうの -
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こういう本を読みたかったんだ、と思いました。
戦争を題材にした本はたくさんあるけど、確かにそのほとんどが女は脇役。
夫や息子を戦争に取られ、戦死してしまって悲しむ役どころが多かった。
確かにそういう女性は当時たくさんいたのだろうけど、普通の若い女子は当時どんなことをして、何を考えていたのかにも興味がありました。
本の構成の良さもあると思いますが、一気読みでした。
みなさん、戦争からもう何十年も経っているからなのでしょうが、「お隣の○○さんが死んで……」みたいなことを淡々と(文字だけだとそう思ってしまう)語っておられるので、それがもう戦争というものの異常さを物語っているなあと思いました。
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俳人・金子兜太氏
考古学者・大塚初重氏
俳優・三國連太郎氏
漫画家・水木しげる氏
建築家・池田武邦氏
兵隊として戦地に赴いていた五人に著者がインタビューをするといった形で、
作品が構成されている。
将校として、もしくは招集された一般兵としての立場や
戦地が違うがそれぞれが体験した本物の戦争の話だと思いました。
金子氏はトラック島に大尉として配属された。
見捨てられたトラック島での生活、捕虜になったときの話が
淡々と語られる。
淡々とした語り口はよけいに戦争のむなしさをもの語っていた。
大塚氏は、東京大空襲の後、下士官として寿山丸に乗り込むが
魚雷により、船は沈 -
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2026 07/29
子ども心に『てのひらを太陽に』の歌が印象的で、ものすごく簡単な言葉でとても大切なことを言っていると漠然と感じていた。わかりやすい言葉、覚えやすいメロディ。幼稚園で覚えて元気良く歌っていた。唯一「血しお」って何だろう?て思ってた。何かわかんないけど、自分の体の中に流れてて「生きている」為には必要なんだなって感じていた。
『アンパンのマーチ』は今も無意識に口ずさんでいる。気がついたら歌ってる。そして、ある日気付いた。「何この歌詞。すごい!」って。これは“生きとし生けるもの”の本質の歌だって。
詩集「おとうとものがたり」や本書を読んでやなせさんの戦争体験や弟さんのことを知って、 -
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ネタバレ
・喬の故郷、香美市(かみし)香北町朴ノ木(ほおのぎ)。旧在所村。ざいしょは近くの御在所山から来てる。壇ノ浦の戦いで敗れた平教盛(のりもり)が安徳天皇を匿って隠れ住んだ伝説があり、喬はこの話を気に入っていた。祖先も戦いから嫌で逃げ出して臆病で暮らしていた気がしたり、大きな山の一本の木のイメージが好き。
・喬は未熟児で生まれた。その後、父の仕事の関係で東京都北区滝野川で暮らす。弟が生まれるが父親が中国で病死。父親の葬儀は中国と東京と香美市で行われ、新聞にも大きく載った。その後は喬と母親(登喜子)と父方祖母(鑯)と暮らす。
・小学校2年生で母親は再婚し、喬は伯父に預けられる。養子の弟と居候の -
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