梯久美子のレビュー一覧
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やなせたかしさん=アンパンマンって思っていて、連続テレビ小説あんぱんも観たことなかったのですが、高知のやなせたかし記念館を訪れることになり、この本を手にしました。
生涯に渡り、愛と勇気を貫いて絵や詩に思いを込めてきたやなせさんの姿に感動しました。「一寸先は光」、「ぼくのいのちがおわるとき、ちがういのちがまた生きる」そんな強い信念を持っていたやなせさんの根底に流れる思いを感じることができて良かったです。最後の章を読んだのがミュージアムを訪れたあとだったことにちょっと後悔…
展示されていた原画に込められた思いを感じるためにも、高知を訪れる前にこの本をぜひ読んでほしいと思います。
出会いの中で、それ -
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アンパンマン(テレビのアニメ)の世代ではなかったので、これまであまり興味がなかったやなせたかしさんですが、NHKのドラマ『あんぱん』が話題になっているのを見て、興味を持ちこの本を読んでみました。
やなせさんの生い立ちやアンパンマン誕生までのエピソードを知るうちに、その人柄に深く心を打たれました。特に印象的だったのは、戦争を体験した世代の人たちの優しさや、内面の深さです。現代の私たちにはなかなか持ち得ない、温かさや強さを感じました。
やなせさんの生き方や作品には、その優しさと強さが色濃く反映されており、読むたびに感動します。アンパンマンの誕生には、ただの子ども向けアニメ以上の意味があることを改め -
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ネタバレとても読みやすい。あんぱんも楽しく見ているため、とても大切にドラマ化されていると痛感した。「困ったときのやなせさん」と呼ばれるくらい色んな場面で様々な活躍をしていたのは知っていたけど、引き寄せられるように超有名人達との縁が結ばれ仕事していたのは驚きだった。
「詩とメルヘン」は名前は知りつつも読んだことはなく…けれど、やなせさんの詩はどれもシンプルな言葉で、だからこそ多くの人に響いたんだろうな。詩とメルヘンも読んでみたくなった。
妻の暢さんが亡くなるあたりからは涙無しでは読めなかった。あんぱんまんのヒットが60代終わり。そこから亡くなる90代まで止まることなく働き続けたやなせさんの覚悟と思いに、 -
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自分の人生でアンパンマンと触れ合ったことは皆無で、娘たちが幼少の頃もアンパンマンに夢中だったこともなかったので、やなせたかしという名前は知っていても興味をそそられる対象ではなかった。現在朝の連続テレビ小説で取り上げられているが、これも特に興味はなかった。ただ、大好きな梯久美子氏が、やなせ氏を唯一の師と仰いでおり、大人向け評伝を書き下ろしたことを知り、これは読まなければと思った次第。やなせ氏の人生哲学と生き方・御し方が、梯氏の優れた流麗な文章で語られ、後半部分は涙なしで読めなかった。波乱万丈なその人生から得られた人生訓を、平易な文章・ポエムで届け、読む人々を圧倒させる力は、ご本人は喜ばないだろう
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NHK連続小説あんぱんを見ていて、気になったので読んでみた。
アンパンマンが誕生するまでに、こんな苦悩と葛藤があったなんて、知らなかった。
ヤナセ自身の戦争体験や身内の死の経験、挿絵や漫画、詩や歌詞など様々な挑戦があってこそ今のアンパンマンがある事がわかった
たくさんの人に恵まれるべくヤナセの温厚な人柄にも惹かれたと共に、人との繋がりの大切さも身に染みた内容だった。
P116
「もしひっくり返らない正義がこの世にあるとすれば、それはおなかがすいている人に食べ物を分けることではないだろうか」この思いは崇の中で生き続け、長い歳月をへて、誰もが知るヒーローを生むこととなる。 -
- カート
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試し読み
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ネタバレ今、連続テレビ小説のアンパンを読んでいるが、よりドラマも楽しめる内容だった。
そして何より、やなせたかしの人生と人となりが知ることができ、ドラマ以上の心がこもった人なのだなということがよく分かった。
「手のひらを太陽に」の作詞が42歳、アンパンマンのアニメ開始が69歳。
人間、いつ才能が世間に認められるのか、開花するのかも分からないものなのだと思った。いくつになっても希望を捨ててはならないと思う。
素敵だった詩を引用。
絶望のとなりに
だれかが
そっと腰かけた
絶望は
となりのひとに聞いた
「あなたはいったい
誰ですか」
となりのひとは
ほほえんだ
「私の名前は
希望です」
夜は明けたと -
- カート
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試し読み
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ネタバレ国の政策だからとやみくもに従うのではなく、日々の生活の中で培った倫理観に照らして、その是非を判断することの大切さを満蒙開拓の歴史を教えてくれる。165ページ満蒙開拓平和記念館
まさに今、やみくもにしたがうな、抗え、と日々思う,まさに今。
石垣りんの詩、弔詞 が引かれている。東京大空襲で亡くなった職場の同僚をうたった作品。
あなたはいま、
どのような眠りを、
眠っているのだろうか。
そして私はどのように、
さめているというのか。
戦争の記憶が遠ざかるとき、
戦争がまた
私たちに近づく
そうでなければ良い。
たしか新宿にある帰還者たちの記憶ミュージアムで、日本軍が使っていた手榴弾が陶器製