梯久美子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ賢治の言葉は、だいたい現実を「そのまま」描写している、というのを他の本で知って衝撃を受けたことがある。この本では、賢治が何を見てどう書いたのかを、実際に樺太を訪れて丁寧に辿っていて、とてもありがたい。そして、私は賢治が選ぶ理系っぽい言葉づかい(語彙力がなくて表現できないけど伝われ)が好きなんだな、ということに気づいた。
この旅のなかで、賢治はことある毎に死んだ妹のトシを想っている。
トシは死んだ後どこへ行ったのか、天上へ辿り着いたのか、なぜ交信できないのか。
北へ向かう間に書いた詩は、そう問いかける陰鬱なもの。特に「春と修羅」に載っていない「宗谷挽歌」は、初めて読んだが、もう向こう側へいって -
Posted by ブクログ
あんぱんの原作ということで、だいぶ時間が経ってしまったが読んだ。この作者の書く伝記は人のあたたかみが伝わって好きなのだが、こちらも例にもれず。テレビでは脚色されている部分も、その背景がしっかりわかって面白かった。
子供が小さい頃は、なんでもアンパンマンつけとけばいいという安易なビジネスの発想が大嫌いだったのだけど(今でも)、アンパンマン自体の哲学は知るにつけて面白い。逆転しない正義。途上国の学校給食支援を予算カットで中止するとか、なんだか正義を貫けない大人が多い中、やなせさんだったらどう思ったんだろうなあなんて考える。特に、アニメ化される前の絵本は最高。なぜアニメ化されることで悪化するのか残 -
Posted by ブクログ
やなせたかしさん=アンパンマンって思っていて、連続テレビ小説あんぱんも観たことなかったのですが、高知のやなせたかし記念館を訪れることになり、この本を手にしました。
生涯に渡り、愛と勇気を貫いて絵や詩に思いを込めてきたやなせさんの姿に感動しました。「一寸先は光」、「ぼくのいのちがおわるとき、ちがういのちがまた生きる」そんな強い信念を持っていたやなせさんの根底に流れる思いを感じることができて良かったです。最後の章を読んだのがミュージアムを訪れたあとだったことにちょっと後悔…
展示されていた原画に込められた思いを感じるためにも、高知を訪れる前にこの本をぜひ読んでほしいと思います。
出会いの中で、それ -
Posted by ブクログ
アンパンマン(テレビのアニメ)の世代ではなかったので、これまであまり興味がなかったやなせたかしさんですが、NHKのドラマ『あんぱん』が話題になっているのを見て、興味を持ちこの本を読んでみました。
やなせさんの生い立ちやアンパンマン誕生までのエピソードを知るうちに、その人柄に深く心を打たれました。特に印象的だったのは、戦争を体験した世代の人たちの優しさや、内面の深さです。現代の私たちにはなかなか持ち得ない、温かさや強さを感じました。
やなせさんの生き方や作品には、その優しさと強さが色濃く反映されており、読むたびに感動します。アンパンマンの誕生には、ただの子ども向けアニメ以上の意味があることを改め -
Posted by ブクログ
ネタバレとても読みやすい。あんぱんも楽しく見ているため、とても大切にドラマ化されていると痛感した。「困ったときのやなせさん」と呼ばれるくらい色んな場面で様々な活躍をしていたのは知っていたけど、引き寄せられるように超有名人達との縁が結ばれ仕事していたのは驚きだった。
「詩とメルヘン」は名前は知りつつも読んだことはなく…けれど、やなせさんの詩はどれもシンプルな言葉で、だからこそ多くの人に響いたんだろうな。詩とメルヘンも読んでみたくなった。
妻の暢さんが亡くなるあたりからは涙無しでは読めなかった。あんぱんまんのヒットが60代終わり。そこから亡くなる90代まで止まることなく働き続けたやなせさんの覚悟と思いに、 -
Posted by ブクログ
自分の人生でアンパンマンと触れ合ったことは皆無で、娘たちが幼少の頃もアンパンマンに夢中だったこともなかったので、やなせたかしという名前は知っていても興味をそそられる対象ではなかった。現在朝の連続テレビ小説で取り上げられているが、これも特に興味はなかった。ただ、大好きな梯久美子氏が、やなせ氏を唯一の師と仰いでおり、大人向け評伝を書き下ろしたことを知り、これは読まなければと思った次第。やなせ氏の人生哲学と生き方・御し方が、梯氏の優れた流麗な文章で語られ、後半部分は涙なしで読めなかった。波乱万丈なその人生から得られた人生訓を、平易な文章・ポエムで届け、読む人々を圧倒させる力は、ご本人は喜ばないだろう
-
- カート
-
試し読み
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
ネタバレ国の政策だからとやみくもに従うのではなく、日々の生活の中で培った倫理観に照らして、その是非を判断することの大切さを満蒙開拓の歴史を教えてくれる。165ページ満蒙開拓平和記念館
まさに今、やみくもにしたがうな、抗え、と日々思う,まさに今。
石垣りんの詩、弔詞 が引かれている。東京大空襲で亡くなった職場の同僚をうたった作品。
あなたはいま、
どのような眠りを、
眠っているのだろうか。
そして私はどのように、
さめているというのか。
戦争の記憶が遠ざかるとき、
戦争がまた
私たちに近づく
そうでなければ良い。
たしか新宿にある帰還者たちの記憶ミュージアムで、日本軍が使っていた手榴弾が陶器製