原民喜 死と愛と孤独の肖像

原民喜 死と愛と孤独の肖像

946円 (税込)

4pt

『夏の花』で知られる作家・詩人、原民喜(1905―51)。死の想念にとらわれた幼少年期。妻の愛情に包まれて暮らした青年期。被爆を経て孤独の中で作品を紡ぎ、年少の友人・遠藤周作が「何てきれいなんだ」と表した、その死――。生き難さを抱え、傷ついてもなお純粋さをつらぬいた稀有な生涯を、梯久美子が満を持して書き下ろす、傑作評伝。※(以下、新刊案内2018年7月6頁掲載の引用文)「私の文学が今後どのやうに変貌してゆくにしろ、私の自我像に題する言葉は、/死と愛と孤独/恐らくこの三つの言葉になるだらう。」(原民喜「死と愛と孤独」一九四九年)

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原民喜 死と愛と孤独の肖像 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年02月20日

    原民喜の存在感と遠藤周作の存在感。
    自死を選びながらも、残された人や未来に明るい希望を確信し託した原民喜。
    原民喜として、その生を全うしたのだと思います。
    イエスがイエスの生を生き、十字架にかかったように。

    久しぶりに一気読みした一冊。
    余計な解釈を加える事なく、最後に

    「現在の世相と安易に重ね...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年02月11日

    原民喜と遠藤周作の交流について知ることができ、興味深く読んだ。遠藤周作の描いたイエス像と原民喜の姿の重なり合いについての指摘にはなるほどと思わされた。
    「うん、見ようかね」と、少女が差し出した絵を長い間じっと見つめる、ありし日の原民喜の姿。その姿を回想する遠藤周作。
    また、喫茶店でのエピソード。

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    Posted by ブクログ 2018年09月10日

    原民喜がここまで極端な個性の人だとは知らずにいた。あと、宮澤賢治以外で「透きとほった」って書くだけで清澄な空気があるんだって感じさせる筆力がある人がまだいるってことを知った。被爆後一時期南馬込の、多分谷中の集会所のある辺りに寄宿していたことも知れた。埴谷雄高、遠藤周作はいずれも北杜夫の随筆で知った作...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年08月16日

    本当に著者作品ははずれがない。またも素晴らしい作品。ノンフィクションとしての出来もよいが、やはり原民喜の作品が凄い。特に「夏の花」というより作品「原子爆弾」のベースとなる被爆メモは圧巻だ。原民喜はこのメモを残すためにこの世に生を受けたのではないかとさえ思わせるものだ。偶然73年後のこの時期に読んだが...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年06月14日

    某所読書会課題図書: 被爆の現状を作家の立場で詳細に記載した文書は、当初は「原子爆弾」という題名だったが、GHQによる検閲を考慮して「夏の花」と変更されている.さらに俳句の連作もあり、貴重な資料となっている.遠藤周作との交流が原にとって非常に貴重な体験だったと推測するが、祖田祐子さんも含めた行動は荒...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年12月24日

    栗林中将の本がよかったので、本書を手に取る。
    冒頭から話が重すぎて暗すぎて、読み進めるのがほんとうに辛いのだが、遠藤周作さんやタイピストのお嬢さんが登場してくる最後の章あたりから、モノクロのトーンだった話が急にカラーへと変わるように生き生きとしてくる。

    私情を盛り込んだり、事実をことさら美化したり...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年12月06日

    読み進めれば読み進めるほど、切なく哀しくなる…。目の前の現実を見つめず、ただやり過ごすだけの自分が恥ずかしくなる…。

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    Posted by ブクログ 2018年08月30日

    原爆作家としてしか知らなかった原民喜であるが、この評伝で妻がこの人を支え生きながらえさせた実生活に触れ、新たな視点を受け取った。この人は緘黙症のまま生きることになったかもしれない人であり、鎮魂歌にあるように「愛は僕を持続させた」のだと思えた。

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    Posted by ブクログ 2018年08月21日

    原民喜と言えば、「夏の花」で「原爆文学」。そんな貧弱な文学史的知識しか持たず、国語の教科書にほんの少し抜粋されていた文章しか読んだことがなかった。この評伝を読んで初めて、ああ、こういう人だったのか、こんな孤独な魂の持ち主だったのかと、一人の人として目の前に現れてくる気がした。

    以前著者が小林多喜二...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月13日



    岩波新書 梯久美子
    原民喜 の作家人生を 死、愛、孤独をキーワードとしてまとめた評伝


    「原民喜は死によって生きる作家」幼少期における家族の死、愛する妻の死、広島での被爆経験が基調となっているとのこと


    この本に書いてある原民喜像と「孤独」が結びつかない。自死の数ヶ月前から友人たちを訪ねたり...続きを読む

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