斎藤栄一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ビッグデータ、デザイン・シンキングなど、受けるエリアだけどただそれに飛びつくだけの時代に一言物申す書と言った感じ。この本の日本発売は2018年11月なのでその数年前からビッグデータとAIはブームになっていてマネーボールは映画になってヒットするほどだった所に、追い討ちをかけるように時代はSTEM、稼げるのは理系で、人文系の学問って無駄じゃね?との意見が世界的に広まりつつある中、いやいや、人文学の方がより人間らしい生き方を味わうのに良いだろ?って言ってるようだ。
著者は、クリスチャン・マスビアウ氏、あまり聞いたことのないラストネームだが、ロンドン出身の方なのかな、ロンドン大学卒業という経歴。
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Posted by ブクログ
著者のブラッド・スミスさんは、超大手IT企業・マイクロソフトの法務部門に入社した後は、ビル・ゲイツさんの片腕として独禁法訴訟やプライバシー保護、サイバーセキュリティ等、多くの問題について合衆国政府や他国政府、ライバル企業との交渉に尽力された方です。この本では著者が長年IT業界の一線で活躍された経験とテクノロジーの持つ可能性と驚異について書かれた本です。多くの方の個人情報を把握している所有しており、その情報で顧客を幸せにする事も不幸にする事も出来るパワーを持った企業の法務責任者として、合衆国政府が求める危険人物情報の提供に対し、プライバシー保護との葛藤は大変なものがあったと容易に想像出来ます。ど
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Posted by ブクログ
今後の社会で受け入れられる商品やサービス、行動様式をどのように考えたら良いかのヒントになるかと思い購読。もちろん、データの重要性や数字を一目見るだけで様々なことが理解できることは便利だし重要なんだけど、データ・数字・テクノロジーの向こう側・奥底にある「何か」を掴み取ることはもっと重要な気がする。それは「感情」「文化」「センス」なんだろう。「謎に出くわした時、過去の体験や検索でさっさと答えを出すのではなく、柔軟に向き合う姿勢を保てるかどうか」「意味をめぐる一見地味な観察こそが重要」「アルゴリズムには様々な可能性があるが、それ自体関心を持つという行為はできない。対象に関心を寄せ気遣いをするために人
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Posted by ブクログ
現代のスティーブ・ジョブズとも言えるイ―ロン・マスクの自伝。
ペイパルに始まり、スペースX、テスラ、ソーラーシティなど、画期的な企業を次々に立ち上げ、
倒産の危機にもめげず、自分の全資産をつぎ込み、世界を救うべく奮闘する。
シリコンバレーによくいる上場だけを目指している起業家とは、
一味も二味も違うイ―ロン・マスクを十二分に味わえる本になっています。
彼の凄いところは、
・壮大なビジョン(ムーン・ショット)をぶちまけるところ
・そのビジョンを心底信じて、現実化のために24時間邁進できるところ
・安易に上場に走らない
でしょうか。
その一方、天才的な起業家のように見えますが(十分すぎるほど天 -
Posted by ブクログ
STEM教育への系統と人文科学の軽視、
データドリブンへの信奉とコンテクストへの無知。
こうした近年の趨勢に警鐘を鳴らし、人文科学をベースとした「センスメイキング」の重要性を説いている。
大量のデータから表層をなぞるのではなく
現象学的に本質を抉ろう、という主張にはなるほどと思わされる。
つまみ食い程度でわかった気になることはできても
本質を捉えることは対象の内側に没入することでしか達成しえない。
しかし、STEMの欠点を徹底的に晒しつつも、結局なぜセンスメイキングが望ましいのかがいまいち伝わらない。
そもそも言語化・論理化が難しいものであるので性質上難しいというのはあるだろうが、
変に「 -
Posted by ブクログ
人間科学を基盤とした戦略コンサルタントである著者が、STEMやビッグデータといった自然科学に基づく「理系の知識」全盛の時代へのアンチテーゼとして、人文科学や社会科学の重要性を説き、より人間的な文化や感性への回帰を提唱した一冊。
センスメイキングとは、人間本来の知を生かして「意味のある違い」に対する感受性を高めることであり、物事に対する深い洞察は、数値化・抽象化された「薄いデータ」の分析だけでなく、人々の相互の関係によって生まれる「社会的文脈」のようなAIでは認識できない「厚いデータ」を把握することが必要になる。そのためには新たな技術に盲目的に頼るのではなく、自らの経験や感性を主体的に活用して