斎藤栄一郎のレビュー一覧
-
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
小売店がこれからどのように変わっていくのか、についての本で、それに関してもすごく面白かった(店舗はメディアになり、顧客にどのような体験を提供できるか、「何を売るか」ではなく「いかに売るか」が重要になるという話)んだけど、もうひとつ、小売に限らず、いかにイノベーションを起こしていくか、という視点に関する考察が印象に残っている。
20章のタイトルにもなっている「他者に破壊される前に自己破壊できるか」ということ。やっていることだけに目を向ければライバルは同業他社になるけど、顧客体験にフォーカスすれば、実は全く領域の異なる相手が競争相手になっている。いかに、現状の認識から脱し、成功パターンを捨てて、ま -
-
Posted by ブクログ
ネタバレまずスケールの大きさに驚く。読み進めるほど、マスク氏が本気で人類を救おうとしているのが分かっていく。「自動車、地球温暖化の問題を解決して、人類を惑星間で活躍できるようにして…」と発言し、実際に行動し続ける力が凄すぎる。マスク氏はまるで、とても高い所から、全方位を見渡せるほどの広い視野でモノを見て考えているようだ。ここまでパワフルな人間がいるのか。
本書は第三者が著した伝記であるため、マスク氏の思考、決断に至った理由や心境等の生身の描写が少なく、マスク氏が成し遂げたことにフォーカスされている。これは私にとって少し残念であったが、彼のような人間がいるということを知れただけでも貴重な体験である。
-
-
-
Posted by ブクログ
現代(2025)のビジネスリーダーたちは、シリコンバレーが広めたある信仰に囚われている。それは「世界はデータで記述できる」という幻想だ。彼らはGPS履歴やクリック数といった「薄いデータ」を崇拝し、それで人間を理解した気になっている。だが、ハイデガーが「世界内存在」として定義したように、人間は真空の中で生きる孤立した変数ではない。我々は常に、文化、歴史、社会という不可分な文脈の中に投げ出されている。
科学的実証主義(自然科学的アプローチ)は、この文脈をノイズとして切り捨てる。しかし、現象学の視点に立てば、その「ノイズ」こそが人間のリアリティそのものである。文脈を無視したアルゴリズム解析は、地図を -
Posted by ブクログ
観察力に伸び代があると思っていたので読んだ
注意力・集中力とは、スポットライト的な一つのことに対するものと、フラッドライト型のその場の雰囲気や言葉などの奥にある背景などに対するものがあり、後者にもっと力を入れるべきと説いている。その場に没入するような自我から降りた観察が、新たな発見をもたらし、世界の見え方が変わる。
世界が複雑に不確実になり、ネットであらゆる情報が氾濫する中で、ことの本質を掴むには重要な習慣・力なのかもしれない。別のデザイン系の本で同じようなことを読んだので自分には刺さったが、具体的な事例の紹介が多いのと最終的なの主張の抽象度が高いので、?となるかも