竹美家ららのレビュー一覧
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ネタバレだらしない根無し草×且つての殿様の子孫である若様
思いのほか良くて引き込まれ、切なさに涙してしまった。読む前は思いもしなかった星5…!多分一穂さんの文章好きなんだと思う。
こういうふうに受けと攻め交互視点で描かれると感情移入しやすい。登場人物は脇キャラまでちゃんと血肉が通っていて、ついつい彼らのことを好きになって応援したくなってしまう。
隼人が湊の両親と接したときに湊の境遇に安心する場面、隼人が乗る電車を湊と犬蔵が追いかける場面、湊が隼人に会いたいと言って慎に訴える場面、で泣いた。列挙してみるとどれも隼人と湊、互いへの想いをすごく感じる場面だった。
最後の『共犯者のゆくえ』までとても良かった。 -
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ネタバレ英国貴族御曹司×拾い子執事というだけで、もう垂涎もの設定なんですが、30年くらい作中で時間が流れるのがたまらない。
気持ちが通じ合っても、受けのエドワードが控えめで慎ましやかで、
執事の分を超えないというのが萌えを最高に刺激してくれます。
おまけに舞台は第二次世界大戦直前…激動の時代を生き抜く
ふたりの行く先が気になって、ページをめくる手が止まりません。
あのタイミングで『ここで、お別れです』って。エド!!!
描写が美しく、上海独特の湿度すら感じます。
英国、パブリックスクール、シノワズリ、執事、主従、オリエンタル…
そんな単語に反応する方はぜひ! -
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ネタバレ話の内容はまさにおとぎ話というか、ちょっと浮世離れしていて、
さすがにうちみたいな田舎にも、そこまでの風習は残ってないよ、
というレベルの現実味のなさなんですが、気がつけばその現実味の
なさが妙にリアルになっていて、もしかするとそんなこともあるかも、
と思わされてしまいました。
小難しい描写もなく、淡々と読めます。
城持ち大名の子孫、若様と呼ばれる天然良い子ちゃんな受と、
全てを持たない世捨て人のような攻という、ちょっと一見どうしたって
かみ合わないような組み合わせです。
普通じゃ絶対に価値観があわなくて、交わることさえなさそうな設定
なんですが、それゆえに強烈に惹かれ合ってく様が小気味よい。 -
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【あらすじ】
警視庁の非公式部署に所属する刑事・奥村智重には「犬」と呼ばれるパートナーがいる。「主人」である智重を守るため、危険に飛び込む「犬」・石凪信乃。ようやく想いが通じ合った二人だが、ある日、智重の先輩で元特殊部隊のエース・玖上禪が着任、禪の「犬」である五係所属の謎の多い分析官・篠宮犬姫とともに智重・信乃は任務に就くことに…。
【感想】
「しもべと犬」に続き、重い題材です。テロにイージス艦、てんこ盛り。
智重の先輩である《砂漠の悪魔》禪と、信乃の先輩《犬》で分析官の犬姫(これも里見八犬伝の「伏姫」が由来だよね?)がメインの物語。壮絶な愛の形。
オススメの一言は禪が犬姫を表わした「俺の -
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10年も前に書かれたとは思えない、流行に左右されない名作だと思う。
エドワードがレイモンドをずっとひそかに思い続ける、儚くも熱い想いにキュンときました。「雛が最初に見たものを親鳥と思うように」とありましたが、まさにそう。レイモンドに何人もの恋人ができてもただ側にいるだけ。男同士ということに加えて主と従者という二重の禁忌があるため、せつなさ倍増です。
ただ、レイモンドがエドワードに気持ちが傾く様があんまり詳しくはないような気がするのがちょっと…
それにしても文庫書き下ろしの短編のときの二人はいったい幾つくらいなのかしら?計算すると結構いい歳なきがする。 -
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【あらすじ】
島の灯台に幽閉され、腹違いの兄達の慰みものにされている椿は、敷島子爵家の嫡男として生まれた。
しかし生まれてすぐ盲目となったため、家を継げず、今は兄二人に嬲られる日々を送っている。
ある日、椿のもとに十左という男がやってくる。
十左は椿を救おうとしたとはいえ、椿から父の庇護を奪った男だった。
名を隠し椿の世話係となった十左は、兄達に仕込まれた薬で苦しむ椿を慰める。
やがて二人は心を通わせ始めるが・・・!?
・・・巻末より抜粋。
【収録作品】
「篝火の塔、沈黙の唇」
「翡翠の庭」
--魔人評価--
エロ度:★★★★★
キャラ度:★★★★★
ストーリー:★★★★★
※陵辱・ -
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【あらすじ】島の灯台に幽閉され、腹違いの兄達の慰みものにされている椿は、敷島子爵家の嫡男として生まれた。しかし生まれてすぐ盲目となったため、家を継げず、今は兄二人に嬲られる日々を送っている。ある日、椿のもとに十左という男がやって来る。十左は椿を救おうとしたとはいえ、椿から父の庇護を奪った男だった。名を隠し椿の世話係となった十左は、兄達に仕込まれた薬で苦しむ椿を慰める。やがて二人は心を通わせ始めるが…。
初めての主従モノ。
読みづらかった。まるで新聞連載物のように説明の繰り返しが多かったり、すんなり読み取れない言い回しだったり、センテンスとか、そういうのが。
ただ慣れれば、その描写や表現は文学