大平一枝のレビュー一覧
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派遣社員をしていた頃、一時期電話を取ってすぐの「ありがとうございます」の「あ」が出てこなくなったことがありましたが、軽い吃音だったのかな、と今でも思います。
小学校で日本語を教えていたときは、ペルールーツの男の子に吃音がありました。のんびりした性格で優しいためか、クラスでは比較的温かく見守られていましたが、大人になった今ではどうしているのかな、と思います。
コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力が求められる社会生活で、生きづらい思いをしている人がどれほどいるのでしょう。
多様性を認める、と口で言うのは簡単ですが、社会が変わるとはなかなか思えません。
このような活動が少しでも広ま -
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前作よりもそれぞれのエピソードに一瞬戸惑い、少し戻って再度読むことが重なりました。
まえがきで今回のテーマが「喪失と再生」であると明かされてはいたものの、大切な人を亡くして間もない方、成人を迎える事で親との縁を断てることを待っている方などのお話が、台所や料理の話とリンクすることで、より生々しさを帯びて伝わってきました。
台所に焦点を当てているから一層そう思うということを差引いても、やはり”食”はその人を知り、想う時に少なからずついてまわること。あらためてそう思いました。
料理がもともと好きだった人もいれば、少しずつ料理を覚えて愉しみを見出す人もいるし、逆に料理をする気をなくしていく人もいる。 -
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ネタバレやはり、大平一枝さんの優しくて飾らない文章は良いですね。 好きです。 共感するところも多く、癒されました。
人生を振り返りながら、苦さ・切なさ・懐かしさ・満たされた想いと様々味わいました。
『かつて 問題が起きたらすぐ解決しなければ、
相手を理解しなければと必死になって
いた。
いま ある年齢を過ぎたら、どうにもならない
人間関係は逃げても諦めてもいい。
それより、わだかまりの手放し方を体得
したほうが得。』
『わだかまり』と表現されるその気持ち、よく分かります。 お母さま、お嬢さま、そして、お義父さまとのエピソードが、印象深く記されてい -
Posted by ブクログ
夕方にコンビニに行くとお弁当だけでなく一人用のおかずが豊富に用意され棚の前には高齢者がどれを買おうかと吟味しています。単身世帯の増加は個食を年齢性別問わずの「当たり前」にしているようです。そういう意味ではコストの問題を超えて、料理を作る、人と食べる、という昔の「当たり前」は非常に豊かな行為になってきていると思います。「衣食住、足りて礼節を知る」と言いながら消費社会を猛進していきた日本人の暮らしの今を知るのは「食」と「住」の交差点である「台所」が一番、ふさわしいのかもしれません。本書に登場する「台所」という舞台の主演俳優たちは、料理を作る、人と食べる、という個食という内向きのベクトルを外向きに向
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「母業23年つれづれ日記」とある。
大平さん、30歳で母になりフリーランスの共働き。
P112
〈子供が幾つになろうと、子育てはジェットコースターのように上がったり下がったり忙しいものだということだけ、最近わかったところである〉
いつまでもグラグラと不安定なのは親も子も同じだと思う。
子育てに正解なんて無いのだから。
(と感じるのは私だけだろうか)
P199
「運動会で、まさかの失敗」
息子さんの中学校での出来事。
運動会が延期になったことを知らないで送り出してしまう。
怒り心頭、帰宅した息子さんの独り言は
〈ばばあ、ゆるさん〉だった。
でも大平さんは強気。
読んでいて、これは少々強引な親 -
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ちょっとクサいタイトルではある。しかも「本物の母」って何だろうってつっこみたくもある。母は母、本物も偽物もないだろうし、本物の母が経験を重ねた末になるもののようなこのタイトルはいかがなものか。
それはさておき、著者・大平さんのブログ(らしきもの)を愛読してたぶん10年近くになると思う。折々に家族との様子を垣間見てクスッと笑ったり爆笑したりしんみりしたりじんわり温かくなってきた。そんな大平母子の23年分をまとめて読めるお得な本。
下北沢住まいで自分はライター、夫は映画プロデューサーなんてカッコよさそうなんだけど、そんなことなくて生活どっぷりって感じのエピソードに、同じような共働きの家の子として育