Posted by ブクログ
2021年10月25日
ちょっとクサいタイトルではある。しかも「本物の母」って何だろうってつっこみたくもある。母は母、本物も偽物もないだろうし、本物の母が経験を重ねた末になるもののようなこのタイトルはいかがなものか。
それはさておき、著者・大平さんのブログ(らしきもの)を愛読してたぶん10年近くになると思う。折々に家族との...続きを読む様子を垣間見てクスッと笑ったり爆笑したりしんみりしたりじんわり温かくなってきた。そんな大平母子の23年分をまとめて読めるお得な本。
下北沢住まいで自分はライター、夫は映画プロデューサーなんてカッコよさそうなんだけど、そんなことなくて生活どっぷりって感じのエピソードに、同じような共働きの家の子として育った自分は懐かしいような思いになる。
著者も無頼なダメ母のように自分を書いていたりするけれど、そういうダメさも含めていいお母さんであり、いい家族なんだろうな。真っ当って感じがする。
親をやっていると自分のことを二の次にしてやらなければいけないことも多々あるけれど、そんな不自由で幸せな時間はほんのひとときのこと。そんな大変だけど得難い幸せの尊さがふつふつと伝わってくる。