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石井ゆかり、ヨシタケシンスケ、三國万里子、飛田和緒ほか13人が明かす、言葉にできないモヤモヤとの付き合い方とは? 作家・エッセイストの大平一枝さんが、世代も生業も違う多様な人生を取材した、対談形式のエッセイ。漠然とした不安や迷いを感じるとき、自分を肯定できないとき。結論も正解もない対話のなかに、気持ちが軽くなる言葉が見つかります。
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Posted by ブクログ
寂しさについて、なんとなく思うところがある人は読むと何かしらの発見があると思う。 この本を読んで、グッとくるところは多いほうがいいのか、少ないほうがいいのか。メンタルが弱っていても、それはそれで悪くないんじゃないかな、って思えた。この本の楽しみや得られることを考えると、弱っているほうが得られるものは...続きを読むきっと多い。そもそもこの本は、孤独とか寂しいと思うことも悪くないよね、というところから始まったのだというから。 言葉にできないモヤモヤ、たとえば後悔や「切ない」という感情との付き合い方について、著者はいろいろな人と対談する。 「この人はどうやって乗り切っているのか」 著者自身が興味を持った人に、対談をオファーしたらしい。 私は、「切ない」という感情とどう向き合っているかなぁ。全然考えたことがなかった。 ということは、私のメンタルは今けっこう安定していて、安定している時に読んだから、あまりグッと来ないのかも?と思いながら読んでいたが、真ん中を過ぎたあたりから急に付箋を貼りまくっていた。 最初は「ライター業の人が『言葉にできないモヤモヤと付き合う』って…あれもそれもひっくるめて言葉にできる人がライターやってんじゃないんかい!」とツッコミ入れつつ読んでいた。そう思う時点で元気な証拠だと思う。もし完全に弱っている時だったら、「ライター業の人も悩んじゃうって、ある意味心強いわぁ」と思っただろうから。 私は「この順番にもたぶん意味がある」と思って最初から読むタイプ。ヨシタケシンスケがわりと前半に出てくるから、まずはそこまで読もう。星野概念が最後なのかー、じゃあやっぱり最後まで読もう。と思っているうちに、ジワジワと効いてきた。 特に、書店Title店主の辻山良雄は響いた。 自分の店にある本は、巨大な積ん読。 壮大だ。カッコ良すぎる。ぜひ行ってみたい。 あとは、ニットデザイナーの三國万里子も素敵だった。 私がこの本を知るきっかけになった、星野概念もゆるくていい。 言語化しないと。 とにかく言語化しないと相手に伝わらないよ。 そう思ってきた。 他の人に、つまり自分以外の人に、自分の気持ちを伝えるとき、言語は大事だ。 幼い子どもを育てるようになって、かなり意識するようになった。 いやその前に、自分の意見でグイグイ行ってしまう夫と生活するようになってから、自分の気持ちを言わないと負けてしまう。見えるカタチにしないと。曖昧さはなるべくなくさないと。 そう思ってきた。 「これ、なんかいいよね」 「ちょっとなんとも言えないけど、なんかモヤっとする」 なんかなんか、って言いながら、うまく言えない気持ちがあってもいいんだな。 自分は「今、うまく言えない気持ちと向き合ってるんだな」って気付けたら、それで十分だな。 世の中には、いろんな人がいますね。 ホントに。 「え、そんなことで悩んでんの?」と言ってしまいそうになるけれど、その人の悩みや切なさは、その人にとっては大切な気持ちなんだよね。 「詩が好き」というのは「ポエミーな人はイタい」と思ってしまって、いつしか自分はそうならないようにしようと思ってしまっていたけど、表現できることは素晴らしい。 私も「息を吸ったら吐く」のが当たり前のように、「読んだら書く」「思ったら書く」を自然にできるようになりたい。 この本は、写真もキレイだ。対談ごとにカメラマンが違うのだと、あとがきで知って、慌ててざっと見返した。 「この写真の撮り方、なんか好き」と思ったカメラマンを調べてみたら、その人のインスタで私が毎月読んでる&Premiumに作品が採用された、と出てきたりした。 なんだかんだ、どっかでつながってる。 結局、忙しさに流されて、何も考えてないだけなんだな。 今の私は。 もしかすると、自分のメンタルボルテージがどのくらいの高さにあるのか、言い換えれば、自分がどのくらい弱っているのかによって、この本を読んだ感想が変わるかも。 特にコロナ禍や、災害後だと全然違う感動があったかも。 読む年齢によっても、受け止め方は変わるかな。 一人暮らしだった独身時代に読んでいたら、違う感想だったかな。 ここに出てくる人の著書も、大平さんの台所シリーズも、対談の中で紹介されている本も、写真家も、いろいろ追いかけたい。忙しい。 寂しがってる暇がやっぱり私にはないのだけど、「今日の夕焼けはキレイだったよ」とか「三日月が駅前の街路樹にちょこんと乗るような角度で見られる場所が見つけられたら素敵だよね」とか、そういうどうでもいいことを「そうだね」と言ってくれる人がいなくなってしまったら、間違いなく寂しい、と帰り道にハッとした。 夫が死んだ後に読んだら、違う感想になりそうだ。 あくまで私のほうが夫よりも長生きする想定をしている時点で、「切なさ」が似合わない自分に苦笑する。
いいわ~この本。 Title辻山さん ショーペンハウワーは『読書について』(光文社)で”読書は他人の頭ですることだから、あまりそれに縛られるのはよくない”と、繰り返し自分の頭で考えることの大切を説いているんですよ。 本に乗っ取られることなく確かな自分を育てようという意味でしょうが、やはり、それでも、...続きを読む本を読んで誰かの考えや体験に触れて感じることが、その人の考え方を育てることになる。なにか新しいものに出会ったときの解像度が、ちょっと濃くなると思うんです。 p44「どうやって自分をだまくらかすか。しょうがないじゃん。自分は他の人になれるわけじゃないんだから、受け入れていくしかないじゃん、って思う。」 p47「人の意見を気にせずに自分の思いどおりに生きるなんて、できる人はきっと100人に3人。その3人には絶対なれない。だから理屈はわかるし、そういうのに憧れはするけど、でもできないんですよね、と言いながらやっていくのが、落としどころじゃないでしょうか。」 わーうちの夫はその100人の3人に入ってる! やっぱり皆50歳を超えると人生の残り時間に焦る気持ちが出てくるのかな。わたしもそう。 p60「是枝さんと何度かお仕事でご一緒しまして。50歳のとき、「あと何本撮れるんだろう」とおっしゃっていたのが印象的でした。私もそういうふうに思うんだろうか、とそのときは思っていたけど、いざ40代が過ぎたら、自分もあと何回展示ができるんだろうか、残りの人生で何ができるだろうかと焦る気持ちがあります。」 読みたい本もいろいろ ・池田晶子「暮らしの哲学」(毎日新聞出版) ・マーガレット・ワイズ・ブラウン「きこえるきこえるなつのおと」(小峰書店) ・同「おやすみなさいおつきさま」(評論社) 「何も起きないけど、何かは起きている。毎日の繰り返しってどれも似ている。昨日と今日。今日と明日。似てるけど、ちょっと違う。昨日よりもちょっと今日は曇 ってるとか。蝉の音が聞こえ始めたとか。いろんな本を読んだり、人生を経験していくなかで、不思議にそれが喜びになっていくんですよね。」(辻山さん) ・断片的なものの社会学 ・それでも食べて生きてゆく 東京の台所
孤独や寂しさ、いずれくる死、言葉にできない感情やあえて名前をつけない感情についての対談。そういうものを自分の言葉で話してみるということの大切さを感じる。この本からさらに良い本にも出会えそうで良かった。
言葉にできない感情やモヤモヤをテーマに、1対1で対話をしていく対談中。雑談となっていますが、相手によって、それぞれ発展や道草する内容もさまざまで面白いです。言葉にできないことは無理にしない。言葉を信用していない。など皆さんの考え方に触れていきながら、共通していることが、背伸び感や世間一般の正解と呼ば...続きを読むれるものを追い求める姿がないなということでした。 自分と向き合い何かを生み出す職業の方々との対談のせいか、みなさん余白のある生き方をしていて、救われました。
感情や思いを言語化しなくてよい。 あやふやなままにしておいて後から、ああ、あの時はこうだったんだと振り返る。 そのために正解のない雑談や日記は必要なのかもしれない。
【目次】 はじめに 努力してもままならないことがあると悟るところから本当の人生が始まる(飛田和緒:料理家) 自己肯定感が低い自分と機嫌よく付き合っていく(山本浩未:ヘア・メイクアップアーティスト) つねに自信がない不安思考と折り合っていく。自分のトリセツの作り方(ヨシタケシンスケ:絵本作家)...続きを読む 孤独や言葉にできないというのは,心当たりのある感情(写真家:川内倫子) 自称「生き方ベタ」な自分を俯瞰する(岡本雄矢) 悩みはなくならない。だから弱音を呑気に言える人間でありたい(三浦直之:劇作家・演出家) 自分がいつも,いちばんの親友(高橋百合子:イーオクト株式会社 代表取締役) ここからの人生は,ひとりよがりでいこうと決めた(谷匡子:挿花家) 愛すべき孤独。寄り添うべき孤独(ちがや:ChigayaBakesshop オーナー) さまよう時間が自分を下支えする。 「積ん読」だけの本でもいつか自分を耕すことがある(辻山良雄:書店「Title」店主) 世界はなんて広いんだ。ひとりぼっちがたくさんいる!(三國万里子:ニットデザイナー) 名もなき感情にラベルを貼ってしまうのは,もったいない(星野概念:精神科医) 感情が自分の真ん中にちゃんとあるか(石井ゆかり:ライター)
大平さんの文章は好きなのだが、WEB連載時はなぜか頭に入ってこなかった。 本になってまとまって読んでみて理由がわかった。 仕事の昼休みにごはんを食べながら読んでたからっぽい。 アドレナリンが出てる仕事中、時間制限のある昼休み、しかも食べながらには向いていない。 というのも孤独や不安など答えのないこ...続きを読むとについて色んな方が色々なことを対談方式で大平さんと話す内容、ゆったり思いを巡らせながら読むのに向いている。 上の子の体調不良、下の子のイヤイヤ期再来というタイミングで、仕事家事育児の合間に急いで読んでしまった私は正直十分味わったとは言えない。 でもまた改めて読むことも許してくれそうな本で、どんな人も何度読んでも新しいところが気になり、新しいことに気づけると思う。 孤独にしても言葉にできない感情にしても、自分だけじゃないんだよということを子どももいつか気づいて楽になるといいなと思った。
谷匡子さん、ちがやさん、髙橋百合子さんとの対談が良かった。仕事とプライベートのバランスをとるうえで参考になるお話でした。
2024/04/13リクエスト 4 ヘアメイクアーティストの山本浩未さん ダメ思考の自分をしっかり受け入れることができるまで、しっかり落ち込む。しょうがないと受け入れられるタイミングを待つ。 絵本作家のヨシタケシンスケさん の対談が心に残った。 「頑張らなくていいと言われても、それができずに困って...続きを読むいる。それができれば楽なのはわかっている。それでも頑張らざるを得ないが本音。それなら、だましだまし、頑張っていく自分を受け入れていくことが自然。」 「人生を楽しむのが下手チーム」 私はまさに、この下手チームだ!! 著者が13人と対談している。 誰か一人くらいは自分みたいな人がきっといる。 この本に出てくる対談相手の誰々さんが好きで、読んだ… というレビューが多い気がした。 私はこの著者のファンでこの本を読みたいと思った。なので対談の合間に出てくる大平さんの話を読み、人となりを少し知ることができた感じで、嬉しかった。彼女だからこそ引き出せた話があると思った。
13人との対談集。 「言葉にできないモヤモヤ」との付き合い方が書かれている。読みやすく、おすすめの本が紹介されていて読みたくなった。 孤独や寂しいという感情はそんなに悪いものなのか。けっこう愛おしいものではないか。 自己肯定感の低さは、誰かと比べることや、人目を気にしすぎることから始まる。 お...続きを読むそらく誰もが、日々は言葉にできないことの連続なんだろうけれども、なにかに書き留めてアウトプットするという作業をすると、毎日の濃さはきっとかわる。
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