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吃音で「いらっしゃいませ」、メニュー、代金が言えず、接客アルバイトを諦めてきた若者がいる。人と話したいけど言葉がうまく出てこない――そんな若者たちが、奇想天外な1Dayカフェを始めた。発起人は、自身も吃音症で夢に蓋をしてきた奥村安莉沙。言葉をめぐる冒険、急がない幸福。エッセイの名手・大平一枝が紡ぐ温かな感動ノンフィクション。
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Posted by ブクログ
これまで吃音障害にあまり関心を払ってこなかった。それは当事者が隠していたり、自分にとって苦手な発音を避け言い換えていたりしていたから。 吃音への誤解や偏見に胸がふさがる。 ただ人によりタイプがあること、どうしてほしいか望む対応も違うことなどデリケートな問題なので近くにいたとして適切な対応ができる自信...続きを読むがない。 カフェで各自がマスクに 話すのは苦手だが喋るのは好きなので話しかけてください どもっても待ってください 最後まで聞いてください 推測して代わりに言ってほしい などメッセージを書いたエピソードがとても素敵だと思った。 内部障害の人が赤いマークを付けたりするように自然に伝える仕組みって大切だ。察してもらえなくても気づいてくれる人は少数ながらいるはずだから。
文句なしの⭐︎5 大平さんは子育てのWEB連載(後に『新米母は各駅停車でだんだん本物の母になっていく』として単行本化)に救われて以来、勝手にメンターのように感じているが、それを差し引いても本当に読んでよかった。 吃音の当事者が各地の吃音の若者と不定期に開催するカフェのドキュメンタリー。 吃音と...続きを読むいう症状があることは知っていたが、当事者の悩みがここまで深いと考えたことがなかったし、どのように接して欲しいか理解が深まった。 この本を読まなかったら、出会った時に「ゆっくりでいいよ」「落ち着いて」と言ってしまってたと思う。 もちろんそういう実用の部分だけでなく、わかりやすい感動やお涙頂戴になってないところ、気遣いやお節介、迷いや反省、そういうところが大平さんならではで、書くものって人柄が現れるんだなと強く感じた。 この年になると影響を受ける、新しいことを知ることがなかなかなくなってくるが、そういう経験としてもよかった。 ぜひ幅広く読まれてほしい。
以前TVニュースで注カフェを見たことがありますが、真剣にはみておらず、吃音の事もさほど重くは受け止めていませんでした。 奥原さんや当事者の方たちの見えない奥深い苦悩の数々、愛美さんや参加者の成長の様子に胸がギュッとなりました。思わず涙。大平さんの距離感を保ちつつ優しい眼差しのように寄り添う文章が好き...続きを読むです。沈黙、間、待つ、忘れがちな時間です。
私は吃音者です。だからこそ読んでいる間、出てくる若者たちが訴える苦悩や願望に、共感の叫びが絶えなかった。 取材をした 大平さんの、注カフェ店員の若者たちへの寄り添い方がやさしい。 老婆心ながら、 などと言っているが、それは本心からとっさの言動なのだろう。 注カフェを発起させた奥村さんもとてつも...続きを読むない大きなモチベーションのある方で、仕事を辞めて活動に注力する情熱。「自分が経験した苦しさを、これからの若者には味わって欲しくない」 と。彼女の本気さ感じた。 また、大平さんは以前 相手の話を聞いていることをアピールするために無意味な相槌を何度もついていたり、言葉の先取りをしていたそうだが、 そのような行動は吃音者には禁忌で、かえって焦られてしまいストレスを与えるばかりだということを知ってからは、 「相手(の言葉)を待てるようになった」P234 で語っている。 待つからこそ、聞ける本音がある。 その通りだ。 私たち吃音者は、沈黙を恐れる。 言葉が喉や舌に貼り付き、根を生やし、呻き声しか出ない苦しいあの瞬間。 無理やり言葉を言おうとするも、空気しか出ず、苦しさに表情が歪む。そのみっともなさ、情けない自分に嫌悪感。 とっさに言いやすい言葉に変換しようものにも、挨拶などの定型文だと言い換えができない。 そんな、「外から見えにくい苦労」を抱えた吃音を持つ若者たちが、安心して、接客できる カフェ。 彼らも日々周りからの偏見や誤解に晒され、心をすり減らして生きているのだろう。 だからこそ、何の心配もする必要のない場を求めていたんだな。 注カフェ、そこはなんてやさしさに溢れた場所なのだろうと。 自分も高校生なら参加したかった!(いま32歳・・・)と思いながら、本を閉じた。
本書は"吃音"をもつ言葉が流暢に話せないカフェ「注文に時間がかかるカフェ」の非当事者視点で書かれたルポです。 当事者ではない視点から語られる話は吃音を知らない、名前だけは知っているという方にとって伝わりやすい内容かと思います。 純粋な若者の夢を見つめる気持ち、私達が何気なく話し...続きを読むている言葉の重みが詰まっています 新しい視点から言葉、コミュニケーションが観られる良書です。
学校に勤務していますが、本当にここまで吃音への理解がなくその子を追い詰めるような現場はあってはいけない。どれほど子供達の心に傷をつけ、その傷は大人になっても降りかかる。 注カフェで同じ悩みを抱える人同士が支え合ったり接客ができるって素晴らしい。こうした成功体験をつめて社会参加ができる場を自らの体...続きを読む験を元に増やしていけるってすごいことだと思う。
吃音のあるスタッフが運営する1dayカフェを取材した一冊。吃音についてはなんとなく知っていたつもりだったけれど、人によって発音しにくい行が異なっていたり、言いにくい言葉を避けて別の表現に言い換えて話していることがある、というのは初めて知った。また、「話の続きを先回りせずに、最後まで聞いてほしい」とい...続きを読むう人もいれば、逆に「言いたいことを察して先に言ってほしい」と感じる人もいるなど、対応の仕方が一人ひとり違うというのも盲点だった。つい言ってしまいがちな「ゆっくりでいいよ」や「落ち着いて」といった声かけも、本人にとってはかえってプレッシャーになることがあると知れたのも、大きな気づきだった。 著者の大平さんが、注カフェの発起人・奥村さんが働きすぎだという点にちゃんと触れていたのも、読んでいてちょっとホッとした。
いままで近くに吃音の方に気が付かなかったのでこんなに苦しものだとは。 子供の頃はみんなと違うことにとても排除されている感情に襲われる 学校側の教育がなされずにみんな教師になってしまうのか ちょうど今日のニュースでも教師が吃音の生徒に対してイジメのような扱いをした、と伝えられた また、吃音をもつ親の...続きを読む対応もあまり進んでいないことを知った
吃音を完璧に理解したとは言えないが、読んで良かった。大人になったら治ると言われているから、家では吃音に触れないで接する親と、学校では新学期の自己紹介から上手くいかず、同級生にからかわれ、話し方がうつると心ない言葉を浴びる子供。根はおしゃべりな子なのに、家でも学校でもだんだん無口になってしまう。孤独に...続きを読む吃音と戦う人たちの横の繋がりを作るため・吃音をより知ってもらうために立ち上がったプロジェクトへ同行。発案した代表者の方とカフェに参加した人達にもインタビューし、まとめた1冊。個別具体的で沢山の学びがありました。 『今も本棚の1番目立つところに『かがみの孤城』を飾っている。なにがあっても生きていこうと思える、大きな影響を受け救われた本だからだ。しかし、本書のことは誰にも話したことがない。「タイトルと作家名に、カ行とタ行があるからです。必ず吃音が出るから、普段は絶対に言わない。でも彼の背中を押したかった。」-2章変わる若者たち-』 辻村深月さんがこんなところにも出てきた!!ベストセラーの影響力、恐るべし…。同著の別作品ですが、「傲慢と善良」を読んでいて、自分の生き方にダメージを今受けているところです( ゚∀゚)・∵. グハッ!! 2025.2
たった一日で人生が変わる そんな体験ができるカフェ 吃音、という障がいは知っていても、ここまで詳しくは知りませんでした 吃音かな? っていう人、今までに何人か出会ったことはあるけれど理解してもらえる人がいるかいないかではかなり変わりますよね この活動が続き、一人でも人生が前向きに変わりますよう...続きを読むに
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