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ありのままの台所を訪ね歩き、取材したルポルタージュ。10年たった今回のテーマは、喪失と再生。簡単ではないテーマ。
雑誌に載っているようなおしゃれなキッチンとは違う、素のままの台所。写真と共に語られた、その台所の持ち主の生活。リアルだからこそ、心に響いた。「何もを失わずに生きている人などいない。みな、何かを喪失し、それでも立ち上がり今日もごはんを作っている。」という言葉に、生きようとする、人の強さを感じた。家族を亡くして日が浅いなか取材を受けた方、伴侶との別れでひとりになった方など、みなさんの生きざまをうかがい知れて、私も頑張ろうと思えた。
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NHK「あさイチ」でこの本を知って、読みたいと思った。
「台所」を舞台に一般の人、プロの料理人など、さまざまな人の人生の一部を「喪失と再生」というテーマで書かれている。
一人一人のお話は短い章でまとめられているが、少しの写真と大平さんの文章で、心にぐいぐいと詰め寄ってくる。
読みながら、何度も泣いてしまった。
テーマが重いので、暗くなりがちだけど、その中に必ず一筋の希望があって、立ち上がって、それでも食べて生きていく姿が心に沁みた。
おすすめしたい本。
Posted by ブクログ
実は朝日新聞デジタルマガジンを、書籍化される前に隅々まで読んだことがあります。
食を大事にしている身としては、連載の企画時点で四つ星。
台所を糸口に始まる住みて手の物語の第三弾は、喪失と再生がテーマ。
ライターさんのインタビュー能力高し。
ヘビーなテーマに対して綺麗にまとまっていて、難産だったことが伺える。
いつか自分にも訪れる別れのことを考えさせられる、良い本でした。ということで星5つ。
余談だけれど、徒然ハナコさんがこんなところに!と大興奮。
あと、黒川紀章のカプセルの中の暮らしを垣間見れたのは面白かった。
書籍の第一弾と第二弾は読んでいないので、それらも読みたいと思った。
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愛犬の秀太朗が亡くなって、最初に読んだ本。
喪失感は無くならないが、この本を読む事で
復帰する後押しをもらえた。
このタイミングで、ふらりと寄った本屋で陳列されて
いたのは何かの縁。
大切な本の一冊になった。
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この本の前に著名人を取材した本を読んでいたけれど、
この本の奥深さに、前に読んだ本が吹き飛んでしまった。
子供にたかりにくる親はドラマの中だけじゃなかった。
色々な困難があっても、それでも食べて生きてゆく人たちに励まされた。
ありきたりだけれど、今生きている時間を大事にしよう...と思った。
Posted by ブクログ
2022/11/26リクエスト 3
とても良かった。
東京の台所から、筆者の本を読み始め、次の男と女の台所、で今回。
ライターとして、心の芯に訴える文章を、嫌味なく書く方。どの台所にも、語り尽くせない思いがある。
今回は全体に辛い経験の方も多かった気がするが、それさえも大平氏の筆力で、一つも無駄なことはない、と描かれている。
そして、最後にこの仕事を初めて何年か経った頃、慣れから、経験にあぐらをかき、なんとなーくこう書けばまとまるだろう、と感じていた時期もあった。
と、素直に書かれているところに好感を抱いた。
誰も、こんなこと書かなくっても気づかない。
それをわざわざ文章にする、ということが、大平氏の今後のますますの発展、というのか、今まで以上に必ず書く、そんな固い気持ちを受け取った。
「何も失ったことのない人などいない」
どんなに幸せそうに見える人でも何かを失いながらどうにか自分を収め、繕いながら生きている。
この文章に共感し、少し救われた。
私の台所もぜひ、大平氏の目から見た視線で書いてほしいと思った。
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様々な人々の台所の写真と共に綴られるルポルタージュ。喪失と再生がテーマとなっているように何かや誰かを失い、また歩き出していく方々のお話に涙と共に読みました。誰かと食事をともにしていくことの大切さをもう一度認識できました。
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なんでもない普通の人たちが食事をつくる「台所」を中心に、そこで食事を作り、暮らす人々を取材しているシリーズ。
今回はそこに「喪失と再生」というテーマを設けている。死別や離婚など様々だが、長く生きる事で何も失ってなどいない人はいない。皆が何かを失い、その喪失感と向き合いながら台所で食事を作っている。
もう少し軽い感じの読み物を想定してページを開いたが、予想外にずっしりと胸に響く話が詰まっていた。
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前作よりもそれぞれのエピソードに一瞬戸惑い、少し戻って再度読むことが重なりました。
まえがきで今回のテーマが「喪失と再生」であると明かされてはいたものの、大切な人を亡くして間もない方、成人を迎える事で親との縁を断てることを待っている方などのお話が、台所や料理の話とリンクすることで、より生々しさを帯びて伝わってきました。
台所に焦点を当てているから一層そう思うということを差引いても、やはり”食”はその人を知り、想う時に少なからずついてまわること。あらためてそう思いました。
料理がもともと好きだった人もいれば、少しずつ料理を覚えて愉しみを見出す人もいるし、逆に料理をする気をなくしていく人もいる。
料理に前のめりな人ばかりがでてこないのが好きです。
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大切なものを失いながら、それでもみんな立ち上がり、今日もごはんを作っている-。台所と食を通じて人生を立て直した人々を描くノンフィクション。朝日新聞デジタル『&w』連載を大幅に加筆修正し、新たな取材を加え書籍化。
いろんな物語があった。
Posted by ブクログ
素敵な本でした。今のところ2023年一番‼️ ルポルタージュらしい。 生と死が絡む話で、少々重いけれども、人の生きざま、変化、残された人の想い等々、心に沁みます
Posted by ブクログ
夕方にコンビニに行くとお弁当だけでなく一人用のおかずが豊富に用意され棚の前には高齢者がどれを買おうかと吟味しています。単身世帯の増加は個食を年齢性別問わずの「当たり前」にしているようです。そういう意味ではコストの問題を超えて、料理を作る、人と食べる、という昔の「当たり前」は非常に豊かな行為になってきていると思います。「衣食住、足りて礼節を知る」と言いながら消費社会を猛進していきた日本人の暮らしの今を知るのは「食」と「住」の交差点である「台所」が一番、ふさわしいのかもしれません。本書に登場する「台所」という舞台の主演俳優たちは、料理を作る、人と食べる、という個食という内向きのベクトルを外向きに向けてコミュニティ食(勝手にネーミングしましたが、これもコ食だ!)で物語を描いている人々です。それはかつての当たり前の家族制度とは違う繋がり方の選択であり社会変革は、台所革命から起こっていると感じました。台所って「おふくろの味」に代表とされるコンサバプレースに思い込んでしまうのは終焉していて、いまやリベラルの起点なのだと思いました。そういう意味では朝日新聞デジタルの&Wの連載ということを差し引いても男性の存在感、薄い薄い。
Posted by ブクログ
食べることを通して見える生き方と死に方。何かを失いながら、それでも、その苦しみと痛みを抱えながら、それを埋めるため、忘れるため、大切にするため台所に立ち続け、食べて生きる。台所は確かに人生なのかもしれないと思わされる。 #もえ読書
Posted by ブクログ
台所にこんなにも人生が詰まっているんだと驚いた。それぞれのこだわりも写真から伝わってきて、置いているものも一つ一つ思い出があると思うと台所は大切な場所。