大平一枝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2022/11/26リクエスト 3
とても良かった。
東京の台所から、筆者の本を読み始め、次の男と女の台所、で今回。
ライターとして、心の芯に訴える文章を、嫌味なく書く方。どの台所にも、語り尽くせない思いがある。
今回は全体に辛い経験の方も多かった気がするが、それさえも大平氏の筆力で、一つも無駄なことはない、と描かれている。
そして、最後にこの仕事を初めて何年か経った頃、慣れから、経験にあぐらをかき、なんとなーくこう書けばまとまるだろう、と感じていた時期もあった。
と、素直に書かれているところに好感を抱いた。
誰も、こんなこと書かなくっても気づかない。
それをわざわざ文章にする、ということ -
Posted by ブクログ
2021/12/04予約 1
かつてのわたし、いまのわたし。
一度決めたことを、必ずやり通さなければいけない、などと思わなくていい。
人生の積み重ねと共に、たくさんトライアンドエラーを繰り返した。それを踏まえ、無理しないで、緩やかに今の自分にフイットするよう、転がっていく。
「みんな、生きている途中だ。自分にフィットする暮らしのありようを求めて石のように
どんどん転がっていけばいいと思う。変わることをとめずに。」
P17
かつて
誰からも好かれたい、誤解はすぐ解きたい
今
こじれたものは待つほうがうまく行く
P27
かつて
問題はできるだけ早く解決が良いと信じていた
今
できるだけ -
Posted by ブクログ
少し前に、Twitterのフォロワーさんの影響で読んだ本。
とても印象深かった1冊。折りに触れて読み返したい。
育児は当事者として子どもとの距離が近いうちは大変に思えるけれど、こういうエッセイの目を通してとらえると途端に素敵に思えるから不思議だ。
日常をどんなふうに切り取るか、楽しかったことだけではなく苦労したことも、どのような言葉で表現するか。
振り返るきっかけにもなった。
子どもの成長はこの1年間でさえあっというまだった。言葉にしていったり、記録していかないと流れるように日々が過ぎてしまう。
もちろんそうやって過ぎる日々も愛おしいのだけど。私もその時々の気持ちを残すことを大切にしてい -
Posted by ブクログ
一万円選書で選んでいただいた、台所や料理にまつわるエッセイ集。
大平さんのことは知らなかったが、私の母ぐらいの年齢の方で、台所仕事について優しく教えてもらっているような、また友人からこれいいよと勧められているような気分になりながら読んだ。
全然気取っていなくて自然体なのにおしゃれだし、特にもてなしに関しては「こんな風にできたら素敵だな!」と憧れてしまうようなエピソードも多々あり、ワクワクしながら読んだ。
イワキの保存容器やキャベピィなど、同じの使ってる〜と嬉しくなったりも。
今すぐ実践できることばかりではないが、真似したいことがたくさん。
ただ、本書の中でも何度も述べられていた通り、その -
Posted by ブクログ
この歳になっても朝が弱く、NHK「あさイチ」も放送後の配信で見ることが多いのですが、今日読み終えたエッセイの著者、大平一枝さんのことは、私がよく利用する通販サイト「北欧、暮らしの道具店」に寄稿されているエッセイで初めて知りました。
本作には料理法も数多く出てきますが、それよりも台所と料理、そして料理をする人に焦点が当てられているエッセイです。
私もこの年齢になっても料理は苦手です。仕事と子育てを両立していた頃は、料理はもっぱら早く、家族に男手が3人いるので質より量、そして酒の肴にもなるものを主体に作ってきました。
現在は老夫婦二人暮らしとなり、健康診断で色々な箇所に引っかかるようになって -
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Posted by ブクログ
吃音のあるスタッフが運営する1dayカフェを取材した一冊。吃音についてはなんとなく知っていたつもりだったけれど、人によって発音しにくい行が異なっていたり、言いにくい言葉を避けて別の表現に言い換えて話していることがある、というのは初めて知った。また、「話の続きを先回りせずに、最後まで聞いてほしい」という人もいれば、逆に「言いたいことを察して先に言ってほしい」と感じる人もいるなど、対応の仕方が一人ひとり違うというのも盲点だった。つい言ってしまいがちな「ゆっくりでいいよ」や「落ち着いて」といった声かけも、本人にとってはかえってプレッシャーになることがあると知れたのも、大きな気づきだった。
著者の大平 -
Posted by ブクログ
このシリーズは割合好きでよく読んでいますね…! 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
コロナ禍ということもあり、なんだか全体的に低調と言いますか、鬱っぽいエピソードが多かったような…あと若い層でも離婚って居ますね! それも結婚してからまだ一年ちょっとで離婚とか…そういうケースもあるのかなぁ? とか思いましたとも…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
僕の知り合いでコロナで亡くなったとか、そういう人はいないんですけれども、世の中を見渡してみれば…というか、この本を通して思うことは人っチューのはこの瞬間もどこかで亡くなっているのだということ…巻末で著者はこの本を喪失と再生がテーマだとか? -
Posted by ブクログ
大平一枝さんの書く文章が好きだ。
朝日新聞デジタルマガジン『東京の台所』で彼女を知った。
彼女の文章は紙で読みたいと思った。
どうして好きなんだろうなぁ。
このエッセイを読んで、自分ごとと置き換え、
かつての私といまの私、時を経て経験を積み年齢を重ねたことより、変わってきた自分を見つめ直すことができるような気がする。私にはまだ答えがでていないけれど少しだけ先輩の彼女のお話を伺ってまた新たな私に出会うことができた。
印象的だったことばMEMO
・多摩美術大学「在宅性の君たちへ」
『今』を精一杯生きよ。自らの命を守れ。愛する人の命を守れ。そして生きるための想像力をしぼり出せ。
・”ていねい”